6話
今回は趣味の会なので短いです。
一度痕跡を見つけてしまえば後は亀吉が追跡してくれるという。日暮れまで追跡して野営するという。明日、日の出と共に出発すれば、昼前にはメガナウマン象を捕捉できるという話であった。
「エミリオ殿、ちょっと、すまぬ」
「どうかしたリムちゃん?」
車内。魔王はエミリオの股間の上でモジモジしている。
小さく丸く柔らかい。未発達でありながら女性的なお尻が股間にグリグリグリグリ。フワフワポヨンポヨン。
しかもノーパンなのだ。Tシャツの薄い布一枚隔てているだけなのだ。感触も体温も、エミリオの大人象さんに良く伝わるのだ。例えて言うなら0.01ミリ。業界最薄。
この場に亀吉がいなければ、エミリオの理性のタガはとうに外れて性欲のケダモノになっていたのは間違いない。
「申し訳ない。止まってもらえぬか」
「気分が悪いの? 酔ったかな?」
「そうではない。そうではなくて、その……」
魔王の顔が上気していた。両手で股間を押さえ、瞳を潤ませて、切ない顔でエミリオを見上げている。
(これってもしかして僕を誘ってる?)
自分に都合の良い邪悪な妄想。それを一刀両断するのは亀吉の役目だ。
『マスター。停車致します』
「う、うん」
亀吉は主人の許可などお構い無しに、戦車を比較的安全な場所に停めた。
『リム様を車外へお連れします。手伝って下さい』
「そりゃあ手伝うけど、どうしたんだ?」
察しの悪いエミリオにミニメイド亀吉が「ちっ」と舌打ち。
「あっ! 舌打ちしたな! AIのクセに舌打ちした! 機械の反乱だ!」
『そう言うの間に合ってるので急いでもらえます』
くだらないやり取りの間にも、魔王のモジモジとウルウルは加速していた。
「エミリオ殿早く、お願い、早く出して。これ以上はらめぇ〜」
『マスター! 最大限の丁寧さで、最大限の速さを!』
「りょっ、了解!」
3人は大急ぎで車外に出る。
エミリオにお姫様抱っこされた魔王は戦車から少し離れた木の陰に移動した。
『後は私が! マスターは100メートル以上離れて下さい!』
「えっ? えっ? えっ? でも魔獣が出たら危ない……」
「あぁ〜ん! もう限界〜!」
魔王はついさっき、魔法関連で自重しろと釘を刺されたばかり。しかし人間の尊厳に関わる緊急事態においては自重も何もないのだ。やるしかない。
「2人共ごめん! 見逃して〜!」
魔王は後先考えられないほど切羽詰まっていた。
「土錬成個室水洗トイレウォシュレット付き!」
目の前の地面が隆起を始め、見る見る間に個室トイレを形作った。
「今度はサイコキネシスか!」
『か、観測観測!』
「我慢出来ないの、早く入れて、お願い、中に入れて欲しいのぉ〜!」
魂を震わせる魔王の願いである。エミリオは慌てて扉を開き、魔王を便座に座らせ、そのまま室内に残ろうとする。
「出て行って〜!」
「あぅぅ〜! リムちゃぁ〜ん!」
バタンと勢い良く土の扉が閉まる。そして。
シャア〜。ショロロ〜。
『耳を塞いで下さいマスター! 通報しますよ!』
「亀吉。それは無理だ」
ドヤ顔でキリリと格好良く聞き耳を立てるエミリオ。
「はふぅ〜。ギリギリ間に合った〜」
ウォシュレットでお股を良く洗う。
その際「ひゃあっ」となる。
お股が綺麗になると風魔法と火魔法を合わせて温風を生み出し、しっかり乾かして終了。尊厳は守られた。
「いや〜。お騒がせして申し訳ない。いらぬ手間を取らせてすまぬ」
トイレのドアを開けて外へ出ると、そこには亀吉に組み伏せられて、無理矢理耳を塞がれるエミリオが横たわっている。
「うぐぐ〜、機械の反乱だ〜」
『リム様の尊厳が最優先です。変態ロリコンは反省して下さい』
少年時代に求愛されまくった時でも、ここまでの変態は数える程しかいなかったな。と、呆れる魔王であった。
今回は小の方だけです。




