第228話「新年の集い」
年の瀬、薬草園には、次々と懐かしい顔が集まってきていた。
「エリーゼ様、遅くなりました!」
真っ先に駆けつけたのは、ソフィだった。
「ソフィ……! 元気そうで何よりです」
私が抱きしめると、ソフィは涙ぐみながら笑った。
「学び舎の講師の仕事、順調です。……皆さんに、ご報告したいことも」
その言葉に、私は興味深く耳を傾けた。
「実は、来年から、新しい分校の責任者を任されることになりました」
「まあ……! おめでとうございます」
私が驚いて言うと、ソフィは誇らしげに頷いた。
少し遅れて、リナも夫となった護衛騎士とともに訪れた。
「エリーゼ様、ご無沙汰しております」
リナの隣に立つ男性は、実直そうな佇まいをしていた。
「初めまして。……リナの夫の、ガレスと申します」
その丁寧な挨拶に、私は温かい気持ちになった。
「リナを、よろしくお願いします」
「もちろんです。……彼女は、私の誇りですから」
その言葉に、リナが照れくさそうに頬を染めた。
夕方には、王都からアルヴィン様とフィオナ様も到着した。
「賑やかな新年になりそうだな」
アルヴィン様が、周りを見渡しながら微笑んだ。
「実は、私たちも報告があります」
フィオナ様が、そっとお腹に手を当てた。
その仕草に、私はすぐに気づいた。
「もしかして……!」
「ええ。……来年の夏に、生まれる予定です」
その報告に、その場にいた全員が歓声を上げた。
「おめでとうございます!」
私が心から祝福すると、アルヴィン様は照れくさそうに頷いた。
夜、薬草園の中庭に、みんなが集まった。
エリナは、久しぶりに会うソフィやリナに、人見知りせず駆け寄っていった。
「みんな、大好きです!」
その無邪気な言葉に、大人たちは思わず顔をほころばせた。
フェンが、静かにその輪を見つめていた。
「良い年だったな」
フェンの呟きに、私は静かに頷いた。
「はい。……本当に」
鐘の音が、新しい年の訪れを告げていた。
この温かい繋がりが、これからも続いていくことを、私は静かに願った。
(第229話へ続く)




