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レベルアップ牧場の完成

 馬たちは、満足した様子で納屋と牧場を眺めていた。

 広々とした牧場には柵があり、これがあればクマやオオカミのような外敵も容易には侵入できない。

 そして、納屋の周りにはもう1重の柵が張り巡らされているので、寝込みを襲われる危険性も低い。


「カッツ、ここにハチの巣箱も設置しない?」

 グラディウスが言うと、小生も頷いた。

「いいね。この辺にはツーノッパトチノキが群生しているから、蜜もたっぷりと手に入りそうだ」


 彼女と蜂の巣箱をどこに置くかを話し合っていると、見覚えのある一団がやってきた。

 ウルフビレッジの戦士たちである。

「よし、急ごうぜ」

「ああ、生ものは傷みやすいからな」

「お邪魔しま~す」


「そういえば、ここに牧場があれば、ウルフビレッジの人たちとヒト族の村の人たちが安全に行き来できるようになるんだね」

「川の浅瀬を通る時が一番危ないから、資材を集めたら橋を架けるのもいいかもしれない」


 牧場の真ん中に橋を架ければ、荷車が通れるようになるので、一度にたくさんの荷物も運べるようになるだろう。

 まあ、厳冬に降る雪の量が心配だけど……


「しっかり掴まっていろ」

「お父さん、ちょっと慎重すぎるよ」

「……!」

 見上げると父コンドコソトレルが、少女に変身した妹スティレットを乗せて降りてきた。

「久しぶりだね、お兄ちゃん」

 彼女は降りると牧場を見渡した。


「ここがお兄ちゃんの牧場なんだね」

「正確にはレベルアップ牧場かな。ここで新人戦士を見つけてチームを組んで訓練をしてもらう」

「な、なるほど」


 納屋や既に牧場にいる仲間たちを妹に紹介していると、若者たちがやってきた。

 ヒト族の戦士3人、狼族の戦士2人の5人パーティーだ。

「カッツバルゲルさん、俺たち……戦士団を作ることにしました」

「アレン先輩たちのように、ビシビシ鍛えてください!」


 これはまた、ちょうどいい新人たちが現れたものだ。

「よし、スティレット……君もこのパーティーに加わってランニングだ」

「う、うん!」


 アレン隊や、アレン第2部隊も到着したので、彼らにもランニングをさせた。

 今日入ったばかりのスティレット隊は、牧場を1周させるだけで2レベルも上がっている。何と効率が良いのだろう。

 逆に、もう平均レベルが45であるアレン隊はランニングや筋力トレーニングくらいでは、レベルアップはできないくらい成長していた。


「よし、アレン第2部隊とスティレット隊は水分補強しながら待機」

「カッツ様、俺たちは?」

「これから木刀を持って小生に斬りかかってきて」

 角を光らせると、アレン一行は真剣な表情をした。

「は、はい! 参ります!!」


 まずアレンが斬りかかってくると、小生は角で木刀を受けた。

「はい、ここで魔法攻撃!」

「は、はい!」

 女の子2人が魔法攻撃を仕掛けようとしたが、遅すぎるので足元に水塊を投げつけた。

「うわ!?」

「きゃあ!」

「連携が拙い! もう一回!!」


 さすがに直接指導すると、アレン隊にもかなりの経験値が入るらしい。

 アレンのレベルも50に到達した。


「……何だろう、この高揚感!?」

 どうやら彼はクラスチェンジが可能になったらしい。

「なるほど」

「……なら、俺はこいつを選ぶぜ!」


 アレンの纏っていた気が見る見る強いものへと変わった。

 今までに見たこともない雰囲気を持つ職業だ。いったい彼は、何にクラスチェンジしたのだろう?


「……」

「君のクラスは?」

 アレンは笑った。

「ユニコーンナイト……一角騎士です!」

 どうやらナイトとしての戦闘力に加え、神官の支援魔法を使える上位クラスのようだ。

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