すだち冷麺
本日2話目の投稿です
"変異種スライム(冷麺)”???冷麺?
変異種スライム津波に遭遇し、何とか討伐できた私たちの旅団は、今日のキャンプ場に到着した。
変異種のスライム討伐中、突如口の中に入って来た異変種スライムをアイテムボックスに吸い込むと、変異種スライム(冷麺)と表示された。
冷麺て、あれだよね、焼き肉屋や、ラーメン屋で、サイドメニューにある冷麺だよね。
「キスグ、何?真剣な顔して考えこんで、どうしたの?お腹でも痛いの?」エリナ姉が、寝床のテントを組み立てながら、作業の止まっている私に話しかけた。
「うんん。おなか痛くないよ。さっき確保した異変種スライム、どうやったら冷麺になるのか考えてたの」
「本当に冷麺になるの?異変種スライムだよ」エリナ姉は疑っている表情だ。
「・・・たぶん。異変種スライムから冷麺になる方法がわからないんだよね、私のアイテムボックス詳しく表示してくれないから」
「う~ん。やっぱり試してみるしかないんじゃない、火魔法で直接、火を当てると蒸発しちゃうから、なしね。一般的に考えられるのは、普通の麺類みたいに、お湯に入れて湯がく方法だけど、どうだろうね」
「よし、やってみよう。私、薪ちょっともらってくる。鍋に水入れて、お湯沸かして異変種スライムぶち込んでみよう」早速私は、薪を集めている騎士団員の所に突撃した。
「バレンシア様、エリナ様、先ほど確保した、異変種スライムで何やら実験をなさると聞いたのですが・・・」ストーム副騎士団長が、私たちのテントに、騎士団員2名を伴ってやってきた。
「そうなんじゃ、このキスグが異変種スライムは冷麺になるとぬかしとる、ありえんとわしは思うんじゃが、キスグだからのー。一回試してみようって話になったんじゃ」バレンシア侯爵令嬢が、薪に火魔法で火をつけながら説明している。
「んー。まだまだ旅は続きます。われわれは少しでも危険を回避したい。今実験せずとも、バクシューレツ国に着いてからではいけませんか」
「ストーム騎士団長、この実験は3つの目的があります。
まず1点目は、異変種スライムが冷麺になるかです。バクシューレツ国の手前の崖が崩れていた場合、追加で最低2週間の食糧を確保せねばなりません。冷麺になったら、食料事情に余裕ができます。
2つ目は、異変種スライムの討伐方法を確立できるのです。今までは、ひたすら火魔法と、核を削る、消耗戦の戦いと聞きました。異変種スライムで人命がおびやかされる事はありませんが、異変種スライム討伐による疲労、物品の破損、討伐後の疲労後、他の魔物による攻撃があった場合、コストパフォーマンスは落ちるでしょ。
3つ目は、キスグのアイテムボックスの残量です。今回の戦いで、大量の異変種スライムを確保したことにより、残量が減っています。少しでも残量を増やしたいのです」
エリナ姉が、ストーム副騎士団長を説得してる。私のアイテムボックスの残量はまだ、庭師の2階建て倉庫1棟弱分は残っているけどね。
「うむ、しかし・・・」ストーム副騎士団長がしぶっている
「心配でしたら、一緒に実験のお手伝いをしていただけませんか。まずは、異変種スライムを沸騰するお湯に入れてみようと思いますの」エリナ姉が、小首を倒してかわいい顔でおねだりしている。
「ん。わかりました。危険があると感じたら、実験を辞めてもらいます。いいですね」
「はい、ありがとうございます。さあ、お湯が沸騰したし実験しましょ。
キスグ、スライムを10匹ほど出して」
「10匹は無理だよ。蓋した鍋ごと吸い込んでるから、異変種スライムを単位では出せないよ。鍋1つずつなら出せるよ」
「そう、じゃ、鍋1つ出して、そこから異変種スライム取り出して、沸騰したお湯の中に入れてみましょう」
私は、異変種スライム入り鍋を取り出して、蓋を開けたら、異変種スライムが飛び出した。
「もー。何やってるのキスグ。捕まえなさい」エリナ姉怒だ。
スマートに、ストーム副騎士団長が風で異変種スライムを集めてくれた。集まった異変種スライムを、蓋つき鍋へ入れて戻し、10匹ほど、沸騰した湯に入れてみた。
