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私の魔術は使いにくい  作者: ロミ


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ハウステンボス

本日も2話投稿予定。

 



「ん?なにこれ?うそなの」


 私達は、今、元砂漠のダンジョン1階層挑んでいる。

 私は入って早々違和感に気付いた。






 入口は、前世、教科書で見た古代ローマの遺跡のような、硬い岩を積み上げて作った幻想的な広い空間だったけど、奥に入るにつれ、道は細く、薄暗くなっていく。

「なんか、不気味なとこだね」私がつぶやくと、隣のヨハンが大きく頷いた。


 ダンジョン内に設置してあった松明に火をつけて、おのおのが松明を持ち歩く。無数の揺れる松明の光、それに映し出される人の影。誰も話さない。緊張しながら慎重に歩いているのがわかる。


 薄暗いダンジョン内の岩づくりの細い通路を抜けると、人が100人ほどは入れる天井が高い空間に着いた。



 薄暗い空間に全員入ったら、、突如、突風が吹いて持っていた松明が消えた。


「シュン」

 真っ黒になった空間に突如、素早い音がする。


「シュン」

 どこからともなく、素早い音が耳をかすめる。


 誰かが叫んだ。「弓矢だ」


「シュン」

 そこからパニック。真っ暗な空間で、皆が逃げ惑う。


「痛い」「ドン」「踏むな」「助けてー」いろいろな悲鳴や、怒号がこだまする。


「シュン」

 弓矢の音は続いている。


「カシャン」

 誰かが剣を抜く音が聞こえた。「かかってこい」威勢はいいが、真っ暗闇で剣を抜くのは自殺行為だ。






ー・-・-・-・-・-・-・-




 私が始め違和感に気付いたのは、入口すぐ松明が置かれていた事。

 前世に比べ、文明が遅れているとはいえ、ランプは普通にある。

 私がランプを取り出そうとしたら、みんな松明に火をつけていた。


「なぜ、松明?」

 私が小声でつぶやくと、ヨハンが振り向き、自分が持っている松明と私を見比べた。


「・・・・。」

 ヨハンも違和感に気付いたんだろう、松明を持たず、片手にハンマー、片手に私の手を引いた。

 前と、後ろを歩いていた、ピーターさんもスタークさんも、同じように松明を置いた。おかしいと思ったようだ。

 私達は攻略隊の前の方を歩いていたが、徐々に後退し、隊の後ろの方を歩いている。


 歩いていると細く薄暗い通路になった。人が1人通れる幅だ。通路は天井も低いため、大人はみんな少し屈んで歩いている。私は身長が低いので普通に歩いている。

ふと上を見上げると、他の人が持っている松明に照らされた天井が海の波のように揺らいで見えた。

 

 あれ、おかしいな。目の錯覚かな。目をこすってみたが、揺らぎは変わらないな。

 始めは松明の光のせいだと思ったけど、よく見ると、本当の壁と、そこにごつごつした岩の画像が映し出されているんだ。この壁も天井も全部プロジェクションマッピングだ。


 前世で、某オランダを模したテーマパークで、シンボルタワーに映像イリュージョンが映し出されたときには、感動しすぎて、口を開けたまま「わー」「すごーい」「綺麗ー」の3文字しか言えなかった事を覚えてる。

 それに似ている。

 私は、見た事あるからわかったけど、プロジェクションマッピングの存在を知らない人は騙されるだろよね。凄い技術だ。

 みんな気付いていないみたい。歩いてる時は、仕掛け罠を警戒して、壁や天井に手を付く人はいないから余計に気付けないんだ。


 細い通路を抜け、天井の高い空間に出た。よく見ると、ここは天井、壁、床すべてがプロジェクションマッピングだ。


 私とヨハン、スタークさんとピーターさんは、入口すぐの壁際に立った。

 突如突風が吹き、松明の火が消え、辺りが真っ暗になると、どこからか「シュン」「シュン」と音がする。時折、早く細い風が頬をかすめる。


 辺りは混乱した人達の声がこだましている。

 私達は入口付近で、小さくなって動かず、混乱が収まるのを待っていた。


 空間に薄暗い青い明かりが灯りだし、辺りを見回すと、うずくまっている人、壁際に居る人、中央には足を押さえてうずくまってる人や、剣で切られて負傷している人などが居た。


「ゴー、ゴー、ゴー」

 大量の水が流れる音が遠くから聞こえる。水の音はだんだん大きくなり、入口とは反対側にいつの間にか開いていたトンネルから聞こえているようだ。


「ぽたん」

 顔に水滴がかかった。


「水が来るぞ、逃げろ」

 誰かが叫ぶと、我先にと、入って来た細い道にみんなが殺到しだした。

 我先にと押し合い、へし合い。細い通路に無理に入ろうとするので、渋滞が発生している。


「あのトンネルに行ってみよう」

逃げ惑う攻略隊を横目に、手を繋いでいるヨハンを引っ張り、私達は水音が聞こえてくるトンネルに向かった。


「やっぱり、うそだ」

 トンネルを触ってみたが壁だった。トンネルもプロジェクションマッピングだったんだ。


「これ、映像だね。実際にはない偽物だよ。本物のように見せてるだけ」

 ヨハンも、スタークさんもピーターさんも、トンネルを何度も触り、壁だった事に驚いている。


 私は、ランプを取り出し灯した。


 そうすると、水音が止み。映像が揺らぎ消えてなくなった。天井や壁、床は薄茶色のつるつるした岩肌になった。


 私の足元には、ゴルフボールぐらいの丸い石が落ちていた。

 「ん?なんだろこれ」

 疑問に思った私は拾って噛んでみたら、”プロジェクションマッピング装置(音声可)”と表示された。なんか凄い物拾ってしまったよ。使い方はわからないけど、アイテムボックスに吸いこんでおこう。


 入口に集まっていた攻略隊は、明るくなった空間を見回し、冷静さを取り戻したようだ。

傷ついた攻略隊員にポーションを渡し、傷を癒している。

 何事もなかったかのように2階層の扉を探し、空間の中央の床にマンホールのような蓋を発見。


 蓋を開けると、下に続くらせん階段があった。この蓋が2階層への扉のようだ。



 薄暗く下へ、どこまでも続く階段。先は暗くて見えない。



 普通に怖いよ。降りたくなーい。




去年、プロジェクションマッピングを始めてみて感動したので、書いてみました。

次は、2階層です。

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