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第8話 冒険者と飛空艇

 テテノは冒険者ギルドからの手紙を手に取り読み始めた。


 その手紙には依頼票の写しと依頼が受理された事などが丁寧に書かれている。


「えっと……何々?」


 冒険者ギルドに依頼に行った時に明確な日付は伝えておらず、冒険者と飛空艇が上手く都合がつく時で大丈夫だと言っていたので、出発が明日の朝になっていた。


「いいけど……思ったより急だった。それでなんて冒険者さんが来てくれたんだろ?」


 読み進めていく炎の獅子というパーティーで、リーダーが男性の剣士、男性アーチャーと女性の聖職者の三人で戦闘スタイルや出来る事などが書かれている。


「聖職者もいてアーチャーもいるから、安全に採取できそう」


 独り言を言いながら依頼票を読み進めていくと祖母が話しかけてきた。


「家の中ではいいけど外では独り言は止めときな。アホの子に見えるよ」


「治さないといけないとは思ってるんだけど……気をつけます」


「よろしい。で?冒険者ギルドからだろ?いつから向かうんだい?」


「明日のお昼前に発着場に集合だって。サンファルテに向かう飛空艇があるからそれに乗って途中に立ち寄るトルボの村で降りてそこから徒歩で行く感じ」


 なるほどね~と言ってテテノから依頼票を貸してもらい読み始めたが特に何も問題は無かったようだった。


「Dランクの冒険者って書いてあるけどテテノの方が強いんじゃないの?」


「いやいやいやいや絶対にそれはないよ。学校を卒業してからほとんど戦って無いし、ほぼ毎日錬金してるから戦闘とか絶対に無理」


「でもDだよ?魔法学校のAクラスを卒業したらCランク並って言われて無かったっけ?」


「いや、どう考えても毎日引きこもってるCの錬金術師より毎日命がけのDランク冒険者の方が絶対に強くない?」


「それはそうなんだけど、あんたはもう少し自信をもちな……」


 祖母は顔に手を当ててから困った子を見るように大きくため息をつく。


 テテノ自身も王都からでて草原や森に採取に行ったりもするが自身が戦えないのは分かっているので準備に準備を重ねるのでよほどの事が無い限り危ない事は無かった。


 呆れている祖母を笑いながらテテノは魔抜きの灰以外の依頼に取りかかった。


「明日の準備はしなくて良いのかい?」


「うん。ポーションと毒消し薬と麻痺治しを持って行けば大丈夫と思う。あと泥を入れる小樽とスコップぐらいかな?夜ならまだしも昼に採取だし魔物とかまでは出ないと思うよ」


「まあ、あの辺りならそんなもんかね。飛空艇が襲われて落ちないように祈っときな」


「お婆ちゃん!そういう縁起でもないこと言うの止めて!」


 そんな冗談をいいながらテテノは依頼品を作り、採取に持って行くハイポーションや毒消し薬、麻痺治しをついでに作り全ての作業が夜には終了し採取の依頼に備えた。




 翌日は少し早めに起きて祖母と二人で朝食を取り、忘れ物が無いか等を入念にチェックした。


「じゃあ、本当にごめんなさいだけど留守番をお願いします」


「ああ、わかったよ。明明後日には帰ってくるんだろ?」


「うん。今日の夕方か夜にはトルボの村につくからそこで一泊して、半日かけて死の沼まで行って採取して夜にはトルボの村に戻って明後日のサンファルテからの飛空艇に乗って帰って来る予定だね」


