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【第45話 もう止まらない】
翌朝九時。会議室の空気は張り詰めていた。
各所轄から報告が上がる。
「実行役と運転手、二人組」
「トクリュウの可能性あり」
「土地勘もある動きです」
本部長が机を軽く叩く。
「……今まで何をやっとたんや」
空気が凍る。
「捜査のやり直しや」
「防カメ、全部見直せ」
「一ヶ月前まで遡れるもんは、全部遡れ」
「キャバクラの聞き込みも甘い」
「もっと踏み込め」
「何かヒント、出てくるはずや」
一気にまくし立てる。
「車の足取りもや」
「シラミ潰しに当たれ」
「偽造プレートも含めてや」
「特にや」
資料を指で叩く。
「黒のヴィッツと、シルバーのマークX」
「どこに消えたかや」
「スクラップも当たれ」
「潰されとる可能性もある」
「プレス屋も全部や」
視線が鋭くなる。
「大阪中の整備工場」
「怪しいとこ、全部洗え」
「個人も法人も関係ない」
「それとや」
少し声を落とす。
「ここ一ヶ月以内に」
「よう似た事案、各所轄に上がってないか」
「全部、報告上げさせろ」
「些細なことでもええ」
「もう一回、見直しや」
室内の空気がさらに重くなる。
「トクリュウに関しては——」
「組対も動かす」
「ええな」
「……はい」
声が揃う。
机の上の資料が、一斉にめくられる。
バラバラだった情報が、繋がり始める。
捜査は、もう止まらない。




