転生記録24
「どうか娘を連れ戻して来てくれませんか?」
宿屋の店主は剣人へとお願いする。
「分かりました!」
「ありがとうございます。これ、娘の写真です。」
「よし、ケント!急いで森に向かおう!」
「ああ。」
剣人とマーリはすぐに"トレアの森"へと足を運んだ。
「・・・・ここがトレアの森か。」
「結構緑で生い茂ってるんだね、この森。」
剣人とマーリは既に深い森を歩きながら、宿屋の店主の娘の写真を見ながら辺りを見渡す。
「・・・・今の所店主の娘さんどころか人っ子一人いないみたいだけど・・・・」
「おーい、宿屋の娘さーん、何処かにいないですかー?」
マーリが周りに叫ぶが辺りからの返事はない。
「・・・・駄目かな?」
その時、近くの茂みからガサガサっと音がした。
「っ!!・・・・そこに誰かいるのか?」
剣人が茂みに言った途端、茂みからゴブリンが飛び出し、剣人へと飛び掛って来る。
「ぐあああ!」
「・・・・なっ!」
剣人はゴブリンが振り回してきたナイフを剣で受け止め、そのままゴブリンを弾き飛ばす。
「ご、ゴブリン?あの茂みから出てきたのか?」
剣人は現れたゴブリンに対して剣を構える。ゴブリンは後方の茂みから仲間がぞろぞろと現れる。
「くっ、仲間がいたのか。しかも結構な数だな・・・・。」
「ケント!もしかしたらこのゴブリンたちは森全体で発生しているのかもしれない。早く娘さんを見つけておかないとやばいかも。」
「分かった。なるべくコイツらを早く片付けないと・・・・。」
「ぐあああ!」
剣人とマーリが話しているところにゴブリンが集団で攻め寄ってくる。
剣人はゴブリンのナイフを回避すると、ゴブリンの肩付近に強い斬撃を入れる。
「ぐあああ!」
肩に大きな切り傷を負ったゴブリンに対し、剣人は更に詰め寄って行く。
「面!!!」
剣人はゴブリンの頭部に正面から剣を入れに行く。怯んでいるゴブリンには回避できず、そのまま頭から真っ二つに切り裂かれてしまう。
「ぐぎゃあああ!!!」
「・・・・まずは一体。」
しかし、倒したゴブリンの後方にはまだ仲間のゴブリンがたくさんいる。残ったゴブリンたちは剣人とマーリを取り囲むように立ち位置を取り、攻撃の体制に入ってくる。
「マーリ!今度は集団で襲い掛かってくるぞ!気をつけろ!」
「分かった。」
マーリが返事をしたと同時にゴブリンたちは剣人たちへと襲いかかる。
「たあっ!」
ゴブリンたちの攻撃に剣人は剣で対抗をするが、ゴブリンたちの連携に翻弄され、剣人は防戦一方の状況を強いられる。
「・・・・胴!!」
隙を付いて一体のゴブリンの胴体に剣撃を入れていくが、同時に別のゴブリンの攻撃を受けてしまい剣人の胴体に切り傷が入ってしまう。
「うわっ!たあっ!」
マーリの方は襲い掛かってくるゴブリンたちを杖で薙ぎ払って対応していた。さすが長年冒険者をやっているマーリと思ったが、遂にはバランスを崩してしまい、地面へと尻もちをついてしまう。
「ぐぎあああ!!」
「キャー!!」
無防備となったマーリにゴブリンがここぞとばかりに襲い掛かってきた。それを剣人は見逃さずにマーリを攻撃しようとジャンプをしたゴブリンを空中にいるうちに水平切りで切り捌く。
「ぐえええ!!」
「ケント、ありがとう。」
ー{回復属性魔術(小)}ー
マーリはお礼を言うと同時に剣人に回復魔術をかけ、負傷した剣人の腕を回復する。
「ありがと、マーリ。けどこのままだとゴブリンたちを倒すことができないな・・・・。」
防戦一方を強いられ攻撃をする間も無かった剣人は少し考えると意を決して言った。
「・・・・ちょっと無茶な攻撃をするから俺が傷を負ったら回復魔術をかけてくれ。」
「え、ケント?無茶な攻撃って・・・・」
マーリが言い終わる前に剣人は持っていた剣を左利き持ちに持ち変えると、姿勢を低く構えたあとに一気にゴブリンの集団へと飛び込んだ。
「はああああ!!」
急に勢いをつけて飛び込んできた剣人に数袋ほどのゴブリンは対応することができずに、剣人の剣によって胴体を切り裂かれてしまう。
数体仲間をやられてしまったゴブリンたちは剣人を取り囲むと四方八方からナイフで襲いかかった。
「イダッ!ぐわあ!」
剣人は体にたくさんの傷を負いながらも、周囲にいるゴブリンたちに剣を思い切り振り回し、切り吹き飛ばす。
「・・・・マーリ、回復頼む!」
「う、うん。」
ー{回復属性魔術(小)}ー
剣人の体全体に付けられた傷はマーリの回復によって癒された。
残ったゴブリンが縦方向に並んだのを確認すると、剣人は思いっきりゴブリンたちに向かって走り出す。
「ぐあああ!!!!」
それに対してゴブリたちも剣人の方へと走り出す。
「・・・・三連続、胴!!!」
剣人は駆け抜けるようにゴブリンの胴体を切り裂いていく。
「ぐああ!」
「ぎゃああ!」
胴体を切り裂かれたゴブリンたちはその場に崩れ、絶命した。
「ぐあああ!」
その時剣人の真後ろから最後の一体が剣人目掛けて攻撃を仕掛けてきた。
「ケント!後ろ!!」
「たあああ!」
剣人は素早く剣を構え直すと、後方にいたゴブリンの心臓に素早い突き刺しを行った。
「があああ!」
心臓を刺されたゴブリンは絶命して倒れ込んだ。
「もおっ!ケント、最後のは危なかったよ。それに無茶苦茶な戦いをし過ぎだよ、ケント死んじゃうかと思ったじゃん。」
「ああ、ごめんごめん。こうでもしないと娘さんを見つけることができそうにないからさ。」
「そ、そうだ。早く探さないと!」
「グオオオオ!!!」
突如大型のモンスターらしき咆哮が森中に響きわたった。
「な、なんだ?」
「あっちの方向から聞こえたみたい。何かいるのかも。」
「・・・・行ってみるしかないか。行こう、マーリ!」
「うん。」
剣人とマーリは音の響きわたった方向へと走り出す。
するとそこには一体の大型モンスターと追い詰められている女冒険者がいた。
「あ、あれは・・・・」
すると大型モンスターは斧を振り上げ、今にも女冒険者に振り下ろしそうな体制を取る。
「ま、マズい!!!!」
剣人は素早くそこへ駆け寄り、大型モンスターが振り下ろした斧を剣で受け止めた。
「グオオオ!」
「ぐっ、重い・・・・。けど、・・・・たああああ!」




