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1009話 孤児リリィ視点-21
「お前たちは、スラムの子どもたちだと聞いたが?」
「……は、はい」
コウタさん――じゃなくてコウタ様が尋ねる。
私は緊張しながらも、なんとか声を出した。
貴族様が相手だし、ひれ伏した方がいいのだろうか?
でも、緊張して体が上手く動かせない……。
「ふむ……。さっきも言ったが、俺は貴族でね」
「…………」
「西方の開拓をウルゴ陛下から命じられているんだ。この開拓事業は、絶対に成功させなければならない。そのために、あちこちで人材の募集をしてきたのさ」
「は、はひ……」
ウルゴ陛下って……国王様のことだよね?
子爵様が目の前にいるってだけでも緊張するのに、国王様の名前まで出てくるなんて……。
私を含めた妹分たちは、完全に固まっていた。




