たてがみ皇帝ポニースキー
「おおお……おおおおおおおおおおっ!?」
もう、夢の中でおおおおおおおとか興奮しないで欲しい。小生ことカッツ君も興奮しちゃうじゃないか。誰だ?
そう思いながら探りを入れると、割れた水晶玉を眺める老婆がいた。
「こ、これは間違いない。大至急……陛下にご報告しなければ!」
だから、何に貴女はそんなに興奮なさっているのでしょうか? まあ、わざわざ夢に出てくるってことは小生に関係することなんだろうけど。
建物の造りや人々の服装から、ここはツーノッパではなさそうだ。生えている植物から推察するに、北方……もしかしたらタテガミ地方かな?
「陛下……ポニースキー陛下!」
「これはおばば様……そんなに息を切らせてどうした?」
玉座に座っている四角い顔をした男性こそ、噂に聞くたてがみ皇帝ポニースキーだ。
占い師と思われるおばば様は、興奮した様子で言った。
「現れたのです! 現れたのですよ……一角騎士が……ユニコーンナイトが!」
なに!? どこだ!!「」
おや、陛下の言葉が鍵カッコを置き去りにしている。そうとう興奮なさったのだろう。
「ユニコーンナイトがいるということは、伝承が正しければかなり高位のユニコーンも近くにいるということだ」
「はい。そのユニコーンの名もわかりました」
「名は?」
「カッツバルゲル。黒毛の牡馬、角の色は水色」
「カッツバルゲル……武器の名を冠する馬ということは……アレハポララン出身か」
「その通りでございます。アイツコイツ地域とポラーランド地域の間に位置するだけでなく、150キロメートル南には千年都市もあるという、実にややこしい地域です」
「……ふむ。下手に軍隊を派遣すれば戦争になりかねん場所だな。彼らを臣下に迎える何か良い手立てはないか?」
「そうですな……もし、伝承の通り高位のユニコーンだとしたら、この様子も夢枕か何かで見ている可能性があるかと……」
「ふむ……一理あるな」
皇帝は手鏡を出して髭を整えると、再び正面を見た。
「カッツバルゲル殿、もし見ていたら……前向きに検討して頂けないだろうか? 我がたてがみ帝国は、いつでも貴殿らを歓迎する!」
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起きたとき、スティレットやグラディウスはぐっすりと眠っていたが、父コンドコソトレルだけは起きていた。
「お父さん、今の……見た?」
「ああ、私のことを何も言ってくれなかったのは悲しいが、お前の武名がたてがみ地方にまで轟いているのは嬉しい!」
しばらく笑い合っていた小生と父だが、ふと思った。
「ねえ、父さん……もしかして、ポニースキー皇帝に小生の父だと名乗れば悪魔に関する情報をくれるんじゃない?」
「……やってみる価値はあるかもな」
父はたてがみ地方を見ながら頷いた。
「明日の朝になったら行ってみよう」




