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カラクレナイ#99 次は……北に行け!!

あと1話

「え?もう習得しちゃったの!?」


ヘルメースさんと一緒に報告に行くと、王様は王座から大きく飛び起きて口をポカーンと開けたままこちらをまじまじと見つめてきた。そりゃ王様としては度肝を抜かれるような話だろうが…なんせ2週間前ぐらいに言ったばかりだからな。なんちゅうスピード感、よくこんなスピードでできたもんだ。

もちろんちょっと怪しいところはあるが…それよりもここ2週間の記憶が全くと言って残ってない方が危ないだろう。度重なる高温で脳がイカれちまったのかなんなのか…王様に穴に落とされたとこから今朝まで全く記憶がない。ただ血王状態の使い方とダルさだけは脳に残っている。一体全体何やってたんでしょうね、私。怖くなってきちゃった。果たして私は本当に血王状態の練習してたんでしょうか…?


「本当に出来てるの?いや、ヘルメースが教えたんだ。疑ってるわけでは無いが……正規の方法?」


「もちろん、庵様は自らの力で血王状態を習得なされましたよ?ね、庵様?」


ヘルメースさんとアテネさんは記憶喪失について知っている。記憶喪失の理由に関してはその途中何回も気絶するぐらいぶっ通しで修行をやったからじゃないかって言われたが…おいおい、この技習得すんのにどんな練習方法使ったんだよ。まぁ、そんなふうに記憶喪失なのが王様に知られたら色々と…主に時間がまずいので事前にヘルメースさんとは口裏を合わせておいた。アテネさんは任務に出たとかなんとかでここにはいないが…そっちに関してはヘルメースさんが口止めをやってくれるらしい、何をするのかは定かじゃないが……


「ソ、ソウデスヨー、ジリキデシュウトクシマシター」


「「……」」


ぐっ、土壇場で大根役者が出てしまった……!隣から何やら目線が……っ、そっ、そんな目でみるなぁっ!これでも必死にやってんだよっ!その憐れむようなキョトンとした目をやめてくれ!王様に至っては最初のポカーンとした表情から目のハイライトが失われて魂が抜けたような顔してんだよ。緊張で裏声で棒読みになっただけだろ?俺の芝居そんなダメでしたかぁ?


「……まぁいいや。詳しくは追及しないよ。うん。大体察したから、頑張ったね。」


「へ?イインデスカ?」


てっきりバレたのかと…いや、バレてはいるんだろうがまさかそのままか。連れ戻されて直々に指導が入るとこまでは覚悟してたんだがな。ヘルメースさんも何やら王様を見据えたままポカーンとして動かないし予想外だったのだろう。まぁいいや、これで次の四聖のとこに行ける。

とは言え王様の次、どこの四聖のところに行くのかだよな…いや、俺的にはもう燈魔さんで確定みたいなところはあるんだが…俺は嫌いな食べ物は最後に残すタイプなのだ。


「で?ここの次はどこ行くつもりなの?燈魔かライノの二択だけど。」


「次ですか?一応、燈魔さんのとこに行こうかと……」


「そう…ねぇ、僕が決めてもいいかい?」


「え、別に構いませんけど……」


急にどうしたんだこの人、選ぶにしても二択しかないのだが…王様だしな。従っておかないと何やら不都合なことが起こりそうだ。


「そうか!いやー憧れてたんだよね、RPGの王様役!ほら、あれって大体王様に命を受けて勇者が旅立つじゃん?やりたかったんだー!結構昔から!」


随分なはしゃぎようだな…なんで王様がRPGの定番とか知ってるんだ?魔界でゲーム機なんて見たことないが。ナイトメアからの土産話とか?あとその流れだと俺勇者ポジになるんだが…いやあながち間違ってないな。悪の親玉を倒すためにこれから各地を回ろうってんだから。


「こほん、さて…紅咲庵よ!次にお前は…ライノ・クロウザルの元へ迎え!!」


えぇ……?急に決めるだなんだ言ってライノ……?何故……?理由次第では王様も嫌いになる勢いだぞ?


「……ふぅ、満足満足……で?そんなキョトンとしちゃって、理由は君でもわかるような単純なものさ。君の身体能力が劣っているから、簡単だろ?」


……急に痛いところをつかれて渋い顔になる。まぁ、それは認めざるを得ないが…今回だって元の身体能力が高かったらあんな苦行やらなくても良かったかもしれない。けどそれが燈魔さんよりも先にライノの下へ行くべき理由にはなってないだろ?俺には1年の猶予があるのだ。後回しにしたって……身体能力が劣っていると燈魔さんの指導を受けられないってわけじゃないだろうし……


「……ただのパワーやスピードにとどまらず、身体強度や体の動かし方、そう言った体諸々に関わることっていうのは我々吸血鬼にとっては非常に重要なものだ。そう言ったものは全ての分野において土台になってくるからね。本来ならこっち(血術)よりも先にライノのほうに行って欲しかったほど重要なものだ。今からでもいいから君はライノの下に行って体を鍛えた方がいい。」


俺の渋い顔を見てさらに王様が畳み掛けてくる。要するに体っていうのは全部の要素の土台、一番根底にあるものだから先にそっちを鍛えに行ってほしいと…今回ナイトメアに習いに行けって言われた分野は全部基礎中の基礎なんだが…体が一番大事ってことか。まぁ納得できる理由ではあるか?


「ついでに言うんだったら君はナイトメアの血を持っているんだ。それを利用しない手はないだろ?」


「ん?なんでそこでナイトメアが出てくんだよ。」


師匠の血……?確かに俺はあいつに血を吸われて吸血鬼になったわけだが……関係あんのかそれが?


「もちろん!ナイトメアの血なんてのは魔界じゃ値千金の価値があるもんだ。あぁえっと、比喩だよ。別にあいつの血に価値があるわけじゃない。それが生み出す強さのことを言ってるんだ。」


「血にも格がある。良い血統のやつほど魔力量も力も上がっていく。その頂点がナイトメアなんだよ。あいつに血を吸われたやつは混血の時点でそこらの純血よりも強い力を発揮したもんだ。君もせっかくその血を持ってるんだから利用した方がいいってことさ。」


ふむ…ナイトメアが血統の部分でも強いのはわかった。最初に会った時も真祖だか始祖とかなんとか言ってたしな。はぁ…行くしかないのか……ライノ、そう言えばどこにいるんだあいつ?


「まぁ大体わかったろう。明日からは長い旅になるだろうから休むといい」


「長い旅?ライノってどこにいるんだ?」


「おや、聞いてないかい?魔界の北の果て…名もないほどの辺鄙な雪原にあいつはいるよ。あぁ、名前はあったな、確か……銀世界(ぎんせかい)、だったっけ」

前回までで書いたのが2週間の中の1日目なので……あのあとずっと扱かれ続け、脳がいかれちまったわけです。なんでそんなになるまで放っておいたんですか。

明日は100話記念でキャラの設定を公開します。

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