「なるほどね。気をつけて行ってきな。あと行く前は工房の前に休業の看板を出しておくんだよ。私はイオード商会の商会長や昔なじみに会いに行ってくるよ」


「うん、わかった」


 祖母に行ってきますと言い、言われた様に工房の扉に採取に行っているのでしばらく二、三日休業しますという看板を出してから集合場所の発着場に向かった。


 商人や学生達が歩く王都の町中を少し早足で進んで行く。


 少し汗ばむ頃に飛空艇の発着場についたので辺りを見渡して冒険者の人達を探すと後ろから声をかけられた。


「そこの人、あんたが死の沼で採取を依頼した人か?」


 テテノが振り返るとそこには自分より少し軽装に身を包んだ感じの剣士がいた。


「はい、そうです。えっと冒険者の炎の獅子の方ですか?」


 そう尋ねると当たっていたようで男はそうだと言って頷いた。


「発着場のロビーに仲間がいるから付いてきてくれ」


「分かりました」


 そう言って剣士がロビーに向かったのでテテノも後を追った。


 ロビーに入ると商人や冒険者や魔人など様々な人達が飛空艇から降りてきたり、自分の乗る船を待ったりしていた。


 ロビーの端の方に弓を背負った男性と杖を持った女性がいたので先を歩く剣士はその二人がいる方向へと進んで行った。


 その二人が目的の人物だったようで少し話をしてからテテノに自己紹介を始める。


「依頼表にも書いてあったと思うが、俺が炎の獅子のリーダーのアスキスだ」そう名乗った剣士は短い赤茶の髪に腰からロングソードをさげており、手には盾の代わりに鋼鉄のガントレットを身につけ、全体的に動きを重視するような装備をしていた。


 その隣にいた弓を持った男性は「ティグラ、アーチャーだ」とだけ言ってそれ以上は言わなかった。装備はリーダーのアスキスよりさらに軽装で弓の動きを遮らない様に旅人が着るような服に胸当てとブーツを身につけているだけだった。


「はぁ……ティグラさんはもう少し愛想良くしてくださいよ………私はタリカと言います。プリーストです」仲間のアーチャーに呆れる女性は青と白の祭服を身につけいかにも聖職者と言うような姿をしていた。


「テテノ・フェリテスです。錬金術師です」


 少し緊張しながら簡単にテテノも自己紹介をし終えるとロビーにアナウンスが流れた。


「砂都サンファルテ行きの飛空艇の準備が整い増した。ご利用のお客様は足下に気をつけお乗りください……繰り返します」


 リーダーのアスキスがもう乗っておくかと言い反対意見も無かったのでテテノ達も飛空艇に向かって歩き始めた。


 冒険者ギルドの方から乗船の予約を取ってくれてあったようで受付にアスキスが行き、四枚チケットを手渡した。


 職員さんがチケットに不正が無いかを確認し、大丈夫だと言う事が分かると判子を押してからアスキスへと戻した。


 そしてアスキスが判子の押されたチケットをテテノ達に配った。


「さてと、これで飛空艇に乗れるけどフェリテスさんは忘れ物とかないか?」


 そう言われたのでここに来る前に入念にチェックしていたが、もう一度アイテムバッグの中を確認し大丈夫だ、問題ないと言う様な感じに答えた。


 そして全員が船に乗り込み、飛空艇の中の大部屋で少し話し合った。


「今日の夕方にはトルボの村に着くし、飛空艇の中では何も無いと思うからフェリテスさんはある程度は好きにしていいが飛空艇の中をうろつく時は俺達に声をかけてくれ」


「分かりました」


「護衛対象に何かあったらお互いにつまらないからな。一応俺達も目の付く所にはいるが四六時中近くにいたらしんどいだろ?」


 テテノはあまり戦えないので全身全霊で守って欲しかったが、飛空艇の中で問題が起こる事もないので分かりましたと答えた。


 炎の獅子達が護衛の段取りなどを話し始めたのでテテノもその話に加わっていると、飛空艇にアナウンスが流れ出発の時を迎えた。


 飛空艇のデッキや通路にいた人達も上昇中は危ないので大部屋に戻ってくると100人はいなかったがそれに近い人が乗っている様だった。


 乗っている人達をテテノが見渡すと、冒険者や商人もいたり裕福そうな人達が多かった。


(冒険者の人達は護衛か討伐系の仕事かな?砂蝉の抜け殻が王都にも流れてたからそれの討伐かな?あれを倒せたら返済が楽になるけどあんな一軒家ぐらいあるでっかい蝉とか絶対にむりだし……商人さんは調味料とかの買い出しかな?)


