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第2話 冒険の始まり



街が見えて来ると悠陽(はるひ)と凪(なぎさ)は顔を見合わせて、走り出した。


息を切らしながら街に着くと、所々悠陽達と同じ学生服を着た人達が居た。

凪は図書館に着くと、この世界について調べ始める。

文字は何故かはわからないが読めるし会話も出来るようだった。


数時間経ち夕暮れ時、一度街を出る事にした。

街の外で2人は、図書館で調べて分かったことを話した。


この世界では魔法や魔具などが存在し、魔物や魔族も居る事。

悠陽達の居る大陸は、大きく分けて5つの州に分かれている。

今はその大陸でも一番小さい国にある街に居る事。


現在、大陸でも有数の大国二国が戦争中であるということ。

冒険者ギルドや商業ギルドなどが存在し、ザ・異世界!って感じだ。


悠陽と凪は、これからどうしたいかという話になった。

元の世界のお金は使えないから、今は無一文である事や、今まで暮らしていた世界の常識は全く通じない事を分かった上で、2人はこの世界を冒険する事に決めた。


「こんな時にこんな事言うのはダメかもだけど、せっかくこの世界に来たんだから、色んな所に行って色んなもの見てみたい!冒険したい!!」


「そう言うと思った。いいよ、悠陽(はる)に付いて行くよ。僕も見てみたいしね」


「じゃぁ、とりまどうする?」


「身分証を得る為に、冒険者ギルドか商業ギルドに登録するのが良いね」


「冒険者ギルドだな!!」


「そうだね。身分証にもなって、依頼完了すればお金も貰えるし」


その日は街の外で野宿をした。

翌朝、冒険者登録をする為に冒険者ギルドへ向かった。


「お姉さん、今から何か一つ受けたいんだけど、何か良い依頼あるかな?」


「そうですね、今は薬草採りの依頼がありますよ。こちらは街から出てすぐなので安全です」


「じゃぁ、それで」


「承りました。あ、そうだ君たち、他の子達と同じような事情で此処に居るのだろうけど、みんなに言っている事だから伝えておくわね」


「はい、なんでしょう」


「最初は薬草採りなので軽装でも良いですが、武器や防具は身に付けて下さい。危険ですので。

それに、薬草採りでも魔物が出る事はあります。

おふたりのステータスを見る感じだと、余程のことが無ければ大丈夫でしょうが、ランクが上がり魔物と遭遇する危険性の高い依頼を受ける事になった際、そのような軽装では承認致しかねます」


「分かりました。ご助言ありがとうございます!お金貯めて防具買いますね」


「はい、お願いしますね。冒険者の方々が亡くなるのは見たくありませんので」


悠陽と凪は街を出て、薬草採りの依頼をこなした。

凪の鑑定スキルのおかげで、簡単に薬草を採る事が出来た。


冒険者ギルドへ戻り、換金してから街で食料を買って街を出た。

初めてのお給料で買った、パンは硬くて味もしなかったけれど、美味しかった。




翌日、依頼を終えて冒険者ギルドを出ると、見覚えのある女の子が話しかけてきた。


「あのっ、悠陽(はるひ)君、凪(なぎさ)君。良ければ私も一緒に付いて行って良いでしょうか!」


俯きがちで、顔を赤くしながら唇を噛み締めて悠陽達にお願いをする、制服を着た女の子。

悠陽と凪は顔を見合わせ、断る理由も無いので快く了承した。


「良いぜ!美稀(みずき)!!」


可愛らしい女の子は、顔を上げると満面の笑みでお礼を言った。

街の外へ出ると、多めに持ち出していた毛布が役に立った。


「ごめんね、美稀さん。僕達まだお金無くて、野宿になるんだけど」


「お構いなく!!私も急にお声がけしてしまって、ごめんなさい!!」


野宿の準備を終えて、凪は化学室から持ち出した器具で、薬草から自分でポーションが作れないものかと試していた。

換金後に、武器屋や薬屋へ行ってみたが、とてもじゃ無いけれど、数日で買えるような金額では無かったのだ。


そこで、考えるのが苦手な悠陽は寝転がり、腕を空に向かって伸ばした。


「武器かー、武器だったらこんなのカッケーよなぁ、アニメとかゲームでよく見るようなぁ……」


悠陽は、カッコいい剣を妄想した。

すると手の平が光り出し、目を開けると創造した剣を握っていた。

凪と美稀は驚いて悠陽を見ていた。

悠陽は何が起こったのかが理解出来ず、剣を落としてしまった。




「悠陽(はる)!?今の何!!」


「えぇっ!わかんねぇ、なんか欲しいなーって思ったら出来た!!」


「も、もう一回なんかやってみて!」


悠陽(はるひ)は、もう一度剣を創造した。

少し形は歪になったが、剣が作れた。


「す、凄いです!悠陽君!!」


悠陽は色んな物を、想像してみた。


はっきりと想像出来た物は作れたが、少しボヤけてしまったり、うまく想像が出来なかった物は作れなかった。


「あ、あの。悠陽君、はっきり想像出来る物は作れるんですよね?」


「あぁ、多分だけど」


「では私絵を描くので、服を作って頂けませんか!?制服では目立ちますし、着替えも欲しいので」


「そうだね、まだお金も無いから服も買えないし。ずっと制服で居るよりは良いかも」


「分かったー、やってみるけど、俺服とか分かんねーから細かく描いてくれよ?」


「はい!勿論です!!」


美稀に服装を考えて絵を描いてもらい、それを想像して二着ずつ着替えを作った。


そして武器も取り敢えずひと通り作る。

悠陽は弓と剣。矢は弓を構えて想像すれば作れるよ。

凪は長めの杖で、美稀は持ち歩きのしやすい小さめのステッキにした。

普通は杖を持った方が、魔法の威力が上がるらしい。


荷物が多くなってきたけれど、悠陽が空間魔法使えるので荷物は空間魔法で仕舞い込んだ。




この街でもう少し情報やお金を手に入れてから、旅を始める方が安心だという美稀の意見に凪も賛同し、少しこの街に留まる事にした。

冒険者ランクも多少上げておいた方が、待遇が良いとの事だったので、取り敢えずCランクまでは上げてから街を出ることになった。


2週間程、凪と美稀は魔法について調べている間、悠陽は冒険者の依頼をこなして、魔法もある程度使えるようになった頃。


「なぁー、そろそろ違う街行かないかー??」


「そうだね」


3人の意見が一致して、街を出る事になった。

悠陽が空間魔法が使えるので、帰りたい時は転移で戻って来られるのだ。


「それに、兄ちゃんが何処かに居るかもしれないし」


「そうだね、まぁ優佑兄(ゆうにい)ならすぐ見つけてくれそうだけど!」


「お2人とも、お兄様がいらっしゃるのですか?」


「いや、俺だけ!4つ上の兄ちゃん!!頭も良いし、運動神経も良いんだー!だから絶対生きては居るはずなんだ!!」


「悠陽(はる)の兄さんは、重度のブラコンだから会ったらビックリするよ」


「そうなのですね。お会い出来るのが楽しみですね!!」


「あぁ!!」




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