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お願いは転生です  作者: エノナイ
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転生記録16

ジリリリリリリ!


目覚ましの音で剣人は目を覚ました。今まではそんなに早起きをしていなかったのだが最近は早起きして剣の素振りをすることが日課になっていた。


ーーあの時自分が帰れるかもしれない情報を少し得ることができたけど今のままでは冒険しているうちに死んでしまうことは目に見えている。この世界に来てから竹刀じゃなくてこの剣を使うことが多くなったしもっと使い慣れておかないとーー


「たあ!・・・・せい!」


一本一本を丁寧に素振りしていく。最近毎日この剣を振り続けたおかげか前よりも剣が軽く感じてきた。


「俺は他の冒険者と違ってランク1だからな・・・・。今の俺にできることは剣の鍛錬くらいだから念入りに鍛えておかないと。」


素振りを続けていると剣人のところにマーリがやってきた。


「ケント大変!ギルドから派遣命令が出てる!」


「派遣命令?」




剣人たちはギルドへと足を運んでいた。


ギルドの受付のお姉さんが今回のことを説明してくれた。


「今回、この大王都の隣にある国、プランター国が魔王軍による被害を受けているとの連絡が入りました。」


「魔王軍?」


よくファンタジー世界では魔王が出てきて国を攻めてくるのはお決まりのパターンだが・・・・この世界にもいるのか。


「詳しい話はプランター国で直接聞いてもらってください。」


「私たち以外にパーティはいますか?」


「もちろんです。複数のパーティを派遣していますのでその方たちと協力していただく形になります。」


複数パーティの協力か・・・・。あのドリアードの時を思い出すからなんか嫌な予感するな・・・・。


「ところでなんで急に俺たちを派遣する形に?まだ俺たちのパーティはできて間もないしもう少しベテランなパーティもいたと思うんですけど。」


「それは、プランター国の人たちと話し合った結果、上級冒険者のパーティを派遣させて何かあると重要な任務のときに困るとのことでどうでもよさそうなパーティを複数呼びましょうということになりました。」


「いや、どうでもいいパーティ言うなし。流石にそんな理由で命は賭けられないって。」


剣人はもはやこのクエストを受ける気は無かったがその剣人の様子を見て受付のお姉さんは言った。


「これはギルドからの直接命令なので拒否はできません。直ちにプランター国に行く準備をお願いします。」


「・・・・。」


剣人はこの理不尽さに呆れて何も言えなかった。




剣人とマーリはギルドが用意してくれた馬車でプランター国へとたどり着いていた。


「ここがプランター国か・・・・。」


「魔王軍によって困らされているって話だけど・・・・。とりあえずプランター国のギルド支部に行けばいいのかな?」


剣人とマーリは歩いてギルド支部へと向かった。


ギルド支部へ入ると受付の人が近づいてくる。


「あの、今回派遣されているパーティの天使と剣術者の人たちでよろしいですね。」


「あっ、はいそうです。」


受付の人の質問にマーリは答えた。


「それでは今から仕事内容の説明に入りたいと思いますのでこちらへ来てください。」


剣人とマーリは受付の人に連れられて広いところに出た。そこには剣人たち以外のパーティも集まっている。


「今回、あなた達4パーティに集まっていただきました。まず今回派遣してもらった理由ですが、プランター国は作物の栽培が最も進んでいる国で有名ですが、魔王軍によってこの国の作物が荒らされ、かなりの被害になっている状況が続いています。」


受付の人が今回集まった理由を説明してくれた。けど複数パーティって聞いたのに4パーティしか集まっていなかったのかよ・・・・。


「プランター国が荒らされている原因としてプランター国のすぐ近くに魔王軍幹部によってダンジョンが建てられそこからモンスターが発生して作物が荒らされている、ということですね。」


受付の人がここまで話すとどこかのパーティの一人が質問をしてきた。


「・・・・で?ここに集まった俺たちは何をすればいいってんだ?」


その質問に対して受付の人は冷静に答える。


「今回、集まってもらったパーティにはプランター国に残ってモンスターが来たら対処する役とダンジョンを制覇し破壊する役に別れてもらいます。それでそれぞれが行動して依頼をこなしてほしいわけです。」


「・・・・なるほどぉ。」


剣人はこの話を聞きながらもやもやとしていた。


ーーダンジョンを制覇するって話だけどここに集まっているメンバーはお世辞にも強そうなメンバーはいない・・・・。ダンジョンってそんなに楽に制覇できるのか?ーー


そんなことを考えていると話はいつの間にか進んでおり、剣人たち天使と剣術者はダンジョン制覇組に振り分けられていた。




「これがダンジョンか・・・・。まさか国のこんな近くに建っているなんてな・・・・。」


剣人は初めてダンジョンを見て驚いていた。ダンジョンは国の本当にすぐそばに建っており、モンスターが入り口から飛び出したらすぐにでもプランター国は攻められそうだ。


「・・・・で、あなたたちが今回一緒に来るパーティ、天使と剣術者ってわけね。」


すぐ近くにいた女の子が話しかけてきた。剣人は彼女を見ながら頭の中を整理する。


「えっと、君たちが今回俺たちと同行する・・・・」


「そ、ウインド・ガールズ。別に覚えなくてもいいけど・・・・。どうせ形だけの協力になるだろうし。」


彼女はまるで剣人にもダンジョンにも興味のなさそうなそっけない返事をする。


「ん?それってどういう・・・・」


「プランター国にできたダンジョンにもぐって対処をするだけなんだしよほどモンスターとの戦闘ができない人じゃないならどうってことはないはずよ。・・・・ダルいからさっさと終わらせましょ。」


彼女はそう言うがダンジョン制覇ってそんな楽なのか?と剣人は不安になってしまう。彼女も特に剣人たちときちんと協力するつもりはなさそうだ。まあ、ギガントウォールの人たちみたいに投げ出したりはしなさそうだが・・・・。


「こんなので、生きてダンジョンから帰ってこれるのだろうか?」


不安になりながらも剣人とマーリは彼女たちとダンジョンへと入っていった。

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