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「国はいくらで売れる?」

姫・きらりは文机に座り、家臣の虎次郎と向かい合っていた。


机の上には、隣国から届いた一通の書状がある。                         


「虎次郎」


「はい、姫様」


「この国、売ったらいくらになる?」


「……何をお考えですか?」


「いや、ちょっと気になってな」


「国は売るものではございません」


「そうなのか?」


「そうでございます」


「では、城だけ」


「城もでございます」


「土地は?」


「全部でございます」


「むう」


「何か不満でも?」


「せっかく良い値で売れそうなのに」


「どこからその話が出てきたのでございますか」                           


「ところで虎次郎」


「はい」


「この国、私がいなくなったら困るか?」


「……もちろんでございます」


「そうか」


「はい」


「では、売るのはやめよう」


「……ありがとうございます」


「虎次郎が困るなら仕方ない」


「……姫様」


「なんじゃ?」


「いえ、何でもございません」

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