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「姫様の朝」

城の広間。


朝の光が差し込む中、きらりは文机に座り、虎次郎はその前に書状を並べていた。


「姫様、まずはこちらに目を通してください」


「うむ」


「それから、こちらにご署名を」


「うむ」


「最後に、こちらについてご判断を」


「うむ」


「……姫様」


「なんじゃ?」


「まだ何も読んでおられませんが」


「そうじゃったか?」


「はい」


「では、読もう」


「お願いいたします」


「…………」


「…………」


「虎次郎」


「はい」


「眠い」


「まだ朝でございます」


「朝だから眠いのじゃ」


「それは姫様だけではございません」


「虎次郎も眠いのか?」


「多少は」


「では、今日は二人とも休もう」


「私は仕事がございます」


「私も姫の仕事がある」


「では、まず一枚目からお願いいたします」


「……虎次郎」


「はい」


「そなたは真面目じゃのう」


「姫様がお休みになるためにも、働かねばなりませんので」


「では、私のために働いてくれ」


「承知いたしました」


「うむ。頼りになる」


「……ありがとうございます、姫様」


「では、私は寝る」


「それは話が違います」

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