護衛のヨハン
本日も2話投稿予定です
「・・・・。ゴリラだ」
人まね魔物を討伐した翌朝。
朝起きたら2mの岩場の雰囲気が違った。
簡易的に岩を砕いて作ったキャンプ場。寝る前は、小さな岩だらけで、干からびた雑草が端の方に少し生えてただけなのに、今は、テントを張っていないところは、すべて絨毯のような青々しい緑の雑草で覆われている。なんなら小さい青白い花が咲いている。オオイヌノフグリのような花。
「え!?どうなってるの」
起きてきた面々は、面食らっている。
絨毯のような雑草は、2mの岩にも、びっしりと覆っている。
ストーム副騎士団長は騎士団員を集め
「なぜこうなったか、危険がないのか調査だ。2人1組になって、2mの岩を視察する。警戒をおこたるな」
視察した、騎士団員によると、広場よりも2mの岩の方が、多く雑草が生い茂っている事。人まね魔物の遺体は無く、遺体があった場所には、草や、小さい樹が生えている事。魔物はおらず危険はない事を報告していた。
「うーん。どういうことかねー。人まね魔物が植物になった?違うな、スタイムか?異変種のスライムが魔力を持つものを溶かして栄養にして育った草木ということか?聞いたことないなー」紅団リーダーのジャンが顎に手を当て思案顔だ。
「どうしてこうなったかはわかりませんが、キスグのアイテムボックスの中に、異変種スライムはいます。バクシューレツ国に行ってから詳しく調べましょう」エリナ姉の目が光ってる。研究心が騒いでいるようだ。
「そうだな、何があるかわからない。早くここを離れた方がいい。準備しろ、準備でき次第、出発だ」
2mの岩場はまだまだ続いている。私と、護衛のヨハンと、土魔法騎士団員は、今日も岩を砕いて道を作る作業だ。
誰だ、道がなければ、作ればいいんだよって言った奴。
今まで道がなかったのは、手段の選択肢が少なく、重労働で、時間がかかり、採算が合わないからだよ。
誰でも作れる道なら、優秀な人が、いろいろ整備して、もう作ってるさ。
新しい道を作るって、相当な覚悟と、根性と持久力だと思ってるだろ。
ちがーう。必要な技能を持った人員と、十分な予算と、円滑に回すコミュニケーション能力だ。
どんな障害がこようとも打ち負かせる 後・ろ・盾!
1人じゃできない。助けを求めて、自分の力量見極めて分不相応な事は辞めて、小さいことからコツコツと。
さあ。今日も岩割り始めよう。
「・・・・。」ヨハンが独り言の私を呆れた顔で見ていた。
あれから、3日、岩を割り続けて道を作って、やっと魔も森の中腹、崖の頂上についた。
崖の下から吹き付ける風を受けながら、崖の上から、今まで歩んできた魔も森を一望している。
「めっちゃ崖、迂回してきたんだね。今、魔の森の中腹だから、今度は魔の森の浅い方に、崖にそって歩き続けて戻るんでしょ」
「・・・・。ああ」
「ヨハンて無口だよね」
「・・・・。」
「こんなにヨハンと一緒にいるのに、私ヨハンの事何にも知らないや、ヨハンて何歳?」
「・・・・。30だ」
「え!思ってたよりおじさん。結婚してるの?」
「・・・・。している」
「え!よくできたね。奥さん顔で選ばなかったんだね、筋肉かな、筋肉フェチなのかな」
「・・・・。質問は終わりだ」
「怒った?ごめん。最後の質問。ヨハンの魔術って何」
「・・・・。ゴリラだ」
「めっちゃ納得」
ずっと書きたかったヨハン、やっと書けました。




