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ゴブリンパラディンの浄化。そして……

《どんなに人間味があっても、ゴブリンは闇の眷属だ》

《わかっているよ。ここで小生が情けでもかけたら、何のために父さんがここまで来たのかわからなくなる》

 父にテレパシーで伝えられた場所に着くと、小生は遠くを睨んだ。

《やる時はやるさ!》

《わかった。頼んだぞ》


 それからおよそ5分ほどで、ゴブリン族の親子と目の赤い黒毛馬が姿を見せた。

 どうやら、父の計算した通りに話が進んだようである。

「ユニコーン殿……我らはこの首を貴方様に差し上げます」


 小生は頷いた。

「わかった。それならまず君たちの身を清めないとね。そこで……横になってもらえる?」

 ゴブリン親子と、目の赤い馬は指示された通りに横になった。


 ゆっくりと歩み寄ると彼らのレベルがわかる。

 ゴブリンパラディン、レベル127。

 アビスホース、レベル143。

 ゴブリンチルドレン、レベル1。

 この中で潜在的に恐ろしいのは、ゴブリンチルドレンである。


「じゃあ、目を瞑って楽にして」

 角を光らせると、まずはゴブリンパラディンの頭上へと下ろした。

「おお、この暖かな光……眠くなる」

 その言葉を最後に、ゴブリンパラディンの体は水色の光を放ちながら浄化された。

 次は、ゴブリンチルドレンである。

「ふあ~~ 何だか眠い……」

 彼に角を近づけようとしたら、小生は目を大きく見開いた。


 なんで父コンドコソトレルが、彼らの御霊を自分で浄化しなかったのか解かった気がした。

 ゴブリンパラディンは、ここまでレベル上げるまでに、あまりにも多くの生き物たちを殺め、苦しめ、そして食らってきた。

 このまま世界最後の日まで眠らせても、地獄に落とされるだけだろう。


《やはり、お前は気付けたか……この者、特に子供の方の罪深さというものを》

《うん、子供の方は何も罪を犯していない。いないけど……先祖代々続けてきた呪縛を色濃く体に宿している》


 父さんは頷いた気がした。

 ツーノッパ生まれの小生なら、この世代を繰り返して受け継いできた罪を正確に測り、かつ、シッポンの思想……輪廻転生の概念で、穢れた御霊に再度、人として転生できるチャンスを与えることができる。


――ゴブリン親子の魂を、島国シッポンに……!


 そう念じると、小生の角は強く光り輝いた。

 ダブルユニコーンにとっては、極東のシッポンは遠すぎる場所のようだ。ここは、ボーナスポイントを全て注ぎ込んで、レベルを150にするしかない。


 100ポイント。


 200ポイント。


 300ポイント。


 400……450ポイント。


 これでギリギリか。482ポイント!


 全てを傾けると、角が強い光を放った。

 今までは、水、風の2属性だった小生の能力に、地属性の力が追加された。3属性ユニコーンにクラスアップしたことで、体の芯から生命力が燃え上がるようにみなぎり、体の外まであふれ出してくる。


――改めて、この2つの御霊を……極東の島国に!


 角が光り輝いた。今までは70センチメートルほどだった角は、90センチ近くまで伸びた。

 浄化された2つの魂は、白鳥のように翼を広げ、新たな居場所を見つけに行くかのように空に飛び立っていく。


《よくやった。だが、まだ……気を抜くのは早いぞ》

 小生はゆっくりとアビスホースへと視線を向けた。指示に反して目を開け、小生を睨んでいたからである。

「これが、3属性のユニコーンか……芝居を打った甲斐があるってもんだ」


 彼とは戦わないといけない気がしていた。

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