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波濤の王冠 カラカウアの遺産  作者: ゆうき
日清日露戦争 連合王国の更なる飛躍
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旅順陥落

時は遡って8月10日、旅順日本軍第三軍司令部では新たな攻略作戦を練っていた。

南山攻略戦において示された砲兵による事前砲撃の効果は旅順においても改めて証明されたが重厚な堡塁群を砲撃だけで沈黙させ突破する事は叶わなかった。

第一次総攻撃は大本営からの介入もあり川上の作戦方針と乃木の慎重論が退けられ南山の成功体験から砲撃を行えば攻略を出来るのだから旅順も早期攻略の為に砲撃を実施した後に総攻撃をすべきという意見に押されて実施したものの結果は6,000人近い死者と7,000人近い負傷者を出す結果となった。

史実では乃木希典は旅順にてイタズラに兵力を消耗させた愚将と評価した作家などもいたが史実でも乃木希典は第一次総攻撃の後に作戦方針を大転換させていた。

大本営などから早期攻略を迫られていたために転換した作戦方針で十分に挑む事が出来ずに損害を増やしてしまったが最終的に旅順を陥落させたのは乃木の作戦方針に寄るところが大きかった。

ロシア革命を成功させたレーニンは大の軍事オタクであったがそのレーニンから乃木希典は

あれだけの損害を出しながらも方針を転換し旅順を陥落せしめたのは名将であると言えるだろうと

評価をされている。


第一次総攻撃の反省を生かし第三軍は川上操六より受けた命令に基づき旅順攻略を進めていく事になる。

基本方針としては徹底して砲撃を行いつつ敵の堡塁に向かい塹壕を掘り進め接近した後に坑道を掘り敵堡塁の真下よりダイナマイナによる爆破を実施、爆破により開けた穴から部隊を突入させて各堡塁を攻略していくという流れになった。



第一次総攻撃終了後から一週間ほど経ってから日本軍は夜間に接近豪を掘り進めつつ昼間は砲撃を断続的に続けていたが接近豪を掘り進めている事に気がついたロシア軍からの夜襲などにより準備に手間取ってしまった物の、9月2週目には東鶏冠山北堡塁に攻撃を開始した。

ロシア軍の決死の抵抗もあり当初は苦戦を強いられた物の気球を活用したロシア軍砲兵陣地への攻撃などを繰り返し行っていた成果が出て9月末には東鶏冠山北堡塁の攻略に成功する。

東鶏冠山北堡塁攻略は第一次総攻撃の時よりも時間はかかった物の損害は遥かに少なく済み川上の作戦方針の正しさが証明される事になった。


この頃になるとロシア軍も坑道爆破作戦を学び日本軍に占領された堡塁に対して逆坑道爆破作戦を仕掛けてくるようになっていた。

日本軍は堡塁を守備しつつロシア軍を各地で撃破、東鶏冠山北堡塁陥落後は二龍山に向けて攻撃を開始、この頃になると工兵隊の技量も上がってきてスムーズに攻略が進められるようになっていた。

二龍山も10月初旬には陥落、松樹山、一戸堡塁も10月末には攻略に成功し旅順東北正面の防衛線を崩壊させる事に成功、望台まであと一歩のところまで迫るまでに至った。

11月初旬には望台に攻撃を開始、それと同時に牽制をかけるべく203高地にも攻撃を開始した。

この頃になると旅順要塞内では食料が枯渇し湾内に着底している艦隊から降ろした艦載砲を含め弾薬が枯渇し始めていたがロシア軍は抵抗を続けていた。

11月中頃には望台、203高地共に陥落し組織的抵抗が難しくなっていた。

それでもなおステイセリは抵抗を続けていたが下旬に日本軍が市街地に突入し始めた事を受けて降伏を決断、ここに旅順要塞は陥落する事になる。



川上の戦前からの研究、川上の作戦意図を汲み取った乃木、そして実戦にて攻略法を発展させていった第三軍の努力により史実よりも約3ヶ月早く旅順を攻略する事に成功した。

日本軍の損害も2万〜2.5万人の損害で抑えられ史実の惨劇を防ぐ事に成功していた。

だが乃木希典自身はもっと上手く攻める事が出来れば損害をもっと減らせたのではないかと自責の念に駆られていたが攻略後に訪れた川上に激励され今持てる物で挑んだ最適解であると考え、自責するのではなく今後はもっと損害を減らす作戦、戦術を取る事に重点を置くようになっていく。



ロシア軍降伏後乃木とステイセリは水師営にて会見、この時乃木はステイさらに帯剣を許すなど勝った側の傲慢さを出す事がなく、紳士的な振る舞いを見せた事で世界から称賛される事になるのは別の話



この後2週間ほどかけて第三軍は休養と再編を行い決戦の地満州に向かう事になる。

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