 テテノがそんな事を考えているとプリーストのタリカが話しかけてきた。


「誰か知っている人でもいましたか?」


「あっいえ。商人さんや冒険者多いから調味料買いに行ったり討伐にいくのかな~と思いまして」


「なるほど。商人の方は分かりませんが冒険者の方はサンファルテが魔物が多く出る時期なので稼ぎに行っているみたいですよ。後、蜃気楼に紛れて変わった形のピラミッドが出るようでその調査もあるようです」


「変わった形ですか?」とテテノが尋ねると同時に飛空艇の上昇が止まり、通路やデッキに出ても大丈夫というアナウンスが流れた。


 そのアナウンスを聞いて大部屋からゾロゾロと人が出て行き。アスキスとティグラも少し外を見てくると言って部屋を出た。



 タリカもデッキに行きたかったようなので、デッキに軽食をとれるカフェの様な物があったはずですからいきましょうフェリテスさんとテテノを誘った。


 特に断る理由も無く、先ほどの話の続きも気になったテテノは頷きタリカと部屋を出た。


 大部屋から外を見ると目の前に空が広がり目線を下げると大地が見える高さに飛空艇は飛んでいたがそよ風程度の風はあったが寒くもなく快適といって良いような場所だった。


 通路を歩きデッキにに出ると他の人達も上がっていたようで少し人が多かった


(飛空艇に風除けの護符が至る所に設置されてるからこんな高度でも地上と同じように過ごせるけどよく考えたらすごい技術だよね)


 そんな事を考えているといつの間にかタリカが席に座っており、テテノにも尋ねた。


「フェリテスさん、何にしますか?」

 特にお腹も減っていなかったが久しぶりに飛空艇に乗ったのでコーヒーだけを頼んだ。


 タリカも同じように飲み物をを頼むとすぐにウエイトレスさんが持ってきてくれたので、飲みながら先ほどの話の続きを始めた。


「タリカさん、先ほど変わった形のピラミッドってどういうのですか?」


「そうですねー」と顎に人差し指をあて少し上を向いき考えてから話し始めた。


「高ランクの冒険者達の話を聞けただけなので詳しくは分かりませんが、ピラミッドとピラミッドを合わた砂時計のような塔だと聞きました」


「へー。そんなのがあるんですね」


「はい。私も聞いた話ですしサンファルテの周りの魔物も高ランクが多いので私達ではまだまだいく事はできませんので本当に噂程度ですね」


「確か冒険者はBランクからじゃ無いと依頼を受けられないんですよね?それでその塔にはどんな噂があるんですか?」


「スノーベインもサンファルテもですが周りの魔物や獣が凶悪ですからね……私達が聞いた話だと塔が消えるまでにでないと時間が狂うらしいです」


 時間が狂うの意味が分からなかったテテノは考えたがイマイチ分からなかったのでもう一度聞き返した。


「時間が狂うんですか?」


「はい。現地の人達が入ったらしいんですが歳のいった冒険者が若返ったり、逆に若い冒険者が年寄りになったりという話を聞きました」


「なにか思った以上にすごい話ですね……信憑性はどうなんですか」


「そうですねー。正直、五分五分といった所ですね。ローレットにはそこまで話は流れて来ませんし、塔の出現もいつでるのかも分かっていませんから難しい所です」


「なるほど……いつ出るか分かっていないのに待ち続けるのも難しいですからね……」


「ある程度の場所の目星は付いてるようですが、サンファルテからは見えないらしいので待つにしても砂漠のど真ん中で凶悪な魔物がいる場所なので調査が進まないらしいですよ」


「あー砂蝉とかいますもんね」


「後、サンドワームや、大砂蜘蛛、熱取鳥などなどいますからね。運が悪いと普通にロックサンドドラゴンとか出るらしいですよ」


 今、タリカがいった魔物の名前は最低でもBランクが受ける依頼だったので私には関係ないな~とテテノが言うとタリカも私も似たようなものですよと笑っていた。


 そしてお互いに少し気を許せる様になったので目的のトルボ村まではまだまだ時間があったので世間話等をした。

次回の更新は書き溜めがあるので明日の朝になると思います。

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