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カラクレナイ#86 家出少女をボコしたゴスロリに父親はカンカンのようです

「お前の負けじゃ。……さて、残りわずかなお前の命は置いておき一つ質問するが、お前は「赤い血潮(サングブルマーユ)」の「腕」で、間違いないな?」


ナイトメアは黒焦げになったセロの首を持ってゆさゆさ揺らしそれと目を合わせながら尋問を始める。赤い血潮…腕って…えーっと、順を追って思い出していこう。まず赤い血潮っていうのはナイトメアと王様が立てた研究所の名前でそこで最初の血腫が誕生、その後研究所は役目を終え無くなったが巡り巡って最初の血腫が生まれ、研究所の名前を借りて血腫の組織を編成、今に至るって感じだ。腕の方は……全てを破壊する象徴って言ってたっけ。要するになんかの位みたいなもんだろう。


「このぐらい再生して……!」


「無駄じゃよ。第三魔法は概念の炎。そこから派生した第六魔法も同じような性質を持っておる。お前という“概念”はもう燃やし尽くした。じきに世界からお前が消えるだろうよ。そうなったらどうなるか……わからない愚者ではあるまい?」


が、概念の炎?また訳のわからないことを……えーっと、第三魔法のあの炎の柱はただ単に全ての物を燃やし尽くすような高温の炎ってだけじゃなくて…つまり…なんだ?その物の概念、言い換えると存在そのものを燃やして世界から消失させるってことも出来るってことか?自分で言ってても何言ってんのかわかんないけど……多分そういうことだろう。

第六魔法、あの雷だな。あれは第三魔法の後にできた物だからその能力の一部を引き継いでいるってことか?世界ってのは融通がきくんだなぁ。さっき使ってたが第六魔法ってのは第三魔法とは打って変わって単体用馬鹿力魔法だ。あっちは連発もできるがこちらはどうやらあの雷の槍を当ててそこの座標にあの衛星砲みたいな雷撃が落ちるって感じらしいから。それで残り少ない概念の燃えかすを一気に燃やし尽くしたってことか。再生もできなくなるのか…セロは災難だったな。


「ぐっ……確かに、私は赤い血潮の「腕」……っでも、まだ終わりじゃないよ……っ?」


「何?何が言いたい?」


「お父様のことは知ってるんでしょ?お父様ってば過保護だからさぁ……っ、外で娘が怪我したらすっ飛んできて……っ、あんたと同じようになるの……あとは…分かるよね?」


「……っ!まさか!!」


ナイトメアが気づいた時にはもう遅かった。結界が粉々に砕け散ったかとおもうと上空から触手が伸びてきていたのだ。師匠はセロを勢いよくぶん投げると一瞬で俺のそばに近づき第三魔法によって触手を掃討しようとする。しかし触手たちはいくら炎で燃やされようとも焼き爛れず、それどころか一つの焦げ目も見えない。なんだこいつら……!チッ、空中から伸びてるってことは操ってる奴がいるはず!どこに……ってあれは!?

空中を見上げた先にいたのは禍々しい飛び出た目がついた肉の翼で空に浮いている男だった。男は司祭のような服を着て悪魔を意識しているのかヤギの仮面をつけていた。重要なのは男は腕をこちらに向け、大量の触手に変形させているということ。群体じゃなくて一個人…!本体は空中にいるあの男か!と、ここで結界が割れてその破片がパラパラと空の光を反射して男の背後を照らしその禍々しい見た目とは反したどうしようもない神々しさを感じてしまう。


「チッ、わしのそばを離れるなよ。じゃないと守りきれん!」


「し、師匠っ!」


「安心せい。あんまギャーギャー騒ぐな。」


ナイトメアは自らを絡めとろうとする触手を払いのけ斬で片っ端から切り落としていく。しかし触手は切り落とすごとに一本から十本、その断面からさらに数を増して生えてきてナイトメアに襲いかかる。あまりの数の多さについに捌ききれなくなり師匠は両腕を触手に絡め取られ拘束されてしまう。うっそだろ……!師匠が歯も立たない相手って……っ!


「ふっ、久しぶりじゃのう……てっきり200年前、わしらに恐れをなして雲隠れしたままかと思っておったが……今更表に出てきて何が目的じゃ?」


すると空中に浮かんでいた男が緩やかに地上に降りてくる。降りてくる仕草でさえいちいち優雅で底知れなさを覚える。だが…それがなんとも癪に触る。行動に俺たちを下に見てる雰囲気がプンプンと漂っていやがる……

一方で師匠は腕を拘束されているにも関わらず、やけに余裕そうに首を少し右に傾け嘲笑するように口角を上げる。仮面で隠れていて顔はわからないが男の方はその姿を見て少し困惑したような間があく。しばらくして男が話し出す。


「安心しろ。あなたに危害を加えるつもりはない。ただ…今日外に出てきたのは私の愛娘が危害を加えられていたのでな。手を焼きにきたというだけだ。」


「なるほど保護者ヅラか?血腫如きには少々荷が重いと思うのだがなぁ。お前らは藻のように自分の分身を増やす。言ってみればあれはお前の垢みたいな物じゃ。そんなものに親としての情を持つとは…やはり血腫は阿呆じゃな。」


師匠が煽ると男は触手をさらにナイトメアの腕に絡ませ力強く引っ張り始めた。垢っていうのはまぁセロのことだろうが…確かに血腫っていうのは細胞一つでもあればどこでも生まれそうなアホみたいな生命力持った藻みたいな生き物だが……そんな中、ナイトメアは顔色ひとつ変えず話し続ける。


「フハッ、娘を垢呼ばわりされて腹が立ったのか?じゃがその程度じゃわしを苦しめることなど出来ぬなぁ……せめて四肢ぐらいはもいでくれぬと」


ナイトメアが続けて煽ると男は一瞬で腕を引きちぎり、落下するところを捉えられ足も千切られ地面に叩きつけられる。ただ、身体がバウンドしたかと思うと、すぐに再生させ体をバネのように動かして男を蹴り飛ばし特大の魔法で燃やし尽くした。が男は繭のように触手で自らを包み込み魔法から身を守っていた。魔法が収まると触手をしまい、優雅な立ち姿で言う。


「なるほど、腕は落ちていないようだ。それどころかあの頃よりもさらに技が磨かれている。だが…私には通用しない。あの時の経験と、あなたが垢と言った我が子達の献身によってもう“適応済み”だからな。」


「適応、じゃと?」


ナイトメアはその言葉を聞くと今まで見せたこともないような顔をして後退りする。あのナイトメアが…怯えている……?いや、顔から察するに驚いている?どちらにせよナイトメアは諦めた風に空を見上げてこう言った。


「ここで、殺す気か。」


「まさか。傷つけるつもりはないと言っただろう?私はこの子を連れ戻しにきただけだ。」


目の前の男は敵意は無いと言いたいのか、両手をあげ、にこやかに微笑みながらそう話す。ナイトメアがこんな弱々しいことを言うなんて…どうなってんだ?さっきまであんだけ強気だったのに…男はゆっくりと手を下げるとこちらのことなど眼中にないと言うかのように俺たちの後ろ、王城の方を見据え話を続ける。


「そうだ、挨拶が遅れたなナイトメア、そしてその弟子よ。我が名はヴィータ…セロ・コルプス・ヴィータだ」

セロは首一つで地面に投げ捨てられたままこの状況を見てます。大丈夫、復活するさ。

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