~プロローグ~ 過去の悪夢
夢だ・・・
コレは夢だ・・・
そう認識せざる負えない
だってアイツは死んだじゃないか
俺の目の前で、魔物の攻撃で
ただの一撃、その一撃で
頭からゆっくりと潰されて行ったじゃないか
目の前に揺らめいている女性の姿
俺より幾分か歳上の女性
俺が昔付き合っていた女性
俺が殺した女性
名前はアニ・ティス・ディフロー
顔はボヤけてよく見えないのに
口だけはハッキリと目に映る
声は聞こえない、でも何か話している
見覚えのある口の動き
その姿この状況に酷く覚えがある
あの日俺が塔の中で彼女を見つけた日
一糸まとわぬ姿で知らぬ男性と交合う彼女を見つけた時
その時の言葉、一言一句忘れもしない
未だに俺の心に大きな爪痕を残している
「誰がお前なんかを愛するの?Sランクパーティで名誉と金持ってるから近づいただけよ。この私と一瞬でも付き合えただけでも感謝するべきじゃないの?そんな事も分からないガキをどうして私が愛すの?」
俺に見つかった時の彼女の言葉
今も俺の心を蝕んでいる
初めてできた彼女という存在に舞い上がっていたのは事実だろう
当時の俺は女性経験など当然なかったし、何より恋愛感情などまだ持ち合わせていなかった
ただ好いてくれた相手に俺の出来うる限りを尽くそうとそう思っていた
その結果がコレだ
塔のそれなりの階層で強い魔物もそれなりに出るところだった
そんな所であんな事をしていれば当然とも言える結末
あの場に現れたミノタウロス型の超大型の魔物
その拳、その一発で俺の元彼女と交合っていた相手は辺り一帯に血を撒き散らしながら地面のシミとなった
その後俺はどうしたのだろうかあまりにも記憶が曖昧で朧気だ
塔の魔物は血が出ない
でも俺は返り血に染まっていた
目の前で潰された2人分の返り血
意識がハッキリする頃にはもう何も残っていなかった
魔物の姿も、潰され原型の無くなった2人の遺体も
目の前で裏切られ、失って暴れた挙句
俺は
神至 力人は
心を喪った様に無気力となり女性が怖くなってしまった




