転生記録3
気がついた時には傷だらけで地面に倒れていた。そこそこ傷は深く、深い切り傷から血が出ていた。
「うっ、俺は・・・・ここで死ぬのか・・・・」
剣人はぼそりと呟く。
辺りには剣人が倒した四匹の狼が倒れているが、剣人にはそれを確認することすらできない。
唯一、剣人が認識できたことは剣を右手ではなく左手で持っていたことだけだった。
「ひゃっ、だ、大丈夫ですか?」
誰か女の人の声が聞こえる。しかし、剣人はその人の方を見ることすらできない。
「ちょっと待ってくださいね。今治療しますから。」
ボロボロで倒れ込んでいる剣人はその言葉を呆然と聞くことしかできない。いざ死にかけると色々な感情が抜け落ちるのだろうか。
「いきます。スキルーー」
ー{回復属性魔術(小)}ー
彼女がそう唱えた途端、剣人の傷が癒やされていくのが分かる。朦朧としていた意識もはっきりしてきた。
「う、痛たたた。」
「あ、大丈夫ですか?」
剣人を治療してくれた彼女は心配そうにこちらを見てくる。
「傷が消えてる。痛みも引いてる!!」
「私の回復スキルで傷は癒やしました。大丈夫でしたか?」
「あ、ごめんなさい。ありがとうございます。」
剣人は一度冷静に状況を見る。周りには四匹の狼が倒れており、どうやら自分が剣を使って倒したのだと理解した。
あの時の剣人は無我夢中になって戦っており、そこら辺の記憶が少し曖昧なのである。
「にしてもあなた、この"空斬狼・ウルフ"にやられたんですか?しかも四匹に。」
「空斬狼・ウルフ?もしかしてこの狼の名前ですか?」
空斬狼・ウルフという名前を聞いた剣人は少し戸惑う。しかし、名前にウルフと入っていることからも、この狼のことで間違いはないだろう。
「はい。・・・・でもこの四匹の空斬狼・ウルフ、一体誰が倒したんだろう?他の人が通ったような痕跡は一切無いし。」
「あ、多分その狼四匹倒したのは僕です・・・・。」
「え!!!この空斬狼・ウルフ四匹を一人で倒したんですか?」
彼女は剣人の言葉を聞いて、とても驚いている。
・・・・正直一番驚いているのは剣人自身なのだが・・・・
「あなた結構強いんですね・・・・。失礼ながらランクとかって教えてもらえます?」
「ランク・・・・?」
剣人は戸惑ったが、もしかしてこれかなと思い出し、ステータス画面を開いてみる。
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ケント
ランク1
力量:200
耐久:100
俊敏:100
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生成武器
「金属の剣」
金属で作られている剣。特別な力などは無い。
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スキル
「なし」
技量:0
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「えーと。ランクは・・・・1って書いてあります。」
「ランク1?!!嘘でしょ。」
彼女は驚愕した。正直俺にはランクの基準というのはよく分からない。・・・・がゲームとかはやっているため、1は低いのだろうというのはなんとなく理解できる。
「・・・・とりあえずどこか人が集まっている・・・・町とかに行きたいんですけど・・・・。分かります?」
「・・・・町の場所が分からないの?分かったわ、案内する。私はマーリ・ナチュラリア。よろしくね。」
彼女はマーリ・ナチュラリアと名乗った。外国っぽい名前だなと思ったが、ここは異世界なので自分の国の常識は当てはまらないのだと思い直す。
あれ、そういえば日本語は通じてるな・・・・。
「あ、僕は金打剣人です。よろしく・・・・。」
「えーと、カネウチ・ケント?カネウチって名前なの?」
「いや、剣人の方が名前です。」
「え?名前の方が後ろに来るの?一体あなたどこ出身?」
「えーと、実は・・・・」
剣人はこれまでの成り行きを彼女に説明した。
「えーとつまり、ケントはこことは違う別の世界から来ていて、帰り方もこの世界の常識もよく分からないと。」
「・・・・というよりは全く知らないです。」
彼女は頭をひねって悩んでいる。ああ、見ず知らずの人に話すようなことじゃなかったかな。
「分かった。とりあえず町まで案内する。着いてきて、ケント。」
「あ、えっとありがとうございます。・・・・えっとナチュラリアさん。」
「マーリでいいよ。見たところ同い年くらいみたいだし敬語もいらないよ。」
「あ、じゃあありがとう、マーリ。」
「うん。」
こうして剣人はマーリによって町まで案内されることとなった。
マーリに案内されて、剣人は町まで案内された。
「着いたよ。ここがこの国一番の都市、大王都中央都市だよ。」
「大王都中央都市・・・・」
俺は本当に異世界に来たのか・・・・。ファンタジー世界でしか見ないような街が広がっている。とりあえずは町まで行くという目的は果たされた。
「ところでケントは何処か行く宛はあるの?」
「えっと・・・・」
剣人は頭を捻って考える。・・・・が、もちろん初めて来た異世界に行く宛などあるはずがない。と言うか二度も来るような場所じゃない。
「・・・・無い、よね。実はケントにお願いがあるの。」
マーリは剣人になにかお願いがあるらしい。
「どうしたの?」
マーリは少し間を置いて答えた。
「・・・・私とパーティを組んでほしいの。」




