641話 翌日
翌日――。
俺たち『悠久の風』の面々は、宿屋の前で待機していた。
アスター騎士爵とやらが、ここに迎えに来てくれるそうなのだ。
「しかし、全員で待つ必要はないんじゃないか? 用件があるのは俺だけなんだから――」
「何を仰っているのですか! ご主人様を1人にはできません! ぜひ護衛させてください!」
俺の言葉に反論したのは、シルヴィだった。
他のみんなも同意見のようで、揃って首を縦に振った。
相変わらず心配性だな……。
でも、嬉しいよ。
俺のことを大事に思ってくれているってことだもんな。
「ありがとう、みんな。しかし、無理はするなよ。ただ立っているだけってのは、意外にツライものだからな。特に新入りのチセとヒナタには気をつけてやってくれ」
チセは『眠魔法使い』、ヒナタは『火妖術使い』だ。
身体能力はさほど上がらないタイプのジョブなので、戦闘面では期待できない。
その上、こうした何気ない日常でもストレスは溜まっていくものだ。
だからこそ、こうして適宜ケアしていかなければならないのだが……。
果たして上手くいっているだろうか?
2人とも、俺の言うことはよく聞いてくれるし、不満を口にしている様子もないけれど……。
どうにも不安になってしまうな。




