窮地に陥る国王
「悪魔だ……これは、暴食を司るベルセブブの……呪いなのだ」
12月上旬になると、遂にツーノッパの国王まで病に伏せていた。
「お父様……しっかり!」
「エリス……うう……あああ……」
「何とかならないのですか!?」
医者は困った表情のまま、王の容態を診ていた。
「今まで、様々な病を診てきましたが……魔王の呪いとなると……もう、治す手段は1つしかありません」
「それは!?」
医者は王女エリスを見た。
「ユニコーンです。この呪いは聖職者の肉体すら蝕む恐ろしい代物……それに打ち勝つとなれば高位のユニコーンそのものを連れてくるしかありません!」
エリスは困り顔になった。
それはそうだろう。馬の中でユニコーンになれる者はほんの一握り。ましては100レベルを超えるユニコーンとなると、ウンディーネの情報網があっても20頭くらいしか見つからないのである。
「どこに……彼らはいるのでしょうか?」
「居場所ですか……そうですね。太古の昔から続く樹海や、神のお膝元の大地など……到底、並の人間では近づけないところです」
「そ、そんな……」
彼女は、命を捧げ続ける司祭たちを見た。
「何とか……ならないのでしょうか?」
司祭の1人は祈りを捧げ続けながら言った。
「相手は神に近い存在です。殿下が真剣にお願いすれば……聞き届けてくれるかもしれません」
「わ、わかりました」
彼女は上着を脱ぐと、テラスに立って両手を合わせた。
「神よ……」
その様子を眺めていたコマドリのロビンは、仕方ねえなと言いたそうな顔をした。
「カワイ子ちゃんのお願いには弱いんだよな。話だけはしてきてやるよ」
「……え?」
エリスは驚いた顔で、側の鉢植えに目を向けると、ロビンは笑いながら飛び立った。
「今のは……小鳥? それとも……」
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その頃、小生は他のユニコーンに秘薬の作り方を教えていた。
「なるほど。こうすれば……ああ、ダメか」
「そこ、もうちょっとコツがいるんだよ」
父コンドコソトレルが苦戦する横で、グラディウスが笑った。
「できたよ!」
「おお、さすがグラディウス……ん!?」
「え……失敗?」
「グラディウスのレベルが100になってる」
コンドコソトレルとククリは、じっとグラディウスを見ると言った。
「高難易度の薬の制作に初めて成功したから、大量の経験値を得たのだな」
「ということはカッツのレベルも……」
「152だよ」
150代の必要経験値は恐ろしく高いため、そう安々とレベルアップはできないものである。
「カッツー!」
見上げると、ロビンがやってきた。
「どうした?」
「王女殿下が直々にお前をご指名だぞ」
小生はすぐに察しがついた。恐らく、一族の中の誰かがこの病気になったのだろう。
「わかった。行ってくるよ」
「待ちなさい。お父さんも行こう」
小生は頷いた。
もしかしたらこの病気こそ……いや、それ以上先は父さんが確かめるべきことだ。




