専属メイドのマリーと、護衛のヨハンの会話(マリー視点)
短いです。
夕食時、ジン次期当主様から、バクシューレツ国へは同行できない事を伝えられた。
小さい頃から、キスグお嬢様を見てきた。
キスグお嬢さまは、小さいころから食べ物に貪欲だった。
少し目を離すと、厨房に行って、料理長に味見を強要。
味見で満たされない時は、庭師の所に行き、食べられる木の実を食べたり、こっそり花の蜜を吸ったりしていた。
あるとき、子爵家奥様が大切にしている花の園庭を、花なし園庭にして無茶苦茶怒られてた。
目を離した私も一緒に怒られた。あの時の奥様は人間じゃなかった、まさしく鬼だった。
それから私は、キスグお嬢様から目を離さないようにしようと心に強く誓ったんだ。
そんなキスグお嬢様に目を付けたのが、魔術が狩人である、当時15歳のジン次期当主さま。
面白い事が大好きなジン様は、魔の森で狩ってきた魔物肉、取って来た果物でキスグお嬢様を籠絡した。そのうち、自分で狩った新鮮な肉が食べたい、焚火で焼いた魚が食べたいと、ジン様と一緒に魔の森に付いて行くキスグお嬢様を見て、肝が冷えたものだ。
子爵令嬢を魔の森へ誘うジン様、さすがに現当主子爵様、奥様が令嬢としてはしたないと、反対するだろうと思ったが、どうゆうわけか賛成してキスグお嬢様は、一時期、魔の森で狩人生活をしていた。
もちろん私もお供した。魔術が俊足の私は、逃げる事に関しては誰にも負けない自負がある。
小さき頃の、キスグお嬢様を小脇に抱えて、何度も魔物から逃げ切ったのはいい思い出だ。
今回の、バクシューレツ国への同行もできると思っていた。
正直悔しい。逃げることはできるけど、戦うことはできない私。今は大きくなったキスグお嬢様を小脇に抱えることもできない。
確かに魔の森では、足でまといだろう。
「ヨハンさん、キスグお嬢様をおねがします」
「・・・おう」
「何ですか、その間は。キスグお嬢様は、食べ物が絡まなければ、優秀な子爵令嬢なのですよ」
「・・・おう」
「だから、何ですか、その間は。私は心配なのです。キスグお嬢様が、落ちている物を食べないか」
「?・・・おう」
「魔の森には、毒キノコや、しびれる果実、幻覚をみせる花の蜜などもあるそうです。キスグお嬢様は必ず食べます。ヨハンさんはそれを阻止して下さい」
「・・・食べる前に、アイテムボックスに入れるように言い聞かせればいいんじゃないか、物の詳細がわかるんだろ」
「!。そうですね!ありがとうございます。出立までにお嬢様に指導します」
「・・・・怪我とか、命を落とすとか心配じゃないのか」
「ん?大丈夫だと思います。キスグお嬢様わりと強いですし、アイテムボックスの魔術を得てからバージョンアップしましたし。一緒に行く騎士団の方も、冒険者の方もついてるので。でも、真面目でお優しいのは良い事なのですが、素直すぎるので、騙されて利用されないか心配です」
「なのでヨハンさん、くれぐれもキスグお嬢様をよろしくお願いします」
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「ハクション!誰か私の噂してる?」
ひどいマリーの認識ですが、事実です。




