村人たちが深刻な話を進める中……
魔物を撃退してひと息つく間もなく、村人たちは話し合いをしていた。
どうやら村長が戦死してしまったらしく、誰が村の長をやるのかを話し合い……というか押し付け合っているようだ。
小生はと言えば、先ほどの少年少女たちと話をしていた。
「ユニコーンさんは立候補しないんですか?」
「やれと言われたらやるけど、小生が村長になったら大変だよ」
「大変って……どうなるの?」
小生は笑った。
「はい、問題です。小生は馬です。村長になったら誰のために頑張るでしょう?」
「わかった。答えは馬!」
「惜しい、正解は……可愛い牝馬と主に家族のための政治を行うでしょう」
うん、我ながら思うけど、本当に小生のようなセコイ馬に指揮棒を持たせたらダメだな。絶対にロクでもないことを考えるもん。
小生は少年少女たちを見た。
「というわけで君たち……小生の正体をばらしたらダメだよ。目の前にいるのはゾクブツ馬だからね」
「は、はあ……」
4人の中にいる、生真面目そうな女の子が言った。
「ユニコーンさん、私たちはもっと強くなりたいんです! どうすればいいでしょうか?」
お、これはチャンスだ。
「なるほど。ちょうどそこに枝があるから、懸垂を20回できるように頑張ろう」
早速、ひとりずつ試してもらったけど、レベル8の子が9回までできただけで、残りは2~5回という感じだった。
彼らの年齢から、まあ普通という感じだ。
おっ、今、一番低かった女の子のレベルが上がった。これくらいでポイントが貰えるなんて美味しい!
人間に扮しているグラディウスもこっちを見た。
「重箱の設置が終わったよ……今、レベル上がったでしょ~」
「うん、次は腹筋あたりでも鍛えてもらおうかな?」
「は、はい……どれくらいやればいいですか?」
「とりあえず50。ただし……ゆっくりとね」
案の定、一番できるレベル8の子でも28回でダウンした。
可哀そうだけど、明日は全員が筋肉痛だろうな。でもめげずに続けるのだ。小生とグラディウスのポイントゲットのために!
次は腕立て伏せだよ。これも目標は50回だ。
今度は、レベル6の方の男の子がレベル7になった。本当にポコポコとレベルアップするから笑いが止まらない。
【寒村の少年少女たちからのお願い】
「き、き、筋肉痛だ……」
「いてぇ……マジか。これ?」
「ビリビリくるね」
「筋肉痛の辛さがわかるお兄さん、お姉さん方……下にある☆☆☆☆☆を★★★★★にして欲しい」
「俺たちも頑張ってレベルアップするからさ。この作品もレベルアップさせてくれ」
「もうやってくれた人は、しつこくなってごめんよ。いたた……」
「ブックマークの登録も……お願い。あたた……」
「何か次、俺たちの先輩だった人々が出るらしいぜ……あ、いたたたた……」




