こっちみんな◎(ジン兄視点)
本日3話目の投稿です。
1週間続いた激しい雨が小雨となり、子爵家の騎士団を領の巡回に向かわせた。
我がゾルトラーク子爵領と隣のベンゼン子爵領を結ぶ主要な橋が、濁流で落橋したという知らせを聞いたのは、今日の朝だった。
俺は、すぐさま子爵家騎士団、領内の土木関係者と一緒に、落橋へ馬を走らせた。
半日ほどして辿り着いた橋は、濁流と瓦礫により壊れていた。
瓦礫の撤去も重要だが、この濁流ではまだ手が出せない、2次被害になる。
だが、このまま濁流が静まるのを待ってから、瓦礫を撤去後、足場を作って、新たに橋を架けるとなると、かなりの時間を要する。
長雨により被害を受けた場所へ届けたい物資がある。停滞していた物流も回したい。何とか簡易の橋をかけれないだろうか。
対岸にはベンゼン子爵家の面々と、父の姿が見えた。ん?男の子の姿をしたのはキスグじゃないか。
「キスグがいるなら、何とかなるかもしれない・・・。」
俺は、矢文を使用し、2人の子爵と話し合った。
始め父はキスグを心配し反対していたが、領民の為、簡易の橋ができる可能性があるのならばと、キスグの説得に向かった。
キスグは了承し、伐採所へ向かったようだ。
おそらくキスグは、30mのヒノキをアイテムボックスに入れて持ってくるだろう。
ヒノキがアイテムボックスの容量より大きくても、キスグは無理してでも持ってくる。
俺たちは、持ってきたヒノキを、無駄にしないよう、確実に対岸に架ける方法を考えないといけない。
2時間後キスグは、約束通り30mのヒノキを5本アイテムボックスに入れて帰って来た。
だが、顔色は悪く苦しそうだ。
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伸びてる、伸びてる、伸びてるよ~。
自分の中の箱型の魔力が、ビロ~ンて伸びてる。
容量にはまだ余裕があるけど、突っ張っている感じが強い。
父に願われ、領民の為、子爵家の娘として、伐採所に向かった。
そこには、30mのヒノキが確かにあった。
始め、噛みついて吸い込もうとしたが、すべてを吸い込む前に、つっかえてしまった。長くて全部入らなかったのだ。
そこで、伐採所で私はアイテムボックスに入れていた物をすべて吐き出した。
「・・・・食べ物ばかり、こんなに」
長旅中に買った食料、旅の地中で摘んだ赤い実やキノコ。ガトーショコラの残り、ベンゼン子爵家で出された料理や、お菓子などなど、馬車1台分ぐらい吐き出した。
伐採所に案内したベンゼン子爵家の従者達の、開いた口が塞がらなかった。
恥ずかしい。秘密を暴露したみたいで、いたたまれない。ベンゼン子爵家で出された料理も入れてたけど、怒られないよね。今から頑張るから許してね。
私は、30mのヒノキを再度、噛みついて吸いこんだが、やっぱりつっかえてしまった。
護衛のヨハンが、私の頭を支え、30mのヒノキを無理やり押し込み始めた、呆気にとられていたベンゼン子爵家の従者も一緒に押し込み始めた。
まって、まって、まって、痛くないけど、もっと丁寧に。大口を開けててしゃべれないから~。
伐採所では異様な光景がひろがっていた。
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キスグがアイテムボックスに入れて持ってきた30mのヒノキを、正確に対岸に架けなければならない。
「ゾルトラーク子爵側から、釣り糸に長い紐をつけてベンゼン子爵側へ送る。
キスグに少しだけヒノキの先端を出してもらい、紐を結びつける。
キスグの口に入っている間は、重さは関係ない。
だた長いのでバランスが悪い、ヒノキの先端を誘導してやればいい。
ゾルトラーク子爵側から紐を使い、対岸に誘導する」
作戦は功を結び、5本のヒノキが架かり、土木関係者の手により簡易的な橋が完成した。
キスグは、褒められたい犬のように、まんべんの笑みでこっちを見ている。
こっちみんな、キスグはよくやったよ。
俺もつられたて笑顔になった。いつにまにか小雨は止んでいた。
ジン兄の魔術は狩人、遠くの物が良く見えます。
エピソードタイトル、やるやんけ◎、こっちみんな◎も、YouTubeマイキさん(ドラマー)のテロップから頂きました。マイキさんのテロップが笑えます。勝手に使用してごめんなさい。




