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お願いは転生です  作者: エノナイ
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転生記録13

「あれは、ドリアード?」


剣人は目の前の人形モンスターを目にした時そう呟いた。


「ふふふ。いかにも、私は植物を操る精霊、ドリアード。なかなか活きの良さそうな人間が来たわね。」


「こ、こいつ知性があるのか?」


剣人は剣を構えながら後ずさりする。そしてドリアードと戦うことに戸惑ってしまう。


ー知性があって対話が可能なモンスター。そんなのと戦っていいのか?ー


剣人が考え込んでいるとマーリが後ろから叫ぶ。


「ケント!戦うことを躊躇したら駄目だよ。あくまでもそいつは人間を襲うモンスターなんだから!」


マーリにそう言われて剣人は再びドリアードの方を見る。


「ふふ。あの小娘の言うとおり。戦わないのなら・・・・食べちゃうかもね。あの冒険者たちみたいに。」


「あの冒険者?!」


剣人は慌てて周りを見渡す。この場には沢山の冒険者たちがいるが、数人くらい数が合わない気がする。


「ま、まさか周りの冒険者たちも・・・・。」


「何人かは食べちゃった。何やらある一人の冒険者を食べたことによって沢山集まってきたみたいだけど」


「まさか、三匹の赤いネズミのリーダーもお前が食べたのか?」


剣人は剣を強く握りしめた。こいつはまともに対話できるやつなんかじゃない。冒険者だろうとなんだろうと人間を食べてしまうモンスターだ・・・・。


「マーリは周りの人たちを回復して避難させてくれ!俺はこいつをなんとかする!」


「分かった。気をつけて!」


「ふふふ。そんなにうまくいくかしらね!」


ドリアードが剣人に蔦を伸ばして攻撃してくる。


「・・・・っ!」


剣人はその蔦を切り裂き対処する。しかし蔦の攻撃は絶えず続き剣人に反撃させるスキをも与えない。


しかもその蔦の攻撃は激しすぎて、周りの人を回復しようとするマーリのところにまで飛んでくる。


「わわ、これじゃあ回復しようにもうまく近づけれない。・・・・っ!」


マーリは何かに気づいたかのようにある人のもとにまで駆け寄る。そしてその人を回復する。


ー{回復属性魔術(小)}ー


「ねえ、あなたも回復属性魔術師だよね。周りの人の回復を手伝ってほしいんだけど・・・・。」


マーリに話しかけられた魔術師はふらつきながらもなんとか応答する。


「・・・・え、ええ。私はランク3の回復魔術師だから数回スキルを使えばなんとかなると思う。」


「分かった。お願い。」


魔術師に頼み終えたマーリは再び周りの人の回復をする。魔術師の人もスキルを使って周りの人を回復させる。


ー{回復属性魔術}ー


魔術師の人のスキルで多数の冒険者が回復される。これならすぐにでも回復が終わりそうだ。


「す、凄い・・・・。」


マーリたちは周りの冒険者の回復をなんとか終わらせた。


「・・・・あのモンスターはヤバイッ!」


「は、早く逃げるぞー!」


回復された冒険者たちは一目散に逃げていく。


「えっ、ちょっとみなさん?」


「・・・・悪いけど私も逃げさせてもらうわよ。あのモンスターに食われて死ぬのはごめんよ。」


「え、ちょっと。」


回復を手伝ってくれた魔術師の人もマーリたちを置いて何処かへと逃げて行ってしまった。


「一体何をそんなにおびえて・・・・?」


「ぐっ!」


その時剣人が後退りしてきた。


「あの蔦の攻撃で近寄れない。マーリ、ちょっと無茶に突っ込むから回復の準備頼む。」


「えっ、ケント?」


「たあああ!」


剣人は勢い良くドリアードへと突っ込んでいく。


「ははは、気でも狂ったのかしら?そんな無神経に突っ込んでくるなんて!」


ドリアードの蔦の攻撃で剣人はかなりのダメージを負う。もはや痛みで剣を落としてしまうほどだったがドリアードの懐へと潜り込むことに成功する。


「今だ!スキルー」


ー{回復属性魔術(小)}ー


マーリのスキルによって剣人の体が回復され剣人は再び剣を生成する。そのままその剣をドリアードに振り下ろした。


「面!!!」


剣人の振り下ろした剣がドリアードに当たる直前、ドリアードの蔦によって攻撃を防がれてしまう。


「ぐっ!」


剣人はなんとかドリアードの反撃を防ぎきって体制を整え直す。


「・・・・なかなか面白い動きをするわね・・・・。でもランク5の私に敵うかしら?」


「ランク5・・・・って、まさかあのドリアード、漆黒の精霊神・ドリアード?!!まずいケント!ここは一旦逃げ・・・・」


「ランク5が何だ!たあああ!」


「ケント!!」


剣人は再びドリアードに向かって走り出す。


「圧倒的な実力差に跪くがいいわ。スキルー」


ー{デストロイ・ウィップ}ー


ドリアードから他の蔦とは違う、黒い邪気のようなものが出現したかと思うとそれによって剣人は弾き飛ばされてしまう。


「ガハッ!!」


「まだよ。一発で済むと思っているの?」


ドリアードは空中落下している剣人を何度も何度も打ちのめしていく。十五発くらい叩かれたところで大木に打ち付けられた。


「グェッ!」



ーーガハッ、俺は、いつから素人であることを忘れて冒険者のように振る舞っていたんだろう。クイン・アクリスに勝ったあたりか?いや、それに挑んだあたりから既に気が大きくなっていたかもしれない・・・・ーー



剣人はうつ伏せの状態で大木の横に倒れ込んだ。


「ケ、ケント・・・・ガッ!」


剣人のそばに駆け寄ろうとしたマーリだったがドリアードのデストロイ・ウィップで弾き飛ばされてしまい、呼吸困難になってしまう。


「ふふふ、やっぱり人間っていうのは呆気ないわね。せめて楽にしてあげるわ。」


そう言うとドリアードはデストロイ・ウィップを振り上げる。


その時、デストロイ・ウィップが爆発した。


「何?誰だ!私のデストロイ・ウィップに攻撃をしたのは!!!」


剣人はそれを見て困惑してしまう。


「な、何が・・・・起こったんだ・・・・誰か・・・・来た・・・・のか?・・・・。」

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