↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
波濤の王冠 カラカウアの遺産  作者: ゆうき
日清日露戦争 連合王国の更なる飛躍
PR
36/52

災害復旧、鉱毒問題

日清戦争終結後の1896年、概ね台湾平定に成功した日布連合は台湾総督府条例を制定、軍政を終了させ台湾の統治を民政移管した。

但し現状でも山岳部の部族などとは交戦に至る事もあるため台湾総督は現役の陸海軍中将、大将から信任するものとした。

この時の総督は絶大な権限を握っており立法権、行政権、司法権、陸海軍の指揮官を有していた。

ただこの状況を長期化させるつもりは無く、将来的には台湾にもハワイ王国議会のような議会を設置し総督は議会での法案の承認など形式的な役割とする事が予定されていた。


そしてこの年再び二つの大災害が日本を襲う事になる。

明治三陸地震と陸羽地震である。

明治三陸地震はM8.2、津波の遡上高は38.2mを記録する大災害となった。

最大震度は4程と地震の揺れによる被害は小さかったが津波によって被害が甚大化したのだった。

この頃は津波に関する知識も少なく40年前に発生していた安政八戸地震でも津波被害を受けていたがこの時の津波は大きく無くその時の経験から来る油断も被害を拡大させた要因であった。

また三陸はリアス式海岸と呼ばれる入り組んだ地形で地形的要因でも津波被害が増す事になった。

津波は北海道から東北の太平洋側の広い地域に被害をもたらしハワイにも2mの津波が到達、波止場が破壊され、家屋が数件ほど流される被害が生じていた。

岩手県からは仙台に駐屯する第二師団に救助要請が出され第二師団の工兵隊が出動、海軍も艦艇を派遣して救助活動や救護物資の輸送に努めた。

また樺太や北海道で取れる木材も優先して割り振り復興活動を進める事になった。

三陸の復興を進める最中、三陸地震から2か月後秋田、岩手県内陸部にて陸羽地震が発生する。

多数の山崩れが発生し死者が200人、家屋の倒壊が一万戸ほどの被害が発生した。

但し陸羽地震は三陸方面に工兵隊が多数展開していた事もあり一部部隊を即座に転用、こちらも迅速な救助活動及び復興を行う事に成功した。

これらの地域に工兵隊が迅速に展開する事に成功した理由の一つに早期に整備されていた鉄道路線網のおかげでもあった。

東北本線は早期に青森まで開業していたため盛岡地域まで鉄道で移動する事ができ、徒歩や馬での移動よりも迅速に展開が可能となっていた。

またこれらの火山、地震、津波と災害が連続して発生した事で政府は内務省に災害対策部門を新設、災害発生時に活用できる予備資金の準備などを1900年頃より開始、学術面においても地震、火山の研究が活発となって行く。

また内務省土木課では耐震建築についての検討を進め耐震建築の指針を発表すると共に橋梁、役所、学校の耐震化を進めて行く。

また陸海軍においては災害時の救助方法や救援物資の運搬方法、病院船の整備計画を策定して行く事になる。

そして長期的には日布連合内にて統一的な災害時の指揮系統の整備、地震、火山、津波、台風の観測網、鉄道、海運を活用した緊急輸送体制の整備、全国的な耐震、耐火基準の制定、地域や学校での防災訓練の実施という形で身を結ぶ事になる。

そしてこれらの活動や海外で後に起こるメッシーナ地震やサンフランシスコ地震などの教訓を取り入れて行く事で成熟した防災行政が関東大震災の際に身を結ぶ事になる。



そして相次ぐ震災に続き国内では違う問題も現れてくる事になる。

急速に拡大して行く工業化に対して国内では鉱毒などの郊外問題が発生して行く事になる。

群馬県足尾で操業している足尾銅山から亜硝酸アンモニウムを含む水を渡瀬川に放流していた事で下流域で鮎などが死亡したり洪水が発生した際には農産物が壊滅したりなどの被害が発生していた。

場合によっては江戸川を経由して行徳方面や利根川を経由して霞ヶ浦にも拡大していた。

また日光周辺では酸性雨が降り禿山が増え崖崩れなども拡大していた。

この年ついに渡瀬川周辺の農民が上京しての請願運動を開始、また運動の中心となっている田中正造が衆議院議員に当選し天皇陛下への直訴未遂事件などが発生して行く事になる。

ただ、この鉱毒事件の解決は四半世紀近く対策は放置され真の解決まではさらに半世紀以上の時間が必要となって行く事になる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。