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お願いは転生です  作者: エノナイ
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転生記録1

金打剣人(かねうちけんと)、高校2年生



クラスの中にいるそいつは成績はずば抜けて高いということはなく、平凡程度くらいだろうか。


だが、彼の父親は剣道の道場を開いており、昔から父親から剣道を教わっていた彼は剣道部のエースとして大会で活躍していた。


「表彰。金打剣人どの。あなたは以下の成績を収めたためこれを評する。」


このように学校から表彰されることも少なくなかったため、彼の知らない人物が彼のことを知っていることも多々あった。


さらに、彼は人に対して優しく、喧嘩などの仲裁をすることも多々あり、クラスの人気者では決してなかったが、クラスで浮くこともないくらいの人望はあった。





剣人は学校に向かおうと、身支度をしていた。一年以上も着続けている服はさすがに着慣れている。


「それじゃあ、行ってきます。」


母親などに見送られながら剣人は学校に着く。下駄箱まで行き、土足から上履きに履き替えようとした。


「ん?なんだろ、これ」


剣人は下駄箱の中に何かが入っているのを見つけた。ゆっくりとその中の物を取り出す。


「紙?手紙か何かかな。」


今時下駄箱に手紙を入れるやつなどいるのかとも思ったが、とりあえず内容を確認してみようと二つ折りにされている手紙を開いた。



ーー放課後に体育館の裏に来てください。ーー



手紙にはこう書かれていた。










剣人は教室のドアを開け、中に入る。


「みんな、おはよう」


「お、剣人おはよう」


「おはよ~」


クラスの皆は挨拶を返してくれる。その時剣人は手紙を手に持っていたため、案の定クラスの皆は手紙のことについて聞いてくる。


「ん、剣人。その紙はなんなんだ?」


「ああ、これ?なんか下駄箱に入ってたんだけど。」


クラスメイトに手紙を取られる。


「お、これってもしかして、いや、もしかしなくても告白なんじゃないか?」


「え、もしかしてどこどこに来て下さーい、ていう呼び出しの文章?」


クラスメイトの皆は勝手な想像で話を進めてくる。


「いや、まだそうと決まった訳じゃないだろ?もしかしたら決闘してくださいなんて言われるかもしれない。剣道部だし。」


「そうかそうか。剣人にも遂に彼女さんができるのか~」


「いや、勝手に決めつけんなよ。しかもお前だって彼女いないだろうがよ」


「おい剣人。それを言うんじゃない。」


全く。下駄箱に手紙が入っているってだけですぐに告白だとか決めつけてくる。


まあ俺の方もわざわざ決闘するのにこんな曖昧な書き方はしないだろうとか思って告白なんじゃないかなとか内心思っているんだけども。










放課後、部活に励んでいた俺は手紙のことが少し気になっていて部活に集中できずにいた。


「面!!」


「うわっ」


生半可な集中をしていたせいで、先輩から思いっきり面をくらってしまう。


「どうしたどうした剣人。学校で何度も表彰されている強者の戦い方とは思えないぞ~」


「あっ、すみません。」


いけないいけない。部活中くらいは手紙のことは忘れないと。


「剣人。なにか悩みでもあるんだったら言えよ。俺はお前みたいに表彰されたことは無いがこれでも先輩だ。後輩の相談くらいいつでものるぞ。」


「あっ先輩ありがとうございます。でも別に悩みとかそんな大事じゃないんで大丈夫です。なんか下駄箱に手紙が入っていただけなんで」


「手紙?一体どんなことが書かれていたんだ?」


恥ずかしながらも俺は手紙を見せることにした。


「ほほう、それは間違いなく告白だな。」


「いや、もしかしたら決闘を申し込まれるんじゃないかとも思ってちょっと不安で」


「ははは、こんな決闘の申し込みをする奴なんているか。お前が剣道めっちゃ強いのはこの学校では知れ渡っていることだし、そんなにお前と戦いたいならここに押入ればいいだろ。わざわざこんな手間かけて決闘しようとかする奴はいないさ。」


「そ、それもそうですよね」


先輩に言われて、考え直す。


やっぱりこれは告白のために呼び出されているんだよな。いや、でも俺女の子と接点あったことないぞ?剣道一筋だし。


いや、でもこの呼び出し方はやっぱり告白なんだよな。そう思うと余計に緊張する。





部活が終わったので、呼び出しを受けた体育館裏へと向かった。


俺は今から何を言われるんだろうか。


ー剣人君、私と付き合ってください。ー


いや、もしかしたら逆に恨まれてて


―金打剣人、何故呼ばれたか分かる?ー


とでも言われて何か責められるのだろうか。


「あ、金打剣人君?」


なんか考え事をしている間にその場についたらしい。


彼女の声を聞いた感じ恨まれている感じはなさそう。そこは少し一安心かも。


「え、えっと君は?」


「あ、私は姫歌麗華です。今回は剣人君にお願いがあって呼び出したの。」


お願い・・・・一体何をお願いされるんだろう。


「剣人君はとても素敵な人だと思います。他人に優しくて剣道も表彰されるほど上手で。きっとあなたほど素敵な人はいません。」


この言い回し、もしかして本当に告白なんじゃ・・・・


「なので剣人君・・・・どうか、どうか」


ゴクリ


「どうか異世界へと転生してくださいませんか?」


「・・・・はい?」

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