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カラクレナイ#101 凍える寒さのホットな場所

101話目です。まだまだ続いていきます

私は今、凍えるような強風に吹かれながら雪原の森の中を進んでいます。さ、寒い…ほんとにこの先にライノが居んのか?はぁ……城を出たのはいつだったか……近くまで車みたいなもの(何から何まで血器創造で作られてた。おまけに自動運転)に乗せてもらったのはいいが、そこから歩きに変わってどんくらいの時間が経ったのかもわからない。ずーっと雪が降ってる上に進んでるのは木が生い茂った薄暗い森の中、何回日が昇ったかわからない。疲れは一ミリたりとも感じてないがな、吸血鬼っていうのはこういう時便利ではある。


今俺が向かっているのはライノが居るとされている銀世界(ぎんせかい)……王様曰く「魔界で一番ホットで危ない場所」らしい。なんでも血腫が一番激しく攻めてきてる場所なのだとか。今のところ寒すぎてホット要素ないし、別の意味で危なそうだが……まぁいい。

それで例のライノは100年ほど前に突如として現れ、そこの前線を一人で押し上げ、英雄と呼ばれているらしい。その功績を評価されて四聖にもなったらしいが……

まぁ重要なのはここからだ。つまり、ここら辺はすでに血腫と吸血鬼が戦っている戦場だってこと。だから時たま……


「くっ……!毎回毎回木の影から奇襲してきやがって……っ!いい加減鬱陶しいんだよっ!!」


前線から漏れたであろう血腫が襲いかかってくる。で大体そんな血腫は兵士の監視にバレないようスピードと隠密性に長けた奴らな訳で……こんなふうに毎回毎回翻弄されてムカつく。まぁ段々と慣れてきたしこう言った手合いは耐久力がそんなない。

大体が一撃で終わるおかげで旅路にそこまで影響はない……いや、ある。ふつーにうざったい。こんなふうに暴言が増えていく。前に進むにつれて数も増えてきやがって……!今度接敵したらぶっ飛ばしてやる……っと、まぁこの様子だと前線は近そうだ。さっさと行って体鍛えて終わらせてやろう。


「はぁ……喉が渇いた。」


歩き続けて歩き続けてもー疲れた。出発前に王様に渡された荷物の中にあった水はとっくのとうに飲み干しちゃったし…最悪雪を食うか。雑菌ぐらいじゃ死なんだろ。生きてるし喉ぐらいは乾く。食べ物は食べなくてもいいが、水は必要らしい。うん?あれは……


「なんだこれ。川?」


歩いてたら目の前に周りが開けた大きい溝が現れた。久しぶりに日光を浴びた…つっても雲に遮られ明るくはないが…なんなら吹雪だ。さ、寒ぃ。

でなんだ、これは。一見渇いた川みたいに見えるが……終わりが見えないほど遠くまで続いているようだ。そして底に何かに抉り取られたような跡と共に多くの木の根っこが残っている。まず川ではないな。そして雪に埋もれてないってことはついさっきできたものだろう。

ん?なんだこれ……焦げてる?それに付近に広がる電撃が広がったような痕……もしや、ライノが森を突っ切った跡か?えぇ……?もしそうだとしてどんな速さで走ってたんだよ……今の俺には考えられないな。

でもライノが進んだ先にあるのって前線……だよな。この跡を辿っていけば簡単に着くぞ!しかも今まで進むのを妨害していた木もない!これだったら直線を爆速で走れる……!もう直ぐかもしれないな!

魔式も全開にして颯爽と走り抜けると、しばらくして遠くに爆発やらなんやらが薄く見えるようになってきた。あれが前線か?音も聞こえるが…なんちゅう激しさだ。襲撃の時よりも激しいんじゃないか?こんなのがずっと起こってんのかよ……そりゃホットなわけだ。


「戦いの準備しとかないとな……」


両面宿儺は展開済み、あとは心構えだけだな。果たしてどんな具合なのか……まずはしょうがないからライノを探すとこからだ。この戦場のどこかに……


「フンッ!!ハッ!でぇあッ!!」


遠くでもわかるほどの大きい雄叫びとあの赤い雷……間違いない、あいつだ。やたら派手で図体がデカいおかげで探す手間が省けた。なんちゅうド派手な攻撃、俺と戦ってた時は抑えてたっていうのか?地面から雷が昇ってるのを見るとドキッとするぜ……とりあえずライノは見つかった。次はどうやって近づくか……ま、気にせず一旦挨拶に行ってみるか。


「だとしてもこの弾幕…そんな簡単に近づけるか?」


ここから見える限りではライノが居る場所に向かって全方向から血槍が打ち込まれているように見える。しかも血槍とは言っても1発1発が大砲のような威力だ。まさしく戦争って感じの風景だ……俺が知ってる血槍っていうのは強くても銃弾ぐらいなもんだったが……いや、それでも十分強いんだけどな。マシンガンが一斉掃射の大砲になったってこった、おまけに弾切れが無いときた。俺ぐらいだったら当たっただけで体に大穴が開くだろうよ。絶対に被弾出来ないな……ふっ、だったらいい技があるじゃ無いか……!


血王状態(アーサーモード)……!」


覚えたての新技…!こういう時のためのものじゃ無いか!あんな弾幕を避けるんだったら必須みたいなもんだろ?ちょうど寒かったところだ。体の隅々まで燃える様な体温にするぜ!結局あの2週間で記憶はないにしろ、血王状態を維持できる様になったわけだが、体温を90度に維持することで発動できるらしい。原理は……うっすらとしか覚えてない。高温にすることでアドレナリンがどうたらこうたら……まぁ使えるんだからそんな気にしなくてもいいのかもしれない。


周りの動きが薄く、伸びる様に遅くなる。俺の動きは変わらず周りに漂う水蒸気や吹雪、木々の揺れは止まっているかの様に見える。つまり、今俺はクソ早い。思ったより早く着けそうだな。戦闘準備だって整いまくってるぜ。頭が冴え渡って仕方がないなぁ!はてさて戦場は一体どうなってるかな?

勢いよく白銀の戦場に着地するとその瞬間、背後から巨大な血腫が腕を振り下ろしてくる。瞬間と言っても俺にとっては永遠とも言えるほどの余裕があるので軽くいなして破でぶっ飛ばす。それを察知して他の血腫たちも周りに集まってくる。

いつの間にやら囲まれた俺は例の大砲の様な血槍の集中砲火を喰らう。だけどこれじゃ…スッカスカだなぁ!血槍が着弾する合間を縫って素早く前へ進む。ゴールは赤雷が昇るライノの場所だ。ついでにこの血腫の群れも一掃してから行くとするか?どちらにしろ……


「楽しくなってきたなぁ!!」

ここは北極ぐらいの寒さ。服はナイトメアから渡されたやつから変わってません。それで四六時中ずっと歩いてたってだから……なんでこいつはノータイムで戦闘に繰り出そうとしてんの?

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