南の双頭竜
その時、病室に兵士が駆け込んで来る
兵士「急報、南の湖に双頭竜が出現して、南の住民の避難開始!」
チュンチュン行くぞメリット
王国兵士団の馬車に揺られて南に向かう
途中、列になって王都に向かう避難民の群とすれ違っていく
避難民の持ち物は少なく、突然の襲撃に命からがら逃げて来た様だ
石畳も敷かれていない土の一本道が、王都に向かって細く伸びている
その上を、人々の列が折れそうなほど細長く連なり、ただ前へ、前へと足を運んでいた
誰も口を開かない
ただ、荒く乱れた息と、踏みしめる土の音だけが続いている
背中には荷物ではなく、急ごしらえの包みや、泣きじゃくる子どもの体温だけが重くのしかかっていた
遠く、空を裂くような咆哮が響く
振り返る勇気のある者はいないが、誰もがその声の主を知っている
さきほどまで暮らしていた村を破壊した黒く巨大な影
双頭竜の咆哮が、雲を裂くたびに風が逆流し、列の最後尾から押しせてくる
列の中ほどにいた男が、思わず足を止めかける
村に置いてきたものが脳裏をよぎるが、その腕を隣の女房らしき女が強く引いた
「止まったら、やられるだけよ」
反対側の手にしがみつく子どもの手が、小さく震えた
〜湖
湖に到着すると、兵士団が弓矢を使って戦っていた
双頭竜は頭と長い首が二つある
胴体と尻尾は一つだ
どうやら、兵士団は左の頭を集中攻撃している
ところがである 右の頭が息を傷ついた左の頭に吹きかけると、たちまち傷が治ってしまう
[瞬間再生]のスキル
これでは、埒が開かない
メリット「瞬間接着剤なんて凄いね!」
チュンチュン☆瞬☆間☆再☆生☆な!
チュンチュン任せろ
チュンチュンは[鉄壁]
メリットは[怠惰防御]を使って身を守りながら、双頭竜に近づいていく
双頭竜は1メートル程の岩を次々と投石してくる
雀は[鉄壁]で軽く跳ね返し、メリットは[怠惰防御]で岩の持つ運動エネルギーを奪い、岩はドスンと地面に落ちる
まるでメリットは何もしていないかのようだ
ぐうだらメリットらしい防御スキルだ
すると、双頭竜は巨大な尻尾を回し始める
チュンチュン野球のバットの様に我々を打ち飛ばす気だ
チュンチュン流石に、それはヤバイな メリット何とかしろ
双頭竜とメリットの目が合うと、「眠い、怠い、帰る」とスキル[油断]を発動する
双頭竜の攻撃が止む
次にメリットは緑の木札を使うと、双頭竜は緑のオーラに包まれて睡魔に襲われる
チュンチュン[一撃]右の頭を
メリットは、ブーメランで左の頭を同時に攻撃する
双頭竜は絶命して、湖の底へと沈んでいった
メリット「双頭竜を掃討するなんて、相当成長したよね!」
チュンチュン………




