道がなければ、作ればいい
本日2話目の投稿です
「ヒュー、ヒュー」
ここは何処、どうなったんだっけ。
何だか頭がボートする。目の前が、目を開けているのに真っ白で、息がし難い。手も、足も動かない。
頭が痛し、吐き気もする。
そうだ、私、蜘蛛に捕らわれたんだ。
吸魔の森に入り、蜘蛛の巣を被った7名が、魔力抽出状態におちいった。
どうやって、魔力抽出されているのか不明だが、このままではジリ貧。魔力枯渇して弱って死を迎える事になる。
魔力を、魔物に渡すより先に、自分たちで使って魔物を倒そうと一致団結した。
「ジャン、この吸魔の森、直線で抜けるなら。魔の森の浅い層まで何日かかるんじゃ」
「おい!吸魔の森を突っ切るのかよ、無謀だな。でも悪くねー。吸魔の森に入れば、魔力抽出中じゃない7名も、魔力抽出中に陥るかもしれねーが、魔力を温存して親玉の蜘蛛に合いに行くのか」
「吸魔の森をちんたら歩いとってら遅い。魔力が尽きる。初めから最大火力でぶっちぎるのじゃ」
「さすが火魔法使い、発想が脳筋かよ。だが、そうだな、こっちには時間がない。吸魔の森の木々とか、地形とか完全無視できるなら、寝ずに走って2日だ」
「魔力枯渇のタイムリミットは5日じゃろ、余裕じゃ」
「だが、突っ切れるのか吸魔の森を、親玉の蜘蛛が黙っちゃいないぞ」
「それが狙いじゃ。高魔力持ちのエリナ、わい、ストームで道を拓く。何とかできないと本気で死ぬんじゃ、何とかするしかなかろ」
「ほな、テンションぶち上げて行くぞー」
本当、誰が言ったんだ、”道がなければ、作ればいい”と…。
「ミシミシミシ、バキバキバキ、ドドドドー・・・・・
目の前では、大量の魔力保持者エリナ姉による水魔法の洪水が、吸魔の森の木々をなぎ倒していく。なぎ倒された木々が森の奥へ押し流れていく。
「はー。後2回が限界です。急いで進みましょう」エリナ姉がやや疲れた顔で先をせかした。
我が旅団は、洪水で出来た道を真っ直ぐ走る。足元はぬかるみ、残った切り株に足を取られそうになりながら、走るのを辞めない。
3時間ほど走ると、洪水で押し流された木々が山となって立ちふさがった。
次は、コダラン国1位の風魔法使いストーム副騎士団長による竜巻が、木々を粉々にし、竜巻と一緒に舞い上がらせた。
竜巻の通った道を、ひたすら走る。
「ヨハン見える?周りに、きらきらした線みたいなの漂ってない。光の反射でめっちゃきれいだけど、何だろう」
「・・・・。」
「辺り一面に降り注いでるよね。ちょっとアイテムボックスで確認してみる」
私は、きらきらした線みたいなものを吸ってみた。
”蜘蛛の糸(通信障害中)”と表示さえれた。
通信障害?!私は私を噛んでみた。
”キスグ(魔力抽出一旦停止中)
「ヨハン噛ませて」
「・・・・。」ヨハンは腕を出してきた。
”ヨハン(魔力抽出一旦停止中)”
「ヨハン(魔力抽出一旦停止中)になってる。ヨハンて吸魔の森に入ってなかったよね、さっきヨハン噛んだら、”ヨハン(愛妻家)”で表示されたもん。どこかで蜘蛛の巣を被ったんだ。じゃあ旅団全員・・・。」私は、真っ青な顔で、ストーム騎士団長に報告に走った。
報告したが、やることは変わらない。道がなければ、作るのみ、早くこの吸魔の森を抜けだし、蜘蛛の糸通信網から離れる事。
ストーム副騎士団長が作った道を2時間走り、次はバレンシア侯爵令嬢。
「ボン!」「ボン!」「ボン!」「ボン!」
地面が破裂していく、破裂した木々の破片と突風の衝撃がここまで飛んでくるが、お構いなし。
狂ったように手榴弾を投げ続けている。
「エリナ姉、火魔法に、あれってあり?」呆気にとられた旅団員に対して、
「たぶんあり。考えちゃダメ、感じるのよ。今は急ぎましょう」旅団員は再び走り出した。
次は、ボス。




