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仲立ち

数日後、アルヴィン殿下から手紙が来た。


短いが丁寧な文面だった。


——カイルと話がしたい。でも、どう切り出せばいいかわからない。力を貸してほしい。


その手紙を、私はしばらく見ていた。


あの完璧な王太子が——弟との話し方がわからない、と書いている。


それは何より、本物の心の証だった。



私はすぐに返事を書いた。


——では機会を作りましょう。私が間に立ちます。


そして、その夜カイルに話を切り出した。


「カイル。——お兄様と会ってみませんか」


カイルがはっとした顔をした。



「兄と」


「はい」と私は言った。「お兄様が、あなたと話したいと言っています」


「……兄が、そう言ったのですか」


「ええ。手紙をもらいました」


カイルがしばらく黙っていた。


信じたい気持ちと、まだ怖い気持ちが揺れていた。



「カイル」と私は言った。「無理にとは言いません。でも——一度だけ会ってみませんか。何も起こらなくてもいい。ただ顔を合わせるだけでも」


カイルがゆっくりと頷いた。


「……わかりました」と、彼は言った。「兄が、その気なら。——俺も向き合います」



会う場所は——あの墓地にした。


アンナさんの墓の前。


二人の思い出が始まり、そして途切れた場所。やり直すなら、そこがふさわしいと思った。


私は二人をその場所に導いた。


そして少し離れた場所で見守った。



春の午後だった。


墓地に二人の兄弟が立っていた。


アルヴィン殿下とカイル。


久しぶりにちゃんと向き合う兄と弟。


最初は——二人とも何も言えなかった。



長い沈黙があった。


先に口を開いたのは、アルヴィン殿下だった。


「……カイル」と、彼は言った。「久しぶりだな」


「……はい」とカイルが固い声で答えた。


まだお互い距離があった。当然だった。長い年月の溝があった。



アルヴィン殿下が墓石を見た。


「……アンナの墓だ。覚えているか」


「覚えています」とカイルは言った。「子供の頃、よく一緒に来ました」


「ああ。——アンナは、お前のことも可愛がっていた」


「はい」



また沈黙があった。


アルヴィン殿下が深く息を吸った。


そして——絞り出すように言った。


「……カイル。すまなかった」


カイルがはっとして兄を見た。



「お前に、ずっとひどいことをしてきた」とアルヴィン殿下は言った。「冷たくして、突き放して。お前の妃を陥れようとした。——本当にすまなかった」


「兄上……」


「アンナが死んでから、わたしは心を閉ざした」とアルヴィン殿下は続けた。「もう誰も失いたくなくて。誰も愛さないようにした。——お前のことも、その中に含めてしまった」



カイルが何も言えずに立っていた。


その目が潤んでいた。


「お前は」とアルヴィン殿下は言った。「ずっとわたしを待っていてくれたそうだな。昔のわたしを。——エリーゼ妃から聞いた」


「……はい」とカイルは震える声で言った。「ずっと待っていました。兄上が戻ってくるのを」



「待たせて、すまなかった」とアルヴィン殿下は言った。「こんなに長く——待たせて」


その時。


カイルの目から涙がこぼれた。


いつも冷静なカイルが——子供のように泣いていた。


「兄上!」と、カイルが言った。「俺は——俺は、ずっと兄上が好きでした! 変わってしまっても、ずっと——!」



アルヴィン殿下が一歩近づいた。


そして——昔のように。


弟の肩に手を置いた。


「……知っている」と、彼は言った。「お前は優しい子だった。昔から、ずっと。——わたしが、それに応えられなかっただけだ」



「兄上」とカイルが言った。「もう一度——もう一度、兄弟に戻れますか」


アルヴィン殿下がゆっくりと頷いた。


「……ああ」と、彼は言った。「時間はかかるかもしれない。すぐには元には戻れないかもしれない。——でも、やり直そう。少しずつ」


「はい!」



二人が墓石の前で向き合っていた。


二十年近い溝が——今、少しずつ埋まり始めていた。


完全には元通りにならないかもしれない。長い年月の傷は簡単には消えない。


でも——二人は、もう一度歩き出した。


兄と弟として。



私は少し離れた場所で、その光景を見ていた。


胸が温かかった。


誰も傷つけずに。誰も貶めずに。——ただ、しまい込まれた心を取り戻す。


それができた。


ざまぁでも復讐でもなく——救済が。



その時、後ろから声がした。


「……よくやった」


振り返ると——フェンがいた。


私が墓地に来ることを知って、ゆっくりと後を追ってきたらしかった。


「フェン。来ていたのですか」


「ああ。——お前の晴れ舞台を見逃すわけにはいかん」



「晴れ舞台、ではありません」と私は言った。「主役は、あの二人です」


「いや」とフェンは言った。「あの二人を引き合わせたのは、お前だ。——お前は、また一つ凍った心を溶かした」


春の風が墓地の花を揺らしていた。


兄弟の新しい一歩を祝福するように。


アンナさんの墓の上で、供えられた焦げた菓子が春の日差しを浴びて、静かに温かそうに見えた。


(第115話へ続く)

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