第4話 不穏な気配
街を出て、人気の無い所まで移動すると、冒険者達と会った所まで転移した。
歩き続けること5日、何事も無く次の街へ辿り着いた。
前の街より少し小さく、建物は少し古い。
街の近くにダンジョンがある為、出稼ぎに来た冒険者なども多く、街の収入は多いそうで、住人達はゆとりを持った生活が出来ているみたいだ。
街に着くと、まずは情報収集の為に凪は図書館へ向かった。
悠陽は美稀と共に、冒険者ギルドへ依頼を確認しに向かった。
「結構依頼あるなぁ」
「そうですね。冒険者の方が多いので、あまり依頼は無いのかと思っていました」
2人が依頼書の前で話していると、少し疲れた顔をしている受付嬢が依頼書を貼りに来た。
「皆さんダンジョンへ行かれるので、ギルドの依頼はあまり消化出来ていないのです」
「へぇ、そうなんだ。この街初めて来たんだけど、おすすめの依頼ってある?」
「そうですね、おすすめというわけでは無いのですが、急ぎの依頼で周辺魔獣の調査依頼があります。
数日後王族の方が、この街に訪問される予定でして、危険が無いかの確認をしておきたいのです」
「王族ですか!?」
「へぇ、魔獣が居たら報告だけでいいのか?倒す??」
「強い魔獣ですと先に倒していただいた方がありがたいのですが、子供達だけでは流石に危険ですので、確認だけで大丈夫ですよ」
「子供かもだけど、一応全員Bランク以上だぞ」
「び、Bランクですか!?」
「悠陽君、紹介状をお見せしたら早いのではありませんか?」
「そうだな!凪に持たせてるから、来たらで良いか」
しばらく、冒険者ギルドで待っていると凪が来たので、受付嬢に紹介状を見せて依頼を受けた。
3人で街周辺の調査へ向かう。
二日間掛けて、街周辺を見回った。
そして、悠陽達はこの街へ向かっている最中に、魔法の練習を続けて遂に、火属性の派生である雷魔法を使えるようになった。
モバイルバッテリーで充電が出来るのか確認して、スマホも充電出来るようになった!!
電波は無いので、ダウンロードした物を見たり聴いたり、後は写真を撮るくらいは出来るので、充電する事に損は無いかな。
―調査1日目
特に異常無し。
―調査2日目
多少の低ランク魔獣が出たが、数人で倒せるレベルの魔獣。
だが、街の正門側の森にお香のようなカプセルを数個見つけた。
「これは、誰かが意図的に置いているのかな?」
「わかんね、何だろこれ。凪の鑑定でも分かんないのか?」
「凄く強い隠蔽が掛けられてるよ。悠陽が見つけなかったら見逃してたレベルだよ」
「へぇ」
「この街の人が置いている物かもしれないし、一応写真だけ撮って戻ろうか」
ひと通り調査し終わり、報告のためギルドへ戻った。
悠陽達は受付嬢に写真を見せると、受付嬢は血相を変えて悠陽の肩を掴んだ。
「こ、これが本当に森の中にあったんですか!?」
「う、うん」
受付嬢は慌てて、裏へ走って行った。
「なんだったんだろ?」
「リアクションからして、良い物ではないでしょ」
「そうですね」
受付嬢は急いで戻ってきた。
「また明日、必ずギルドに来て頂けませんか!」
「は、はい。そのつもりです」
「お願いします!明日は冒険者達に招集を掛けます。緊急依頼です」
「分かったー!また明日ー!!」
悠陽達は、ギルドを後にした。
受付嬢は深々と頭を下げていた。
翌日、街に居る冒険者達がギルドに集められ、ギルドマスターまで来ていた。
「皆、急な招集に応じてくれてありがとう。数日後に王族の御方々がこの街を訪問される。昨日周辺調査をしてくれた者の情報によると、森に魔獣を引き寄せるお香が置かれている事がわかった。
皆には、森や街周辺を隅々まで確認し回収作業をして欲しい。魔物が出れば倒してくれ。今回の活躍に応じて、報酬に色を付けよう」
「昨日、見つけた物は魔獣を引き寄せるものだったのですね」
「何のためだろう?王族を襲わせるため??」
「王族襲わせて、この街の責任者の立場悪くさせるためだったりしてなー」
「そんな……」
「いや、有り得なくはないね。この街の領主と王族は親しいそうだよ。それを良く思わない人なんて沢山居ると思うよ」
「そ、そうですね」
大勢の冒険者達でお香の回収と魔獣の討伐をして、丸一日で終わった。
王族到着の日までに間に合い、街では出店などが沢山並びお祭りムードになった。
王族が街に着いた日は、馬車が通るだけでパレード状態になっていた。この国の王族は人気なようだ。
悠陽達は、領主邸に馬車が無事着くのを見送ってから、屋台を見て回る事になった。
屋台には色んな物が売られていた。
防具や魔道具、アクセサリー、食べ物、衣服など様々。
「あ、あの。私、お洋服見たいです」
「じゃぁ、見に行こうか」
「あ、いえ!!凪君。えっとお2人も他に見たい物があれば、夕方まで別行動にしませんか?私、結構時間掛かっちゃうと思うので!お待たせするのもなんですし……」
「そっか、じゃぁ別行動にして夕方集合しようか。夜ご飯は一緒に屋台周りましょう」
「はい!ありがとうございます!!」
美稀は、嬉しそうに衣服の屋台が並んでいる通りに歩いて行った。




