転生記録12
「アンデッドの群れだって?」
気づいたら剣人たちはアンデッドの群れに囲まれていた。一体や二体じゃない。十数体くらいのアンデッドに囲まれている。
「ケント、ランク1のアンデッドは俊敏の基準値が0のはず。だから攻撃と回避を落ち着いて行えば・・・・」
「この数も勝てるかもってことか。」
剣人は早速一番近くのアンデッドに剣先を向ける。
「たあ!」
上手く間合いを調節しアンデッドの左腕を切り裂いた。
しかし腕を斬られたはずのアンデッドは悲鳴を上げるどころか剣人に反撃をしようとしてきた。剣人はなんとか察知して避ける。
「うわ!」
「気をつけてケント!アンデッドは急所を突かない限り活動を続けてくるよ。」
「・・・・それは厄介だな!」
剣人は攻め寄ってきたアンデッドの首を切り落とす。首を切られたアンデッドは活動停止しその場に倒れ込む。
「首を切り裂けばとりあえずはいけるか。」
「てやっ!」
マーリの方もアンデッドに詰め寄られ魔術師の杖で叩き飛ばしているが、もともと攻撃の得意でないマーリにアンデッドは何度も立ち上がり距離を詰めてくる。
そして遂にはマーリの横にまで詰め寄られてしまった。
「キャッ!」
「てやあっ!」
すかさず剣人は助太刀してマーリの横のアンデッドを切り裂く。
「大丈夫か、マーリ。」
「ひえー、危なかった。」
剣人は辺りを見渡すが、アンデッドは一向に減っている気配を見せない。
「・・・・むしろ増えてる?」
よく見るとアンデッドは地面を突き破って次々に新しいのが出てきている。
「これじゃ、ここから動けないよ。」
「他に仲間はいないし、踏ん張るしかないか・・・・。」
一時間くらいアンデッドと戦った剣人たちはなんとか全てのアンデッドを倒すことに成功していた。
「ゼエゼエ。お、終わったか・・・・。」
「はあ。まさかこんなにたくさんのアンデッドたちが出てくるなんて。」
「謎の人形モンスターの話はアンデッドだったのかな?」
「うーん。でも私たち二人だけで片付くようなモンスターに三匹の赤いネズミのリーダーが倒されるかな?」
「そうだよな。冒険者のベテランって話だったもんな。」
剣人は三匹の赤いネズミを倒したモンスターはアンデッドなのかと考えるがマーリに反論されそうではないと考えた。
「と、とりあえず他の冒険者たちのところに集まろう。私たち二人だけ行動しているといつ何があるか分からないし。」
「分かった。他の冒険者たちを探しに行くか。」
剣人たちは他の冒険者を探して歩き出した。
他の冒険者を探している間にも剣人たちは数々のモンスターたちと戦っていた。
「ケント、前にゴブリンが三体!」
「分かった!一気に片付ける!!!」
剣人はゴブリンに接近するとゴブリンのナイフを弾き飛ばし、そのまま剣を振り下ろした。
「面!面!胴!」
ゴブリンはそのまま地面へと倒れ込んだ。
「・・・・モンスターはこんなにたくさんいるのに冒険者はちっとも見当たらないな・・・・。まさかもうみんな帰っちゃったんじゃ!!・・・・。」
「いや、国家が直々に出したクエストを集合命令を出さずに帰るなんてことありえない。勝手に帰ることも許されるはずないし。」
「じゃあこの森のどこかにはいるってことだよな・・・・。俺たちを勝手に置いていったパーティも今頃どうしているのやら。」
ぶつぶつ言いながら歩く二人だったがその時茂みがガサガサとし始める。剣人たちはそこを向き剣を構えながら警戒する。
「な、なんだ?」
「うわーーーー!!!!」
その時誰かの悲鳴が聞こえた。
「っ!!」
「人の声?」
剣人とマーリは茂みに飛び込んだ。そこにはボロボロの冒険者が植物形のモンスターたちに襲われていた。
「あ、あれはマンドラゴラ?」
「今助けます!!!」
剣人はマンドラゴラに向かって飛び込んでいく。十体ほどいたマンドラゴラだったが剣人が来た瞬間に周りへと広がっていく。
「なっ!」
マンドラゴラは頭から何かを射出してきた。それが剣人にグサグサと当たっていく。
「ぐああああ!」
「ケ、ケント!」
剣人の体に針のようなものが刺さりまくりまるでハリネズミみたいになっている。
「わあああああ!」
マーリはビックリしながらスキルを発動させる。
ー{回復属性魔術(小)}ー
「し、死ぬかと思った・・・・。」
「さっきのはもしかして『針種飛ばし』?!! ってことはあのマンドラゴラはランク2の針種草・マンドラゴラ?」
「・・・・。」
針種草・マンドラゴラを倒そうにもスキル針種飛ばしによって接近が難しく、それが十体ほどいるとなるとかなりの苦戦を強いられそうだった。
「・・・・マンドラゴラは気が弱いことで有名だから一体でもなんとか倒せればこの状況を脱せるかもしれない。」
「一体か・・・・。でもあれをどうやって・・・・そうだ!」
剣人は剣を三本の指で挟んでダーツみたいに持った。
「え、ケントどうするつもりなの?」
「よーく狙って・・・・。はっ!」
剣人が投げた剣が一体のマンドラゴラに直撃した。仲間が倒されたマンドラゴラは一目散に逃げていった。
「なんとかなったか・・・・。」
「ケント、今のは何?」
「ああ、親父が剣道の稽古をしてくれた時に一緒に教えてくれた技術だよ。」
「へえ。剣道っていうのそんなこともするんだあ。」
いや、普通はそんなことしないんだけどな。俺の親父はかなりの有段者なんだけどたまに変な練習混じるんだよな・・・・。
「あ、大丈夫ですか?」
剣人は思い出したかのように冒険者のところへ駆け寄った。
「ぐう。」
「あれ、あんたギガントウォールのとこの・・・・。」
「大丈夫ですか?一体何が・・・・」
「人形モンスターだ・・・・。」
「え?」
「人形のモンスターに襲われた。俺だけはなんとかこのまま逃げてきたんだ・・・・。」
「他の冒険者たちは?」
「・・・・あのモンスターに襲われているかもな。ぐっ・・・・」
「マーリ。この人に回復魔術を。」
「分かった。」
マーリのスキルによってギガントウォールの冒険者を回復する。回復魔術を受けた冒険者は気を失ってそのまま倒れ込んだ。
「おい。大丈夫ですか?」
「気を失ってるだけだと思う。どこか安全な場所で休ませよう。」
「分かった。」
剣人とマーリは冒険者を比較的安全そうな場所に寝かせ、他の冒険者もいるかもしれない奥へと進むことにした。
「なっ!」
そこには冒険者たちが倒れ込んでいた。
「マーリ、この人たちを回復していてくれ。」
「任せて。」
マーリが冒険者たちを治療している間に剣人は冒険者たちを襲ったモンスターを探す。
「あら、随分と活の良さそうな人間がやってきたわね。」
「なっ!」
剣人は声のする方へ視線を向ける。そこには人が、いや人形のモンスターがいた。その姿はモンスターにあまり詳しくない剣人でも知っているものだった。
「あれは、ドリアード・・・・。」




