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銀狼(シルバーファング) 〜牙なき仔狼の異世界戦記〜  作者: beens
第1章:牙なき潜伏者

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第40話:終焉のトリガー(シンギュラリティ)

 中央塔の最上階。吹き抜ける突風が、火の粉と硝煙を巻き上げる。

ハヤトが構える「零式・深淵」と、レオの背から伸びる四本の魔導アーム。沈黙の中に、二人の転生者の「意志」が火花を散らしていた。

「……ハヤト。貴様がこの世界のシステムを拒絶したのは、単なる感傷か? それとも、俺という『完成された強者』への反抗か?」

レオの背後で、完成したばかりの魔導爆弾が脈動を速める。

「反抗だと? 買い被るな、レオ」

ハヤトは銃身を微動だにさせず、冷徹に言い放つ。

「お前の正解は、ただの『模範解答』だ。神か何かが用意したルールの上で踊っているに過ぎない。俺は……そんな退屈な台本を書き換えに来ただけだ」

「……ならば、力ずくで書き換えてみせろ!」

レオの咆哮と共に、四本の魔導アームが音速を超えてハヤトを襲う。ハヤトはピピの演算を自身の神経に直結し、コンマ数秒先の「死線」を読み切りながら、最小限の動きでそれを回避した。

「今だ、サキ! レオの精神に『俺の過去』を叩き込め!」

ハヤトが選んだのは、物理的な破壊ではない。同じ「元帥」として戦場を駆けてきた自分たちの記憶を、レオのシステムに過負荷として流し込む「精神的なジャミング」だった。

「……なっ、これは!? 貴様の記憶だと……!?」

レオの動きに一瞬の停滞が生じる。その刹那、ハヤトはレオの懐へと飛び込み、「零式」の銃口をレオの胸部に埋め込まれたシステムの中核へ押し当てた。

「……チェックメイトだ、レオ」

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