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天井からトラックが降ってきたので、100円ショップスキルで異世界を生き延びます  作者: 月神世一


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EP 11

100均チート爆発! 超巨大『ハバネロBBQ』決戦

「次なる宴会のメインディッシュは、極上のポークBBQだ!!」

僕の突拍子もない宣言に、パニックになっていたエルフたちも、臨戦態勢だった妻たちも、そして突進してきていたカラミティ・ボアすらもが一瞬ポカンとした。

「BBQ……? バーベキューとは何ですの?」

「分からないけど、太郎様が『食べる』と言っているのだから、食べるのだろう」

サリーとライザが顔を見合わせている間に、僕は空中に展開したスキルウィンドウを凄まじい指さばきでタップした。

「出てこい! 僕の切り札!!」

ピピッ!という電子音と共に、上空から大量の赤い小瓶と、巨大な金属製の網が降ってきた。

僕が購入したのは、100円ショップの調味料コーナーに売っている**『超激辛デス・ハバネロソース』を100本と、レジャーコーナーの『伸縮式・巨大バーベキュー網』**だ。

「ライザ! ヒブネさん! 奴を斬る必要はない! 押さえつけて、その巨大な口をこじ開けてくれ!!」

「口を!? 承知しましたわ!」

「えっ、あ、はい!」

僕の指示に、ライザは長剣を鞘に納め、なんと素手でカラミティ・ボアの正面へと回り込んだ。

「ブモォォォォッ!!」

魔猪が巨大な牙でライザをカチ上げようとするが、ライザは無造作にその二本の牙を両手でガシッと掴んだ。

「ふんッ!!」

ズズズズズッ……!!

ライザの細腕が信じられないほどの闘気を放ち、小山のような魔猪の突進を完全に受け止め、あろうことか力業で押し返し始めたのだ。

「ヒブネさん! 今ですわ!」

「は、はいッ! 槍よ、我が梃子てことなれ!」

ヒブネが魔猪の口の端に白銀の槍の柄をねじ込み、全身のバネを使って体重をかける。

ライザの規格外の怪力と、ヒブネの槍のてこの原理により、カラミティ・ボアの巨大な顎がメリメリと音を立てて強制的に開かされた。

「ブ、ブギュウゥゥゥゥ!?」

魔猪の喉の奥まで丸見えになった完璧なストライクゾーン。

僕は、キャップを開けた大量のハバネロソース100本をインベントリの力で空中に浮遊させ、一気に魔猪の口の中へ向けて発射した。

「食らえ! 現代の『痛覚兵器カプサイシン』だ!!」

ドバドバドバドバァァァッ!!!

真っ赤などろどろの液体が、容赦なくカラミティ・ボアの喉の奥深くへと注ぎ込まれる。

タバスコの数百倍とも言われるハバネロの刺激。それが100本分、原液のまま粘膜に直撃したのだ。

「――ッ!?!?!?!?!?」

カラミティ・ボアの動きが、完全にフリーズした。

血走っていた目が、さらに限界まで見開かれ、白目を剥きそうになっている。

「今だ! 二人とも離れて!!」

ライザとヒブネがパッと手を離した瞬間。

「ブギィィィィィィィィィィィィィィィッッ!!!!!」

森の木々の葉を全て落とすほどの、鼓膜が破れそうな大絶叫が響き渡った。

魔猪は口から大量の炎と煙を吹き出しながら(物理的に火を吹くほどの辛さだったらしい)、地面を転げ回り、自身の頭を何度も大木に打ち付けた。

「な、なんだ!? 魔獣がもがき苦しんでおるぞ!?」

「太郎さん! あの赤い液体は、一体どんな猛毒なのですか!?」

ヒブネが震え上がって僕に聞くが、僕は首を振った。

「毒じゃないよ。ただの『激辛調味料』さ」

「げ、激辛……?」

ドスゥゥゥン……!!

数分間、森を破壊し尽くす勢いで暴れ回っていたカラミティ・ボアは、ついに辛さによるショックで完全に泡を吹いて気絶し、巨大な地響きと共に倒れ伏した。

Aランクの災害級魔獣が、「辛すぎた」という理由でK.O.された歴史的瞬間である。

「よし! 下ごしらえ(気絶)は完了だ! サリー、仕上げを頼む!」

「はい、太郎様! お任せください!」

僕は気絶した魔猪の上に、100均の『伸縮式・巨大バーベキュー網』を被せて固定した。

サリーは杖を構え、火の精霊に語りかける。

極大魔法で吹き飛ばすのではない。料理人・太郎の妻として、完璧な「火加減」をコントロールするのだ。

「火の精霊よ、優しく、そして中までじっくりと! 『極上ロースト・フレイム』!!」

ボォォォォォォォォォン……!

サリーの杖から放たれた炎が、魔猪を包み込む。

その炎は周囲の田んぼや森には一切燃え移らず、ただ網の上の魔獣だけを的確な温度でこんがりと焼き上げていく。

ジュワァァァァァ……!

やがて、森の中に「致死量の美味しそうな匂い」が充満し始めた。

ハバネロソースの辛味成分が熱で飛び、程よいスパイシーな香りと、分厚い豚肉の脂が焦げる最高に暴力的な香りが、エルフの里を包み込む。

「こ、これは……」

「先ほどの『ミソ汁』を遥かに凌駕する、強烈な匂いじゃ……!!」

長老をはじめ、隠れていたエルフたちが、ヨダレを滝のように流しながらフラフラと集まってきた。

「さぁ、皆さん! お米の恩返しだ! 伝説の魔獣の、極上ポークBBQの完成だよ!!」

僕が網の上でこんがりと黄金色に焼き上がった巨大な肉の塊を切り分けると、溢れ出す肉汁に里中から大歓声が上がった。

絶体絶命のピンチは、100円のハバネロソースとBBQ網によって、最高に美味しい「宴の準備」へと見事にすり替わったのだった。

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