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お願いは転生です  作者: エノナイ
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転生記録2

「どうか異世界へと転生してくださいませんか?」


「・・・・はい?」


告白されるか恨まれているかのどちらかだと思っていた剣人は唖然とした。


・・・・一度冷静に考え直すこととしよう。告白された訳でも恨まれている訳でもない。異世界に転生しろだとか言われている。


ははーん。つまりこれはいたずらだ。告白だと思わせといて『はい、ちがいました~。ドッキリ大成功~』とか言って俺を辱めようとしている訳だ。


「あの、剣人君。異世界への転生、同意してくださいますか?」


彼女は俺が異世界に行くかどうかの確認をとっている。


ここで『いや、ドッキリだろ。俺に恥かかせようったってそうはいかないぞ。』とか言うとここまで丁寧に演技してくれている彼女にはとても申し訳ないような気もする。


よし、ここは恥をかくことにしよう。


「分かった。俺は異世界に行くよ。まかせてくれ。」


我ながら結構自然なかんじに演技できた気がする。


「本当?!ありがとう。今準備するね。」


ドッキリの種明かしはまだなのかな?結構時間が掛かりそうだな。


彼女はなにやら本を取り出した。何語だろうか、少なくとも学校で習いはしない言語だろうな。見たこともない文字だ


「転移の書物よ。我の呼びかけに応え、彼を別世界へと転移させよ。」


結構本格的にやるんだな。そんなことを呑気に考えながら眺めていた。


すると視界の下の方から黄色っぽいような白っぽいような明るい光が見えた。


視線を足元に移すと、光は自分の真下から出ていることに気付いた。


「え、ちょっと待って。これ本当に異世界に転移・・・・」


「それじゃあ、いってらっしゃい。」


彼女がそう言った瞬間、剣人は光の方へと落下した。


「う、嘘でしょ、うわああああああああ」










結構深い穴に落ちたような感覚、かなりのスピードで落ちている気がする。これ地面に落ちたら俺の体バラバラになっちゃうよね。


そして遂に俺の体は地面へと倒れ込んだ。ただ、普通に落ちたのとは違う感覚。なんだろう、落ちた方向とは反対の方向から地面に触れた、まるで地面が被さってきたような感覚。凄く気持ち悪い。


「いたたたた。こ、ここは・・・・」


剣人は起き上がると周りを見渡した。足元には草が生えていて、フワフワしててちょっと立ち心地は良いかも。


木はまばらに生えていてちょっとした林って幹事かな。


そして俺はなぜか剣を片手に持っている。


「あれ、なんで俺は剣を持っているんだろう。」


しかも竹刀や木剣のようなものなら良かったのだが持っているのは本物の金属でできている剣。


不思議に思っていると、目の前に文字が書かれている何かが出てきた。




ーーーーーーーーーー

ケント


ランク1


力量:200

耐久:100

俊敏:100

ーーーーーーーーーー

生成武器


「金属の剣」


金属で作られている剣。特別な力などは無い

ーーーーーーーーーー

スキル


「無し」


技量:0

ーーーーーーーーーー




つまりこの持っている剣はよく分からないけど俺が生成している剣ということだろうか。


にしてもコレってようするにRPGのパラメーターみたいなものだよな。いくらなんでも項目少なすぎん?


「・・・・とりあえず、どこか人の集まっている場所に向かわないとな。」


こんな草しか生えてないような場所にいたって何もすることなんてない。とにかく元いた場所に帰る必要があるのだ。


適当に足を運び、林を抜けると木の全く生えていない草原のようなところに出た。


そのまま町はどっちだろうかと考えていると、草原の上で、何かが寝そべっているのが見えた。


あれは、狼だ。・・・・と分かった瞬間に狼と目が合い、狼が起き上がってこちらを睨んでくる。あっ、これヤバイやつだ。




「ウォン!!」


「うわああ」


狼がこちらに向かって走ってくる。やばい、このままじゃ噛み殺される。そう思った俺は狼とは反対の方向へ全速力で走った。


狼の方が脚が速く、更には崖の方へ剣人追い詰められ、逃げ場をなくしてしまう。


「しまった!!」


「グルルルル!!」


狼がこちらを睨みつけ、今にも攻撃を仕掛けてきそうな体制をとる。


剣人は自分の持っている剣を見つめる。


ここに剣があり、狼に襲われている。こうなってしまった以上戦うしか生き延びる道はなさそうだ。


「ガアアアア!!!」


狼が吠え、こちらに走って向かってくる。剣人は剣を構えて狼の方へ剣先を向ける。


「グルアアアア!!!!」


狼が口を開け、こちらに飛び掛って来る。


剣人は剣道の胴の要領で狼の頬から口元にかけて切り裂く。


「グルァ!!」


顔を切り裂かれた狼は後ずさりする。その隙を見逃さず、剣人は剣道の面の要領で狼の頭を切り裂いた。


「ギャイン!!」


狼は悲鳴を上げ、その場に倒れ込んだ。


剣人自身、剣を使って何かを切り裂いたことはなく、少し動揺する。


「はあ、はあ、こ、殺した・・・・のか。」


倒れ込んでいる狼を見下ろし剣人は呟いた。


だが、剣人は人の集まっている場所に向かう目的があることを思い出し、殺してしまった狼に申し訳無さを感じながらも、歩き始めた。




しばらく歩き続けると、何かの視線を感じた。


剣人は周りを見渡す。木々の間から何かの目がこちらに向いていることを理解する。


そして木々の間から何かが出てきた。


また狼だ。しかも一匹ではない。四匹だ。四匹の狼がこちらにゆっくりと近づいてくる。


「くっ、また殺るしかないのか・・・・。」


そう思って剣人はまた剣を構えるが、狼は尻尾を立ててこちらを向いたかと思うと、その尻尾付近から、白っぽい何かが飛んでくるのが見えた。


それを攻撃だと悟った剣人はなんとかそれを回避する。


その白っぽい何かは辺りの草に当たりそれを切り裂いた。


「と、飛ぶ斬撃?!」


狼はまたこちらを向いて尻尾を立ててくる。


「う、うわああああああ」


剣人は無我夢中で叫び、剣を構えて狼の方へ飛び込んでいった。

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