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異世界転生、11回目です。〜プロ勇者は今日も神様の手違いにため息をつく〜  作者: 凪塩 未来


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外伝第3話:すべてを丸く結んで――『おにぎり処・零』の永遠なる日常

こんにちは、小橋零です。

王都の東門に出現した異次元炊飯器の暴走をいつもの力技で鎮圧し、中から出てきた「幻の宇宙米」を使って王都の住民全員を巻き込んだ大々的なおにぎり炊き出し祭りを開催してから数日。賑やかだった平原も元の静けさを取り戻し、我が『おにぎり処・零』には再び心地よいお米の香りが戻ってきました。本編から外伝へと続いたこの物語も、いよいよ本当のフィナーレです。外伝第3話、最後までお付き合いください!

陽がすっかり傾きかけた夕暮れ時。

テラス席の片付けを終えた看板娘のルルが、ふうっと大きな息をつきながらカウンターにやってきた。

「ふぅ……! 今日も本当によく売れましたね! あの巨大炊飯器の宇宙米で作ったおにぎりの噂が広まったおかげで、遠くの街からもお客さんが来てくれて、お店は連日大繁盛ですよ、零さん!」


竈の掃除をしていた零は、タオルで汗を拭いながらフッと笑った。

「ああ。おかげで一時はどうなるかと思ったがな。まあ、みんなが美味そうに食ってくれるなら、これ以上の手間はねえよ」


その横で、元・天才美食王のリュシアンヌが、ピカピカに磨き上げられた大釜を満足げに眺めながら胸を張った。

「師匠! 私、ようやく気付きました。どんなに高い食材や難しい理論を並べても、人の心をまっすぐに打つのは、結局のところ『誰かのために心を込めて握る一握りのおにぎり』なのだと!」


「お、いいこと言うじゃねえか。その調子で明日の朝の仕込みも頼むぞ」

「はっ、任せてください!」


そこに、表の扉が「カランコロン」と軽い音を立てて開き、元・次元の魔神であるゼクシードが、買い物袋を両手に抱えてヒョコッと顔を出した。

「みなさん、お疲れ様です。近所の市場で、今夜のまかない用の新鮮な梅干しと、極上の塩を仕入れてきましたよ。主、今夜は何を握りましょうか?」


「そうだな……特別な魔法も、神界の秘宝もいらねえよ。今夜は、いつもの『黄金こまち』で、極上の塩むすびを腹いっぱい食おうぜ」


零のその一言に、ルルもリュシアンヌもゼクシードも、パッと満面の笑みを浮かべた。

「はいっ!」


王都の片隅にある、ちっぽけで、しかし全次元で一番美味いおにぎりを出す小さな店。

かつて地球からこの世界へ飛ばされ、面倒な神様や魔王、さらには神界の神々までをも「塩むすびの旨味」でひれ伏させてきた男――小橋零は、今日も一番星が輝き始めた夜空の下で、家族のような仲間たちと共に、そっと白いご飯を手のひらに乗せた。


ふわり、と湯気が立ち上る。

ギュッ、と絶妙な力加減で三角の形が整えられる。


「いらっしゃい、今日も最高の一日が終わりに近づいたな。さあ、うまいおにぎりが出来上がったぞ」


誰に向かいうともなく呟いたその声は、温かい風に乗って王都の空へと優しく溶けていった。

神々すらも魅了した伝説のおにぎり処の物語は、これからも終わりなく、美味しく、最高にマイペースに続いていく――。


(おにぎり処・零、これにて本当に、完結!)

全3話の外伝、そして本編からお読みいただき本当にありがとうございました!

最強主人公の零が、おにぎりを通じて次々と周囲を巻き込み、最後は温かい仲間たちと穏やかな日常に戻っていく――そんなドタバタで美味しい物語を楽しんでいただけましたでしょうか。またどこかで、極上の塩むすびの香りが漂ってきたら、それが零たちのいる場所です。温かい応援とご愛読、本当にありがとうございました!

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