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本日3本投稿予定です。

 



「おりゃあ!」


 ──ズバッ──ザシュッ──


『キシィイイッ』


 サイス・マンティスの鎌腕を斬り飛ばし、切っ先で脳天を貫く。引き抜きながら振り向いて、飛びかかってきたポイズニーモスを斬り落とす。


『ギチギチギチギチッ』


「せいやあっ!」


 牙をいからせたブルーピットの触角を斬る。感覚を失ったピットの暴れる隙をついて、弱点の腹を切り裂く。おびだたしい血を吹き出して、もがいているピットの頭を切断して事を終わらす。



「ふう。フランはどうだ······」




「フリーズショット・クラスター! フレアショット・バースト! ツイスターエッジ!」


 氷の矢、炎の砲弾、風のギロチン。フランの詠唱と共にポンポンと魔法の波状攻撃がなされ、その度にモンスター軍団は屍と化していった。


 数分と経たない内に、モンスターは数十体駆除された。


「35、36、37············数えんの面倒くさくなってきたな」

「ごめん、火力高くて原型とどめてないもんね」

「まあ、それはしゃーないだろ」


 大体40から50くらいだろう。後で料金の相談だな。


「料金設定も今後の課題だな」

「だね。ここら辺のモンスターはこれで終わりかな?」

「周囲を探しながら奥へ行くぞ」

「りょーかい」



 その後、散発的な戦闘はあったものの、大きな集団に出くわしたりする事もなく進み続け、だいぶ奥の方まで来た。


「水場はあっちの方にあって、こっちは木々が途切れてるな。おっ」


 周辺を調べていると、早速お目当てのモンスターの痕跡らしき物を見つけた。


 木の根元に落ちているアイアンバグとメルトスラグの死骸。どちらも腹の辺りが抉られ、中身がほじくられている。


 そして、近くに残った三股の巨大な足跡。さらには薙ぎ倒されたような低木。


「トレイル、羽あったよ!」


 近くを探索していたフランが声を上げる。行ってみると巨大な灰色の羽を持っていた。フランの顔がスッポリ隠れるくらいだ。


「おっきいね。これはかなりの大物だね」

「だな」

「やっぱり、トレイルの睨んだ通り『ジャイロックバード』のせいだったんだね」



 ジャイロックバード。通称『地震鳥』。


 上級モンスターに区分される奴だ。ニワトリの巨人バージョンって感じの大型鳥系モンスターで、背丈は人間を軽く超え、翼を広げれば小さな家くらいある。ただ、飛ぶ事は出来ない。


 しかし、その走破能力は非常に高い。

 巨体にも関わらず馬をも凌ぐ程のスピードを誇り、強靭な足と爪はどんな悪路の走行をも可能にする。凸凹した道を耕すようにして(なら)してしまい、小さな木や岩くらいなら砕いたり弾き飛ばしたりしてしまうモンスターだ。


 かつては魔王軍でオーガやトロールなどの大型モンスターが乗る軍馬のような存在だったらしく、隊列を組んで走ると大地が細かく震えたので地震鳥と呼ばれるようになったとか。


 こいつは森の奥に住んでるらしいが、何らかの原因で人里近い所までテリトリーを移す事がある。


 そして、主食は昆虫型モンスターの類いであり、それのせいで昆虫モンスターどもは逃げて来てしまうのだ。



「昔、俺らの村で似たような事あったから、もしやと思ったんだよな」

「流石~。で、どう探す?」

「足跡を追う。少し時間はかかるかもしれないが、まだ日も高い。急ぐぞ」

「おっけー!」


 捜索には時間がかかるかもしれない。村人達のオーダーに応えて俺らの事業の信用を獲得するためにも早期解決が望ましいので、少し急ぐ事にする。


「こっちの切り開いた場所に続いてるな。ん? あっ」

「居たね? すぐ近くに」


 難航すると思われた捜索は案外あっさりと片付いた。近くの原っぱで補食中のターゲットを発見したのだ。

 巨大な鶏と言った感じのモンスターだが、獲物を喰らってる時の顔はかなり猟奇的だ。

 ホッパーの足がバキバキと引き剥がされている。


「まだこっちには気づいてなさそうだ。フラン、前に倒した時と同じ要領だ。一気に行くぞ」

「うん。ゴリ押しだね!」

「そういう事だ」


 ジャイロックバードはとにかく一度暴れだすと厄介なので、動き出す前に片付けるのがベストだ。

 幸い、こっちにも気づいてないようだしな。


「行くぞ!」


 まだ食事に夢中の相手に向かって駆ける。

 肉体強化魔法がフランからかけられており、圧倒的なスピードで一気に間合いに飛び込む。


 そこでやっとバードが俺に気づいた。


『クオォオオッ』


「ふっ!」


 走り出す前に足を狙い打ちにする。丸太のように太く、鉄のように硬い足には生半可な攻撃では傷さえ付けられない。


 しかし、強化魔法による筋力上昇と、炎属性による高熱の刃はバードの足を大きく損傷させた。


『グゲエエエッ』


「っ!!」


 反対側の足が唸りを上げて頬を掠めていった。


「くっ!」


 身を捻り様、その足にも剣を走らせる。一撃では足りない。二撃、三撃と連続で斬りつける。


 再びバードが奇声を上げる。そこへ──


 ──ズドドドドドドドッ──


 拳大の氷塊が横殴りに吹き荒び、バードの体を打ちのめす。


『クケエエエッ』


「アイスストーム! ヘイルブリザード!」


 フランによる連続魔法が巨体を圧倒し、押しやる。本来なら踏ん張って堪えられたのかもしれないが、俺によって負傷している足では無理なようだった。


『クゲエエエエッ』


「とどめ! 『アイシクル・ビーク』!」


 巨大な氷柱の槍が空を切り裂き、バードに一直線に飛ぶ。それは胴体を貫けはしなかったものの、自らを粉々に砕く程の勢いでぶつかり、バードの巨体を倒した。後に冷気が尾を引いていた。


「トレイル! 今!」


「ああ!」


 剣に力を込める。気力と魔力を一刀に集中し、光の刃を生み出す。


『クオオオオオオッッ』


 激昂したジャイロックバードの嘴が目の前まで迫る。鉄のごときアイアンバグの甲殻を容易く砕くそれは人間が当たればひとたまりもない。


「光刃、ライトレイ・バニッシュ!」


 光刃が真正面からバードの嘴に入る。

 そして、それは眩い光を発しながら頭部を、喉を、体を突き抜けていった。


 次の瞬間にはジャイロックバードの体は何等分にか解れて、地面に音を立てて落ちた。



「······ふうー·········」

「トレイル、お疲れ様! 大丈夫?」

「ああ。お疲れさん。相変わらず良い援護だったぞ」

「それを言うならトレイルも変わらず凄いね! 私もちょっと疲れちゃった」



 流石に連戦に続き、大物を仕止めた後だったので、俺もフランも疲労を感じずにはいられなかった。




 だが、これで依頼は達成出来ただろう。


お疲れ様です。次話に続きます。

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