私の婚約者
本日は1話投稿です。
「ほへ~」
父から、婚約の話を聞いて10日後の夕方。
遠くの丘の方から、馬に乗った騎士達が走ってくる。
夕日を背に受け、灰色のマントをたなびかせ。
予定到着時間の知らせを受けていた、ゾルトラーク子爵家の家族は、門の前で待機中。
どんどん近づいてくる騎士達3人。
ドキドキドキ。私の心臓も最高潮。
今日は、朝からおめかし。できるだけきれいに見えるように、母と兄嫁、私の専属メイドマリーが、腕によりをかけて仕上げてくれた。最高の私になっている。
「クスクス」
こわばっている私の顔を見て、隣でジン人兄が小さく笑っている。
何がおかしいんだ。私はジト目で睨んでやった。
どんどん近づいてくる。夕日の逆光で顔は見えないが、姿は3人とも、身長が高く、すらっとしていて、馬を操る姿がスマート。
ドキドキドキ、私は少し背伸びして、すまし顔。
どんどん、近づいて来て、門の前に騎士達が到着。
乗って来た馬から3人とも颯爽と降りて来て、真ん中の男の人が、父にあいさつした。
その後、私に向き直り、
「はじめまして、私は、ユパ国第2近衛師団に所属するウォーレン・バレンシア。バレンシア侯爵令嬢の叔父にあたる。君の婚約者だよ」
「美しい・・・」
見た目20歳前後、身長は180cmはある高身長。シルエットはスッとしているのに、上腕二頭筋や胸板もしっかりある。黒い短髪に、凛々しい眉、やさしそうな目、目の色も黒。西端な鼻。どこか照れたように、はにかんだ笑顔に心臓を「ドキュン」と撃ち抜かれた。
そう、まさしく、リュッ○ベッソン監督作品、映画スピード、主人公キア○リーブスそっくり。
私の好みのドンピシャ。
女神様ありがとう。今まで頑張ってきたご褒美ですか、それとも今後、苦難が待ち受けていますか、どちらでも構いません。
こんな素敵な男性が私の婚約者だなんて・・・・最&高です。
私が思考の渦に落ちて返事もせず、「ほへ~」と、ほおけた顔で見上げていると。
「バチン」
ジン兄から、おもいっきり頭を叩かれた。
「痛い、何するんだよ」
私が頭を押さえてながらジン兄を睨むと、
ジン兄は冷めた目で私を見て「挨拶は」と、ウォーレンさんを見る。
私は、慌てて向き直り、
「ゾ、ゾルトラーク子爵家3女。キスグ・ゾルトラークです。よろしくお願いします」
私は、顔を真っ赤にして、ぎこちないカーテンシーをきめた。
そんな、私に対して、ウォーレンさんは、笑顔を絶やさず
「こちらこそ、よろしくお願いします」と、返してくれた。
その後ウォーレンさんは、両親とにこやかに挨拶して、執事がウォーレンさんと2人の従者を、客間ままで案内していた。
「キスグ、かっこいい人でしょ」
母が、まだ、ほおけている私に声をかけた。
「ウォーレンさんは、王都でも話題のイケメン。ファンクラブまであるそうよ。今は第二近衛兵だけど、剣の腕も頭脳も優秀よ。
年齢は20歳でキスグとは8歳違い、今は12歳と20歳で犯罪ちっくだけど、キスグが結婚予定の20歳の時は、ウォーレンさんは28歳。ベストな年齢差だと思うわ。
家柄は、現バレンシア侯爵様の末の弟ね。だから、バレンシア侯爵令嬢にとっては、同じ年でも叔父さまよ。
ウォーレンさんは、あたなと結婚したら、バレンシア侯爵家が所有する子爵の称号と領地を得る予定よ。
バレンシア侯爵家はキスグのタイプの男性まで、ばっちりリサーチ済み。婚約者に、しっかりイケメンを準備。しかも、バレンシア家直径の血筋を、片田舎の子爵家3女と婚約させるなんて、現バレンシア侯爵様はよほどキスグを取り込みたいのね」
母の話を聞いた私は、評価はありがたいが、ウォーレンさんに申し訳ない複雑な気持ちになった。
夕食の時間になり、ささやかな歓迎の晩餐を開催したが、私は食事の味も、何を食べたかも覚えていない。ずーとウォーレンさんを見ていた。
まず、執事に案内されて、晩餐会部屋に入って来た姿よ。
白いワイシャツに、紺色のジャケット、同色のベストとパンツ。颯爽と歩く姿のさまになる事よ。だだの子爵への食事部屋が、まるでファッションショウのランウェイ。目が離せない。
黒の短髪、国宝級の顔面偏差値。その凛々しい黒目が、私を見つけたとき、ふにゃりと微笑む。
「ドキュン、ドキュン」2回、心臓撃ち抜かれました。ど真ん中です。
「ほへ~」と、ほおけている私を、両親は痛い子を見る目で、ジン兄は呆れて見ていた。
その後2日ほど、滞在して王都へ帰って行ったウォーレンさん。
滞在中に、メイドのマリー付きで、一緒にお話しさせて頂いたが、内容は全然耳に入らなかった。
だって、前世で大好きだった俳優さんそっくりの人が、目の前で私にだけ微笑んで、ハスキーボイスで話しかけてくれてるんだよ。こんな夢のような時間ある。最&高だよ。
ウォーレンさんが、王都に帰る時、もうすぐ王都の学園に入学する事を話したら、王都に着いたら、また会う約束をしてくれた。
また会える。また会える。私の婚約者ウォーレンさんに。早く王都に行こう。
次は、ウォーレン視点




