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642話 アスター騎士爵
「ありがとうございます、男爵様」
「ご主人しゃま、ありがとーございましゅっ!」
お礼を言ってくる2人に対して、俺は笑顔で応える。
よし、ひとまず大丈夫そうだ。
そのとき――
「お待たせ致しました」
1人の男性が近づいてきたかと思うと、深々と頭を下げてきた。
見たところ40歳くらいの男性だろうか。
やや小太り気味だが、なかなかの男前だ。
服装を見る限りでは貴族のようには見えないものの、立ち居振る舞いからは確かな気品を感じることができた。
どうやら彼がアスター騎士爵のようだが――
「初めまして、エウロス卿。私はアスター騎士爵でございます」
「これはご丁寧にありがとうございます。私はコウタ・エウロス男爵と申します」
丁寧に挨拶してくる彼に、俺もまた頭を下げて答える。
第一印象としては悪くない感じかな。
これなら話をスムーズに進めることができそうだ。
そう思ったのだが、何やらアスター騎士爵が少しばかり動揺した様子を見せる。
どうしたのだろうか……?
疑問に思ったものの、すぐに答えは出た。




