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奇跡はないけど魔法はある

ネタが少なくて死にそう

もうスローライフ要素ないよ?タイトル詐欺…でもないな、多分、きっと、恐らく、メイビー

 グシャリ、バキりと物騒な音が響く。


 水しぶき(赤色)が飛び、汗(赤色)が光り、地面には雨上がりのように水溜まり(赤色)が点々と続く。

 勿論全て血液なのだが、その中に人間のものは含まれていない。

 リールがスーパーに売っているネギのように細切れにした魔物達のものであり、魔物おろしにされた彼らの血である。


 尚効果音は間違っていない、あれで正解である。

 斬ると言ってもリールにそこまでの腕はないので、叩き斬る感じになっているのだ。

 魔物おろしも同様に力づくであるため、シャリシャリと綺麗な音はしない。


 ともかく、戦場は正に地獄絵図。さしずめ魚を捌いた後のまな板と言ったところ。

 美少女の血みどろ戦闘という一部の特殊な人(変態)に刺さりそうな場面だが、幸か不幸かここに彼女以外の人間は居ない。


「飽きた」


 あろう事か本来命をかける戦闘に飽きたと宣うリール。確かに迫り来る魔物や魔獣を魔法で淡々と轢き殺していくのは、とてもつまらないだろう。

 だがしかし、戦場には人は居なくても、彼女の遥か背後では通常スペックの兵士達が負傷を抱えて待機しているのだ。

 幾ら興味が無いとはいえ、見殺しにするのはリールとて気が引ける。でもこの作業を続けるのは彼女には無理だ。

 ならどうするのか。


「あっ、そうだ」(唐突)


 リールが呟いたその瞬間、眼前に広がる魔物の群れの中心にバチリと火花が散る。

 ドゴーンという爆音と共に魔物と魔獣を吹き飛ばし、地形すら変形させる。

 ちまちま殺るのが面倒なら、まとめて殺ればいい。単純であるが、リールの頭が足りなかったせいで思いつかなかった方法。


「スッキリしたね!」


「…やってくれおって」


 晴れやかとは言えないがそれでも笑顔で感想を言った直後、耳障りな不協和音が耳に入る。


 何もない空っぽな草原()()()ところから現れたのは、明らかに人ではない何か。

 ボコボコと音を立てて容姿が毎秒入れ替わり、体も一定の形を取っていない。

 唯一その低い背丈だけは変化していないが、微々たる問題だ。


「気持ち悪いな…」


「ふん、我からすればお前の方が気色悪いわ」


「女の子に向かってそれは酷くない?」


「知らんわ。幾らでも傷つけ、幾らでも苦しめ。お前さえ居なければ、計画を完遂出来たというのに」


「…あ?」


 グニョグニョと不定形な口から飛び出したのは、リールをして聞き捨てならない情報。


「…まあいい。お前が貼ったのであろう結界のせいでケールが落とせないのは不満だが、それ以外は終了している。全戦力を集中させるのみだ」


 辛うじて手だと分かる部位を振るう怪物。

 虚空から滲み出るように現れたのは、幾つかの人影と無数の魔物や魔獣、それに外異(異形)


 外異含む雑魚はリールには通用しない。その代わりにとでも言うのか、人影からは相当な魔力が感じられる。


「ああそうだコイツもおまけだな」


 どうやって音を出しているのか、パチンと指を鳴らす。

 黒い渦と共に登場したのは、リールも知っている人物。なんならさっき冷たくあしらった同級生。


「さあお前は、友をその手にかけられるのかな?」


 推定操り人形にされた、努力家のダージ君であった。


「そういうお約束要らないから」


 リールは真顔で言い放った。


 ──


 なるほど、凡才と天才。その二つの対比はよくある展開だ。

 リールは自覚がないが天才であり、ダージは凡才。ライバルかどうか怪しいが、少なくとも対比としてはギリギリ成立していると言えなくもない。


「嫉妬というのは非常に扱いやすい。少し増強させてやれば、直ぐに理性を吹きとばせる」


 勝手に語り出す怪物。続々と死亡フラグを立てつつあるが、残念ながら本人は気づいていない。


 元の肌色は見る影もなく黒く染まり、わかりやすく闇堕ちしているダージ。黒目と白目は反転し、目を凝らせば瞳孔が広がったり閉じたりと気色悪い状態になっている事が確認できる。


 唐突にだらりと下げていた腕を振り上げたダージは、その手に持つ剣をリールに叩きつけようと突進する。それに合わせて後ろの人影や魔物達も動き出し、本来なら限りなく不利な状況となった。


(殺すのは簡単だけど、生かした方がいいだろうなー。クラスの皆心配してたし。めんどくさいなー)


 生き死にがかかっているというのに呑気な思考回路なリールは置いておきたいところだが、悲しいかな、襲われている本人なためほっておくことが出来ない。


「うーん。こんぐらいなら耐えるよね?」


 突如として強烈な衝撃波が発生し、群団を襲う。

 ソニックブームと呼ばれるそれは、規格外の魔力に増強され、迫り来る肉の塊を木っ端微塵に粉砕する。

 彼女の魔法に過程が伴わないのはいつものことだが、衝撃波を衝撃波単体で作り出しているのは意味が分からない。というかもはやそれはソニックブームではないだろう。ただの衝撃波だ。


「ぐぅ…アァああ…」

「うん。ちゃんと生きてるね」


 闇堕ち展開の場合、心を通わせたり、自分の思いを伝えることで正気に戻すのが通常である。

 だがリールは彼と特に絆を育んでいないし、正攻法で治そうとすると時間が掛かり面倒臭いという致命的な問題がある。


 よって彼女が取る方法は至ってシンプル。

 そう、力づくだ。


「流石に『治れ』だけじゃ無理だよね」

「ゥ…あ、あ?」

「ウッソだろお前」(呆然)


 やはり魔法…!魔法は全てを解決する…!

ほんま『魔法』便利

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