すると、みるみるうちに異変種スライムは溶けだし、核が1つに。
サッカーボール大の異変種スライムができあがった。
異変種スライムは、沸騰したお湯をひっくり返し、沸騰したお湯が火にかかり、蒸気が周辺に広がった。異変種スライムは鍋から抜け出し、一番近くにいたバレンシア令嬢へ襲い掛かるも、そこはバレンシア令嬢、火魔法で瞬殺した。
めっちゃびっくりした。
お湯にいれたら、合体するんだね。
あれ、火が消えてしまった薪の近くに、冷麺みたいなのが落ちてる。小さい核も落ちてるね。
私は近づき持ち上げた、無臭、肌触り、弾力、これ冷麺だよね。
「見て、身て、これ冷麺だよ。冷麺できてる!」
「本当ね、冷麺だわ、どうやってできたんだろう?何処に落ちてたの?」エリナ姉が目を輝かせて聞いてきた。
「火が消えてしまった薪の近くに落ちてたよ」
エリナ姉は、腕を組み、顎に手を当てて考えてる。「火は消えてしまう・・・・お湯は合体してしまう・・・水は増殖してしまう・・・ぶつぶつぶつ」
「蒸気かしら?冷麺になったスライムは集め損ねたスライムよね。お湯がひっくりかえり、大量の蒸気が周囲に広がったわ。一度蒸気を当てて実験してみましょう」
薪が集められ、3か所に薪が設置された。
今回は燃えている薪にお湯をかけ、蒸気を発生させる。異変種スライムを近くに置き、蒸気で冷麺になるか実験してみたら、3回とも冷麺になった。
「やったわ!やったわ!これで、異変種スライムの討伐方法もわかった。異変種スライムの津波の中、お湯を沸かすのは大変だけど、1匹1匹異変種スライムを討伐するより、はるかに効率がいいわ。しかも、火種と水があれば、誰でも討伐できる。これは発見よ!」
エリナ姉が歓喜しているなか。私は地面に落ちている冷麺をみて、しょんぼりだ。
「・・・・。どうした、嬉しくないのか」護衛のヨハンが聞いてきた。
「うれしいよ、異変種の討伐方法がわかったことも、冷麺になったことも。でもね、地面に落ちた冷麺は食べれないよ」私が地面に落ちて泥だらけの冷麺を両手で掲げながら、悲しみに暮れていると。
「・・・・。沸騰した湯の上で、ザルに入れた状態で蒸気にさらせばよくないか」
泥だらけの冷麺を見ていた私は、勢いよくヨハンを振り返った。
「ヨハン天才!そうだね。そうだ。早速やってみよう!」
「・・・・。」
私は、早速、沸騰した湯の上で、異変種スライムを蒸気にさらしてみたら、一瞬で冷麺へと変化した。
「やった!やったよ!冷麺だ!冷麺たべれるよ」私は、出来上がった冷麺を高く掲げ、小躍りだ。
冷麺と言えば、盛岡冷麺。チャーシューやキムチ、玉子などを乗せラーメンのように食べる食べ方もあるけど。この暑い砂漠地帯で食べたいのは、さっぱりした冷麺。
レモンも良いけど今はないので、以前魔の森で見つけた緑色の果実。アイテムボックスにいれたら、すだち(旬)と表示された。これを取れるだけ取って来たので、使っていきたい。
「ヨハンすだち冷麺作れる?」
「・・・・。作れる」
私が冷麺作る担当。ヨハンがすだち冷麺の汁とすだちを切る担当に分かれて、作業しだすと、それを見ていた、紅団員や、騎士団員が手伝ってくれて、あれよあれよとゆう間に、異変種スタイムは冷麺へと、早変わり。大量の冷麺鍋ができあがった。
「だいじょうぶ?これ異変種スライムだったんだよね」エリナ姉が、疑ってる。
「いいよ、食べなくても。一応出来上がった、すだち冷麺をアイテムボックスに入れたら、”すだち冷麺(美味)”て表示されたから、大丈夫」
それを聞いた、他の団員もすだち冷麺を食べだした。
周りから「うまい」「美味しい」「めっちゃ合う」などの言葉が、聞かれる。
私も一口すすった。
琥珀色に輝くだし汁の中に、透き通った白い麺と、緑を縁取ったすだち。
見た目も涼しいが、口に入れると、つるっとした食感。喉に滑りこむ弾力に箸がとまらない。香りと酸味のバランスが丁度良い旬のすだちが、口に中で上品さを演出してくれる。ここが砂漠地帯のキャンプ場だと忘れさせてくれる清々しさ。
私達は、すだち冷麺を、何杯もお替りしてのでした。
戦闘より、食べ物の回の方が、書きやすい。




