第41話:深淵に還る(エンド・オブ・プログラム)
中央塔が大きく揺らぎ、足元から崩壊が始まる。システムの暴走による電子の悲鳴が空間を裂いていた。
「……ハヤト、行け。この塔の全エネルギーが逆流している。あと数分で、帝都ごと消し飛ぶぞ」
レオは崩れ落ちた床に座り込み、自身の体に食い込んだケーブルを一本ずつ引きちぎった。彼の体からは火花が散り、その瞳にはかつての、自信に満ち溢れた好敵手の輝きが戻っていた。
「レオ、まだ間に合う。サキとピピが外部からバイパスを作れば、お前の意識を切り離せる」
「……無駄だ。俺の脳はもう、システムの核と融解しちまっている。俺がここに残り、逆流する魔力を『自分の中』に封じ込める。……それが、敗者としての唯一の、そして最高の責任の取り方だ」
中央塔が崩れ落ち、白光がすべてを呑み込んでいく。
「ハヤト、お前が作る『不細工な平和』、あの世から見物させてもらうぜ。……あばよ、唯一の理解者」
ハヤトがリッカに引きずられるようにして脱出した直後、帝都の中央塔は音もなく光の柱となり、天へと消えた。
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