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第三話「古竜、茶を所望する」

エルフは目を見開いた。


「こ、この香り……!」


「ん? そんなにいい匂いか?」


「違います……!」


エルフは突然、俺の手からカップを奪い取った。


そして、残ったお茶を一気に飲み干した。


「おい! 熱いぞ!」


「茶神様!!」


彼女は俺の肩をつかんだ。


「大変です!!」


「何が!?」


「私、今……!」


彼女の顔が真っ青になった。


「……お腹が空きました」


「さっき干し肉食ってただろ!!」


その瞬間。


草原の向こうから、巨大な影が飛んできた。


地面に激突し、土煙が舞い上がる。


現れたのは、全長十メートルはあろうかという巨大なドラゴンだった。


エルフが剣を抜く。


「なぜこんな場所に古竜が……!」


ドラゴンは俺たちを見下ろした。


そして、大きく口を開いた。


「……茶を」


「え?」


「茶をくれ」


沈黙。


俺は手元の急須を見た。


まだ、二杯分くらい残っている。


「……飲む?」


ドラゴンは静かに頭を下げた。


「頼む」

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