転生記録11
ここまでのあらすじ
クラスメイトに転生してとお願いされ異世界へと来てしまった金打剣人はモンスターに襲われ死にかけたところを冒険者のマーリ・ナチュラリアに助けられる。剣人は異世界での生計を立てるのと、元の世界に帰る方法を探す二つの目的で冒険者パーティ「天使と剣術者」へと入団し活動するのであった。
「皆の者、よくぞ集まってくれた。」
剣人たち冒険者は今、王城に集められていた。
「今回皆に集まってもらった理由は他でもない。我が王国の最大量の貢献をしていた冒険者パーティである『三匹の赤いネズミ』のリーダー、ジーエヌ・チュウワは何者かによって殺害された。」
国王のこの言葉に冒険者たちはざわめきだす。
「静粛に!さきほども言ったように三匹の赤いネズミは我々が最も頼りにしていたパーティだ。そのリーダーが殺害されたとなると我が国にとって大きな損害となる。」
国王の話を聴いていると隣りにいたマーリが小声で話しかけてくる。
「三匹の赤いネズミのリーダーが殺害されたって。これは大変だね。」
「マーリ。三匹の赤いネズミってそんなに凄い冒険者パーティなのか?」
「うん。戦闘技術に任務遂行能力。どれもピカイチに高くて国を揺るがすような任務の時はまず三匹の赤いネズミに依頼するほどだよ。」
「そんなに凄いパーティなのか。でもだからって冒険者をこんなに集めてどうするんだろ?三匹の赤いネズミの代わりになる冒険者パーティでも探す気なのか?」
剣人とマーリが話していると国王が重大なことを言い出した。
「それで三匹の赤いネズミのメンバーの話によるとジーエヌ・チュウワを殺害したのは人だったと言っていた。つまり戦闘能力の高いこの冒険者たちの中にいる可能性が極めて高い。」
この国王の言葉に冒険者たちは再びざわめきだした。
「おい、お前が殺ったんじゃないのか?」
「ちげぇよ。そもそも俺にチュウワさんを殺す能力もなければ動機もないだろ。でたらめを言うなよ。」
「どうせ国絡みのパーティに嫉妬して殺ったんだろ」
このような会話があちらこちらから聞こえてくる。主にパーティメンバー同士で言い争っているのが多いようだ。なので剣人とマーリは特に何も言われていない。
「国王様、お待ちください。」
その時、一人の女性の声が聞こえた。
「国王様、モンスターには人形をした奴だっています。人の形をしたモンスターに殺害され人間に殺されたと勘違いした可能性も十分に高いです。まずはジーエヌ・チュウワが殺された場所を詳しく調べることから始めたほうが良いかと。」
「あ、あの人はマルチドラゴンズのティア・キラだ!」
「マルチドラゴンズだと?!!」
女性が喋った途端に周りの冒険者たちは驚き出す。
「ま、マルチドラゴンズ?」
剣人は何故こんなにも冒険者たちが驚きだしているのかが分からなかった。
隣を見るとマーリも鳩に豆鉄砲食らったような顔をしていた。
「あ、あれがマルチドラゴンズ・・・・。」
「あ、あのー、マーリさん?マルチドラゴンズってのは?」
剣人は驚いているマーリに質問をする。
「え?マルチドラゴンズ。ランク5とランク4の人員で構成されている戦闘能力最強と言われている冒険者パーティ。三匹の赤いネズミに代わって次期主力パーティとなるって言われていた超次元集団だよ。」
「じゃああのティアさん?って人はそのマルチドラゴンズの一員ってことなのか。」
剣人はティアをよく見てみる。体格、装備、外見、どれをとってもまさにクールビューティーという言葉が合いそうな人だった。
「そ、そうか。それでは今から冒険者たちにはその場所、"ミストフォレスト"へと向かってもらおう。」
国王もティアに言われた通りに現場を詳しく調べることにしたらしい。冒険者たちにジーエヌ・チュウワが殺害されたミストフォレストという場所を調べるように命じたのだった。
剣人たちも国王の指示通りにミストフォレストへと向かう。
国王はジーエヌが殺害されるような強力なモンスターがいる可能性があるということで三つのパーティで組んで行動するということになった。
そこで今回はギガントウォールというパーティとシンシールドというパーティと行動していた。
「おい、少年。そこの少年!」
剣人はギガントウォールのリーダーに話しかけられるが自分が呼ばれると思っておらず返答していない。
「おいお前だよランク1状態の少年!」
「え、はい?」
ようやく剣人は自分が呼ばれたと気付き返事をした。
「なんですか?」
「お前どれだけ自信があるかは知らないが町を出てもランクを隠しているのは流石にどうかと思うぞ。」
どうやら剣人がランク1でいることをランクを隠していると思っているらしい。
「あ、すみません、僕はこの姿しか無いです。」
剣人は今自分がなれるランクは1のみだと説明する。するとギガントウォールのリーダーは落胆する。
「何?なんだ、ランクを隠しているのかと思えばランク2にもなれない超落ちこぼれだったか。強ければそこのランク2のお嬢ちゃんから開放して俺らのところに入れてやろうと思ったのに」
「ちょっと、開放するってどういう意味ですか!」
ギガントウォールのリーダーの発言にマーリは怒る。そりゃそんな言い方されたら誰だって起こるよな。
「どうやら俺たちは役立たずパーティの面倒を見させられている役らしい。これなら俺らのパーティだけで行動した方が良さそうだ。行くぞみんな!」
ギガントウォールのリーダーはそう言うと何処かへと行こうとしてしまう。
「ちょっと待ってください!1パーティだと危ない・・・・。」
「僕らのパーティも別行動を取らせてもらうよ。」
シンシールドのパーティの人たちも何処かへと行ってしまった。
「ええ、嘘でしょ。」
国御用達の冒険者パーティのリーダーが殺された場所だというのに最終的に天使と剣術者も単体行動を余儀なくされることとなった。
「ケ、ケント!何かが近づいてくる。」
「なっ!」
剣人たちがあたふたしている間に何かがやってきてしまったようだ。剣人たちを取り囲むようにして近づいてくる。
「あ、あれは、アンデッドの群れ?」




