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カラクレナイ#87 宣戦布告

……セロ?セロ(首だけの方)と同じ苗字なのか?……分かりずらいな。男の方は下のヴィータって方で呼ぼう。って同じ苗字ってさっきから娘やなんや言ってるのはまさか本当にそんなこと思ってんのか?てっきり人類みんな兄妹みたいなノリで言ってんのかと思ってたが…家族もどきを作ってるってことか?それこそさっきナイトメアが言ってた自分の垢のようなもので人形を作ってそれを娘と言ってんのと同じだぞ?

そう言えばそんな昔話もあったような気もするが……まぁいい。とにかく、こいつの言ってることがようやく理解できた。纏ってる神々しさも相まって一気に胡散臭く見えてきたな……って待てよ?セロを生み出せるほどの血腫って…しかもセロが赤い血潮の「腕」?とかいう幹部的な立ち位置を与えられてるのも考えると…こいつって……


「ふっ、そうか。じゃあそいつは適当に持ち帰って治療してくれ。わしらは帰る。」


「いいのか?ここで仕留めなくて?この通り私の娘は無防備な状態でそこに打ち捨てられている。今なら殺すのは容易だろう?」


「誘導が下手だな。わしはそんな誘いにも口約束にも乗らんし信じん。……行くぞ。」


そう言い師匠はヴィータに背を向け、足早にここを去ろうとする。その時すれ違いざまに見た師匠の顔は俯き反対方向を向いていてよくわからなかった。俺には見せられないぐらい情けない顔だと思ったのか怒りに満ち満ちていて見せるようなものではないと考えたのか……どちらなのか、はたまた別の理由があるのかはわからないが師匠は気にせず淡々と歩いている。まぁ触れないほうがいいな。って淡々と歩きすぎて歩きが速いぞ!置いてかれる前に早くついてかないと……っ!


「言っただろう?口約束は信じないと。」


俺が背中を向けた瞬間、ヴィータから魔力のビームが放たれ、俺の心臓を貫こうとする。だが、突如現れた炎の壁によってビームは防がれ俺は心臓を貫かれずに済んだ。炎の壁はすぐに消えてしまったが…多分ナイトメアの第三魔法だろう。

あっぶねぇ……あいつ、背後から奇襲なんて…ふざけた真似を……っ!と思ったら師匠が俺よりも激しく怒っているような声を出し、ヴィータの方を振り向き鋭く睨んで威嚇してくれていた。そこまでされると嬉しいな……おっと、気を緩めるな。まだ奇襲が来るかもだからな。


「試しただけだ。それに、まだ行かれると困るのでな。少し…伝えたいことがある。他の吸血鬼にも広めてほしい情報だ。」


「何……?」


そういうとヴィータは指を振り上機嫌な風に辺りをぐるぐると歩きながら続けて話し出す。


「何、簡単なことだ。私から君たち吸血鬼への、宣戦布告だよ。」


「……!」


「たいしたことではない。大魔連合への襲撃、そして今回の王城への襲撃、それらを上回る、赤き血潮の総力をもってして行う……戦争を、する。」


「お前ぇ……っ!!」


前に出そうになる師匠を肩を掴んでなんとか抑え込む。力が……っ、強すぎるっ!ズルズルと引きずられながらもギリギリ思いとどまってくれた……ふぅ…あのまま殴りに行ってたかもしれないと思うとヒヤヒヤするわ。


「まぁまぁ、そう怒るな。それに、今のお前じゃ私は倒せないだろう?」


「やってみなきゃわからないだろう……ッ!?」


またかよ!しかもさっきより引っ張る力が強いんだがーっ!?頼むから抑えてくれーっ?俺が不意打ちされてから正直目が怖いんだよ!バッキバキなの!頼むから落ち着いてくれ……!っと、急に止まった。よかった……安心したー


「……チッ、で?なぜ?いつ?その戦争とやらはどういうものだ。」


「そうせくな。いつに関しては…今すぐ、とはどちらも行かないだろう。……では準備期間を設けようか。一年、一年後の今日に全てを壊しに行くことにしよう。我々のような長命種は何事も先延ばしにしたがるからな。この短い期間の中でせいぜい足掻くんだな。」


「「なぜ(why)」これは難しい問いかけだ。だが、あえて答えるなら、私たちの方が霊長に相応しいというだけのことだ。お前らのように不完全な不死性ではない完全な不死、圧倒的な力、魔力量、どう考えても私たちの方が優れている。」


「それはごくわずかな血腫に過ぎないじゃろう?一般の血腫というのはそんなものを持ち合わせてはない。それでもお前たちの方が優れていると?」


「もちろん、種族としての最高到達点が違うからな。お前が私に叶わないように。」


なんちゅう暴論、なるほど俺たちの方がすごいからお前らはどっかいけってことか。そんな理由で殺戮に踏み切ろうとしてるなんて……邪悪なんてものじゃないな。


「さらにいうなら邪魔なんだ。私の子供たちがこの地上の7割を占めていることはあなたも理解しているだろう?四聖というのは残り少ない活動圏を狭めないように頑張っているのだから。」


……ん?7割?地上を占拠してるって…待てよ。魔界ってそんな危機的状況だったのか!?知らなかった…てっきりところどころにポツンポツンと巣が点在しているものかと……もう囲まれていたのか……!こんな大事な情報、なんで師匠は教えてくれなかったんだ?


「お前たちを刈ればついに魔界は私の手中に……!そういえばナイトメア、お前は時々私の領地を荒らし尽くしているようじゃないか。お前一人で領地を1割程度削ったとか…まぁ、そのおかげもあって私は魔法に適応できたのだが。」


「良い、もう散々だ。さっさと立ち去れ。」


「……そうか。私もそろそろ帰りたいと思っていたところだ。では最後に、くれぐれも気をつけて。では……」


そう言い残すとヴィータはセロの首を拾い傍に抱えると再び肉の翼を広げ空に飛んでいった。結局あいつはそういうことで…いいんだよな?研究所で作られた肉魔法の体現者、赤い血潮のボスでありすべての血腫の親、原初にして最強の血腫……確か前は師匠と王様二人がかりで止めようとしたがそれでも甚大な被害を出して逃げたとかなんとか……そりゃ師匠一人じゃどうにもならないだろう。

そんな中、師匠はしばらく考える素振りを見せるとこちらを向いてこう言った。


「あれはお前が倒せ。」


「はっ?」


あれって…「あれ(最初の血腫)」?あの…あえ?ん?ど、どういうことだ?理解できない……


「あー……聞き間違いだよな?お前はあのバケモンを俺に倒せって言ったんじゃないよな?そうだよな?」


「いーや?確かに言った。あれは、お前にしか倒せないものじゃ。」


えぇ?

7割って凄いですよね(

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