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私の魔術は使いにくい  作者: ロミ


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奪うなら、奪われる前に使ってしまえ、ホトトギス。

本日も2話投稿予定

 

 エリナ姉による水攻め、バレンシア侯爵令嬢による火炙りにより、精神的にぐたりしている私をよそに、


「どうするストームのだんな。結局、解決方法わからずじまいだ。

 このままだと、魔力枯渇してくる奴が出てくる。すぐにじゃないが、時間の問題だ」

 紅団リーダーのジャンがストーム副騎士団長の横に立って話し出した。


「うむ。人まね魔物の時のように、変異種スライム増量で、何とかならないか?」


「変異種スライムは魔力に集まる。明確な魔力を持った魔物がいないから、増量しても、一番近くにいる我が旅団に津波となって押し寄せるぞ。しかも地形が悪い。後ろは崖だ。ストームのだんなが風魔法で押し返すにしても限界がある。異変種スライムの津波の大半は、崖の下に落ちていくだろうよ」


「うむ。このまま崖を歩いて、魔の森の浅い層に到着するまでにどれくらいかかる」


「下り坂だ。急いで下って、魔物の脅威にさらされなかったとして、6日、いや最短で5日はかかる。それまでに旅団員の魔力が持てばいいが…。以前、吸魔の森を抜けてきた冒険者は、普通の魔力量の者は5日が限界だと言っていた。生き残るか怪しいところだ」


「魔力ポーションを使ってもか」


「魔力ポーションには限りがある。道中何があるかわからない。魔物に襲われたとき、ふらふらの7名を庇いながら戦えるか?7名全員を助けるのは無理だ。厳しいようだが生き残るためには、誰かにポーションを渡さず見殺しにするしかない」


「うむ・・・・。」ストーム副騎士団長は難しい顔で、腕を組んで考えこんでしまった。





 ストーム副騎士団長、紅団リーダーのジャンが、旅団員を集めて、今しがた話した内容を伝えた。


「・・・・。」みんな黙り込んでしまった。


「俺は、帰りたい。妻も子も居る、帰りを待ってるんだ」騎士団員が肩を落として絶望しながら訴える

「俺もだ、ここで終わるのは嫌だ。戦って死ぬならまだしも、弱って死ぬなど耐えられない」紅団員が顔を真っ赤にして、立ち上がって訴える。

「わたしも、この任務が終わったら、報酬をたんともらって、ジャンと結婚する予定だったのよ。嫌よ。こんなところで終わるなんて」紅団の女性員が涙ながらに訴える。


 魔力抽出されている面々が、必死に訴える中、

「なんじゃ、深刻に考えよって、誰も置いて行かん。この旅団員は一蓮托生じゃ、生きる時も死ぬときの一緒じゃ。

 魔の森でトラブルに合わんほうが難しくないかのう。結局あれじゃ。魔力抽出中の7名は、トラブルにみまわれたら、遅かれ早かれ死ぬんじゃ。

 わいは搾取されるだけってのが気に食わん。それで皇太子殴って今ここにおるがの。

 奪われるなら、奪われる前に自分の魔力存分に使い切ってやろうじゃないか」

 バレンシア侯爵令嬢が高らかに宣言した。


「ええ、その通り、女は度胸ですわ。死ぬ前にぎゃふんと言わせてあげましょう」

 エリナ姉が隣でさわやかに笑っている。


「うむ。そうですな。バレンシア様がそうおっしゃるなら、御供します」

 ストーム副騎士団長が覚悟を決めた顔で、片膝をついた。


「あー。しゃーない。付き合ってやるよ。俺も紅団員置いていけねー。俺たちの悪あがき見せてやろうぜ」

 紅団リーダーのジャンも婚約者の女性団員を見つめながら答えた。







「ねえ、ヨハン。筋肉フェチの奥さんイイの?」


「・・・・。ああ」ヨハンは遠い空を見上げながら答えた。






心情を表現するのが難しい。次は仕掛けます。

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