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私の魔術は使いにくい  作者: ロミ


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本日2話目の投稿です

 



「反撃だ!」





 人まね魔物による、甲高い耳障りな同じフレーズの声が、3日三晩続き、

 4日目の朝。我ら旅団は、イライラの限界を迎えていた。


「もー。頭がおかしくなりそうじゃ。何とかできんのか」バレンシア侯爵令嬢が目の下に隈を作った状態で地団駄踏んでいる。


「私も限界です。もうあの声聞きたくありません」エリナ姉が耳を手で塞ぎながら、しゃがみこんだ。


「人まね魔物は、1匹1匹は弱いが、昼夜とわずの音や石により相手を精神面から弱らせ、弱ったところを集団で狩をする魔物だと考えます。

 今、まさに我が旅団は、人まね魔物の戦術にまんまと、はまっている状態です。

 これを、打破したいが、相手の声だけ聞こえて、姿が見えなから、攻撃目標が定まらない。複数の火の矢も、空ぶってしまえば、魔力の無駄使い。相手の思うつぼです」ストーム副騎士団長がいい聞かせている。


「じゃー、どうするのじゃー。早く2mの岩場を抜けたいが、見渡す限り岩・岩・岩。終わりが見えないぞ」バレンシア令嬢が弱音を吐いている。


「ここは、人まね魔物の陣地内です。人まね魔物にとって身を隠すのも、逃げるのも、攻撃するのもお手の物でしょう。せめて、相手の場所を特定できれば、対処方法もあるのですが…。」ストーム副騎士団長もお手上げのようだ。


 話を聞いていた我が旅団の、士気は低い。皆うつむき、苦悶の表情だ。


 私は大きく手を上げた

「はい!人まね魔物の場所を特定するだけなら、できるかもしれないよ」

 私は作戦を話し出した。







 登れない崖を背に、足場確保のために2mの岩を複数砕き、大きな広場を作成した。


 我が旅団14名が、ストーム副騎士団長を背に、配置に着いた。

 大量の魔力を持つ水魔法のエリナ姉だけ、ストーム副騎士団長の横だ。

 飛ぶ魔法を操る、火魔法、水魔法、弓師が2mの岩の上に陣取り、いつでも射れる準備万端。

 他の旅団員が、ゴムボールみたいな青白い変異種スライムを手に、戦闘態勢に入っている。



「ここが、我が陣地だ。ここに入って来た人まね魔物は始末しろ!飛び魔法、火の矢、水の矢、弓準備は良いか!、では、反撃だ‼」


 ストーム副騎士団長の戦闘開始の合図と共に、旅団員は一斉に鍋の中から変異種スライムを、声のする方へ力いっぱい投げ始めた。変異種スライムは2mの岩の隙間に挟まて行く。


 3つの鍋が空っぽになった頃「エリナ様おねがします」ストーム副騎士団長の合図とともに、エリナ姉が広範囲水魔法を展開。2mの岩場に猛烈な雨を降らせた。



「ざざざざざざざざざざざざざざ・・・・・・

 水により増量した変異種スライムが、2mの岩場の隙間からあふれ出てくる。異変種スライムの津波を人工的の発生させたのだ。


 人まね魔物は、あふれ出る変異種スライムにのまれ、姿を現した。

 そこへ、すかさず複数の火の矢、水の矢、普通の矢が放たれ、次々と人まね魔物を討伐していく。


 魔力に反応して、くっつく変異種スライムは、矢を逃れた人まね魔物にくっつき、溶かし出した。






 遠くの方で

「ギャー、ギャー、オー、ダイジョーブー、ギャー・・・・

 人まね魔物の悲鳴が聞こえる。


 陣地である広場では、ストーム副騎士団長が風魔法を駆使して、異変種スライムの津波が陣地に入らないように、風で押し返しながら、

「人まね魔物に、協調性と高い知性があったら、協力して異変種スライムを体から剝がし合えるだろうが無理だろうな」


「これで大半の人まね魔物は討伐できるでしょう。こちらは異変種スライムにより溶かされ、動きの鈍った人まね魔物を討伐すればいいだけですね」エリナ姉が腹黒い顔で笑った。




 半日ほどして、人まね魔物の悲鳴が聞こえなくなった頃、人まね魔物の残党討伐と、異変種スライムの残った分をアイテムボックスに集める作業を分担して行った。





 その日のキャンプ場は、陣地として作成した広場で一晩あかす事となった。

 今日の夕飯は、すだち冷麺と、以前狩ったイノシシ魔物の焼き肉だ。


 このイノシシ魔物は、以前私が、ジン兄と野営した時に狩った獲物で、魔の森のどんぐりや、キノコ、果実など森の恵みで脂の乗った代物だ。(エピソード21)

 この脂の乗ったイノシシ魔物を、魔術が狩人のジン兄が、血抜きし、筋にそって筋肉を傷めず捌いた肉。まずいわけがない。

 野営なので、切って焼いただけの調理だが、焼き途中の脂の滴りよ。何度涎が垂れそうになったか。

 表面をパリッと焼いただけのレアでいただく。すだちを添えて。

 小刀で一口サイズに肉を切り、口の中へ。

 外パリ、中がほんのり冷たい柔らかい感触。イノシシ魔物の臭みはまったく無く、噛みしめるたびに、肉の脂が溢れ出る。

 二口目は、すだちを絞って。すだちのいい香りが漂い、口に入れると、酸味と脂身が融合して、何て美味~。ぜんぜんしつこくない、サッパリしてて何個でも食べれる。


 私がイノシシ魔物肉を堪能していると、隣にいたエリナ姉が

「何で、キスグは早く、この作戦教えてくれなかったの。そしたら3日三晩苦しむことなかったのに」

 イノシシ魔物の肉の塊を、噛み引きちぎりながらエリナ姉が訊ねた。


「だって、思いつかなかったんだもん。私は変異種スライムは人まね魔物に群がると思ってただけだもん。変異種スライムを使って討伐作戦考えたのはストーム副騎士団長と紅団リーダーのジャン、エリナ姉でしょ。知らないよ」


「ま~な。討伐できて良かったじゃん。あー。やっと今日はゆっくり寝れるじゃろ」バレンシア侯爵令嬢が背伸びしながら答えた。











変異種スライム万能。次はヨハンについて。

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