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悪役令嬢断罪請負人デルガ  作者: 南蛇井


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【クライマックス】投票

開票は、夜に行われた。


王都の灯りが一斉にともり、広場には巨大な掲示板が設置される。

赤と青の旗は、今は畳まれ、足元に置かれている。


誰も叫ばない。


誰も笑わない。


王都が、息を止めていた。


一枚、また一枚と票が読み上げられる。


「存続」

「廃止」

「存続」

「存続」

「廃止」


数字が板に刻まれていく。


僅差。


予想以上の僅差。


やがて、最後の一票が開かれた。


静寂。


そして――


存続。


だが、単純な存続ではない。


改革案への支持が多数。


・証拠開示の義務化

・演出と事実の明確分離

・第三者監査制度

・年齢制限と心理保護


断罪は残る。

だが、娯楽としての無制限拡張は否定された。


同時に、完全廃止も否定された。


民は、極端を選ばなかった。


歓声は起きない。


代わりに、長い息が王都全体から漏れた。


安堵と、覚悟。


炎は消えない。

だが囲いが設けられる。


それが今夜の結論だった。


【エピローグ】


王城。


高窓から夜風が入り、書類をわずかに揺らす。


王子アルベルトは、静かに言った。


「民は理性を持っていたな」


玉座の前に立つデルガは、ゆっくりと頷く。


「炎を完全には捨てられない。

だが燃え方は選べる」


遠く、広場で旗が下ろされる音が聞こえる。


赤も青も、今は同じ高さで折りたたまれていく。


断罪は続く。


だが変わる。


そのとき、扉の向こうに軽い足音がした。


カイ。


若き宰相候補は、どこか楽しげに微笑む。


「面白くなりましたね」


挑発でも、皮肉でもない。

純粋な好奇心。


炎は消えなかった。

だが、形を変えた。


デルガは窓の外を見つめる。


(断罪は国家の鏡だ)


怒りをどう扱うか。

若さをどう守るか。

正義をどう見せるか。


その選択が、国の成熟度を映す。


炎は美しい。


だが、灯りにできるかどうかは――

人次第だ。


夜の王都は静かだった。


第8話、終了。

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